愛に似たもの の商品レビュー
唯川恵さんという作家について知らなかったが直木賞や柴田錬三郎賞を受けている。実力があって読み外れはないだろう。初めて読む作家は好みにあってほしいと祈るような気持ちと、少しの好奇心が道連れで、読んでみた。 女の気持ちをテーマにした8編の短編だった。どれも女(に限った事はないが)の...
唯川恵さんという作家について知らなかったが直木賞や柴田錬三郎賞を受けている。実力があって読み外れはないだろう。初めて読む作家は好みにあってほしいと祈るような気持ちと、少しの好奇心が道連れで、読んでみた。 女の気持ちをテーマにした8編の短編だった。どれも女(に限った事はないが)の心の奥底の思いだ。どうしようもない日常に蝕まれていったり、気がついていても引き返せない思いが詰まっている。 真実に近ければ近いほど、距離を置いて、直視しないでいれば愛も恋も維持出来るだろう。結婚生活はそのような部分も多い。 真珠の雫 男運のない母が、二度目に整った顔立ちの男を選んで、サチはそれを受け継いで生まれた。次の男は保険金のいくばくかの母の金を目当てにして近づき、金がなくなったので消えた、その娘(妹)は不器量だったが、サチがやっと持った店で手伝わせていた。そして気にも留めないほどに見下していた妹にしてやられた。 つまずく 離婚してもフラワーアレンジメントで食べていけた。懇意にしていた花屋の店員が配達の折には、細々した男仕事をこなしてくれたので重宝して可愛がっていた。彼に恋人ができたのも気にならなかったので祝福した。だが彼に頼みたい仕事もまだあったのに、周りの女たちの興味本位の噂が広がった。 ロールモデル 少女の頃から何でも良く出来た藍子は親友だった。理美は憧れをこめてなんでも藍子に尋ねて従ってきた。結婚も子供も。 藍子の夫が亡くなった、藍子がこんな不幸に合うなんて……。 やっと理美が自立し始めたのは優越感か。そのごの理美の変化が怖い。 選択 選択を間違えた。優秀で非の打ち所のない私が……、夫の選択を間違えて、今では実家のものを当てにしたりしている。友人たちより不幸になってしまった。かっての恋人の方が良かった。 男を看板にしたプライドで身を滅ぼす。 教訓 とり得もない、目立ちもしない、別に結婚願望もない、だがまわりが婚約だの結婚だ、妊娠だ、子供が出来たと言って来る、フト考えた、祝うだけの人生か。全てを取り戻すのだ! 今付き合っている男と是が非にも結婚したい。 経験を生かして、それからの男とは何度か付き合ったがなぜかそのたびに破局してきた。今回はそのときに言われた言葉を教訓にした。こまごまと、あれもこれも。 だが、遠まわしでは埒があかないと思った今度の男はついに言った「ごめん、ほうっておいてくれ。うんざりだ」 約束 編集プロダクションに勤めて居る幾子は、友人の葉月に得意先の機関紙の表紙のためにイラストを頼んだら、評判がいい。だが葉月は余命宣告を受けて入院してしまった。「頑張る」といって書き続けているのに。 葉月の夫は何もかも幾子とぴったり会う理想的な男だ。葉月がなくなりその夫と結婚したが、約束どおり葉月の書いた絵を見ることになってしまった。 ライムがしみる 久し振りに馴染みのバーに行った。ママは相変わらず気さくで身の上話などをした。 私は猫好きの男とは別れた。 最近ママの機嫌がよく猫の子を抱いてきた。男が出来たらしい。 帰郷 母を見舞いに帰郷した。いい思い出のない故郷、離れるために、母のように生きないために、顔を変えた。自己啓発セミナーにのめりこみ、今はその会の会長の愛人になっている。希望通り母とは違った生き方だ、結婚などはしない。 夫の横暴に耐え、親を介護し、今は入院している母。しかし母のところにいつも誰かが付き添っている、これは幸せなんだろうか. ちょっとした女の日常、勝手な生き方の典型を切り取ったものだった。切羽詰まったものもそうでないものも確かに思い当たる部分も多い。
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女同士の嫉妬を描いた小説って苦手なのですが、本作は最後まで読み切りました。決して気持ちの良い話ではないのだけど、分かる内容が多かったからかな。特に「欲」に関して非常にリアルに描かれています。おしとやかに見えてもやることやってる、大抵そうです。結局自分が一番かわいいですから。 他の...
女同士の嫉妬を描いた小説って苦手なのですが、本作は最後まで読み切りました。決して気持ちの良い話ではないのだけど、分かる内容が多かったからかな。特に「欲」に関して非常にリアルに描かれています。おしとやかに見えてもやることやってる、大抵そうです。結局自分が一番かわいいですから。 他の(女同士のドロドロを描いた)作品は苦手なのになぜこれを読み切れたか考えてみると、登場人物それぞれが強く生きているからだと思いました。男を利用しても浮気をしても、そこにはなにかしらの思惑や欲望がある。強い女性は好きです。
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きっとどんな人にも身近でありふれた、どこか滑稽で頼りない現代の女性像を描くのがうまい。 それは自分かもしれない。友人や身内かもしれない。状況は違えど女の私は共感してしまう部分もあって面白かった。タイトルが秀逸! 無欲な女などいないのだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これはイヤミス…? そう思うくらい後味が悪い。 (だからおもしろいのだろうけど) 長年の友達の不幸を願ったり 母親のようにはなりたくないとムキになったり、 他人とあれこれ比べながら生きている女性たちが 酷く醜いのになんだか身近にも感じられる。 「こんな女性たちのようにはなりたくない」 と思ってしまった私もまた 比較しながら生きている人間の一人…
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全ての物語、読み終わるとなんかモヤる 『女だわ〜』『いるいる〜』『あ、自分だ....』 女性が読むとこう感じるだろうなってなる本 男性が読むとどう思うんだろう... 横ばかりみて、常に誰かと比べてるから 自分ってよりも自分っぽい人生 愛ってよりも愛に似たもの 人は一人の人...
全ての物語、読み終わるとなんかモヤる 『女だわ〜』『いるいる〜』『あ、自分だ....』 女性が読むとこう感じるだろうなってなる本 男性が読むとどう思うんだろう... 横ばかりみて、常に誰かと比べてるから 自分ってよりも自分っぽい人生 愛ってよりも愛に似たもの 人は一人の人生しか生きられない 最近感じてたからめちゃくちゃ納得!
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なんだかちょっと後味の悪い恋愛話の短編集。 悪い女が多くておもしろかった。 ちょっとした合間に読める感じ。
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愛に似たなにか だな、と。 オンナの悪い部分が出ていて良い。 最後にどんでん返されるとわかっていても笑えるほど驚く。 自分より不幸な女をみてるみたいで気持ちいい。
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2024.2.17 幸せになりたくて計算高く、自分に徳があるように男へと働きかける女たち、長編で読みたいと思う短編ばかりだった!
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さまざまな「愛」の形が散らばられた一冊。 そりゃあ好きな人に愛されたくってそれでも人目を気にしては物指しで人をはかっちゃって、それはほれで人間らしいちゃらしいし。 人の数だけ恋愛の形があるのならば幸せも人それぞれだよなあって思った 唯川さんの本はいくらでも読めちゃう
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まさに「愛に似たもの」がテーマな短編集。 普通にどこにでも居そうな女性達の愛の話。 サクサクと読めて、最後にゾゾっとする。 人はどんな形でも「愛」が欲しいものなのかなと思う。 恋人でも家族でもペットでも。 でもその「愛」って、少し形が変わってしまうと、途端に恐ろしいものになる...
まさに「愛に似たもの」がテーマな短編集。 普通にどこにでも居そうな女性達の愛の話。 サクサクと読めて、最後にゾゾっとする。 人はどんな形でも「愛」が欲しいものなのかなと思う。 恋人でも家族でもペットでも。 でもその「愛」って、少し形が変わってしまうと、途端に恐ろしいものになる。 そんな少し恐ろしい「愛」の話だった。
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