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殺人者たちの午後 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2010/05/04

人を手に掛けるという罪を犯した者は、その後、いかにして「生」と向き合って行くのか。死刑制度のないイギリスでの話だが、日本の死刑制度を考える上での参考にもなる。

Posted byブクログ

2010/04/22

欲を言えば原書の内容全て訳してほしかったなぁ…。 犯罪者も、自分も、行ってみれば紙一重だなぁ、犯罪者ってひとくくりにできないなぁと思いました。 ちなみにこれを読み終わった夜、悪夢にうなされました。

Posted byブクログ

2010/04/07

(2010.03.01読了) 原本が出版されたのは、1990年です。翻訳されたこの本が出版されたのが2009年です。翻訳担当の沢木さんがなかなか本腰を入れなかったので、19年もかかってしまいました。出版社の執念で出版できたということでしょう。 原題は、Life after lif...

(2010.03.01読了) 原本が出版されたのは、1990年です。翻訳されたこの本が出版されたのが2009年です。翻訳担当の沢木さんがなかなか本腰を入れなかったので、19年もかかってしまいました。出版社の執念で出版できたということでしょう。 原題は、Life after life です。Life の意味には、生命、生活、人生、生涯、の他に終身刑、という意味があるそうです。従って、日本語にすると「終身刑後の生活」というような意味です。副題は、Interviews with Twelve Murderers です。「12人の殺人者への面接」ということですが、翻訳者の判断で、2人分が削除されていますので、10人分の面接が収められています。 この本はイギリスの本で、イギリスでは死刑がないので、「殺人で有罪になると終身の禁固刑を宣告される。法律的には殺人に対しては終身の禁固刑しか存在せず、裁判官はそれ以外の刑を申し渡すことはできない。刑は受刑者が死ぬ日まで続行され、取り消されたり撤回されることはない。」(312頁) 8年から12年ぐらいまじめに刑を努め上げると仮釈放が許され、一般社会で生活できる。保護観察官がつくので、保護観察官の求める期間ごとに、報告を行わなければならないし、保護観察官が必要と認めれば、雇用主に終身刑の受刑者であることを知らせないといけない。問題を起こせば、仮釈放は取り消され、刑務所へ戻ることになる。 従って、Life after life は、「終身刑の後も終身刑」が正確かもしれません。 インタビューの場所も、保護監察事務所、刑務所、公営住宅、市営住宅、等、受刑者の状態により様々です。 殺人した相手も様々です。通りすがりの見ず知らずの人、祖父、自分の幼い子供、行きずりの男、行きずりの少年少女、等々。 ●働くのが馬鹿馬鹿しい(75頁) 16歳で学校におさらばすると、次から次へと職を変えたが、どれも長続きしなかった。生活のために働くというのが馬鹿馬鹿しいことと思えて仕方がなかったんだ。俺は機械いじりが好きだったから、小さな工場や自動車の修理工場とかで何週間か働いて見ることもあった。だけど、しばらくすると朝起きるのが嫌になって、盗みでもやることにしようかとうろつき始める。そんなことを繰り返していた。 ●自分を許せない(88頁) おれは自分を許せない。俺がしたことによってこの世から人が一人いなくなってしまったんだ。いつもそのことが頭の芯にある。 ●一緒にいてくれる人が欲しかった(109頁) あたしはお金とかセックスとかそういった類のものを欲しがる人間じゃないの。あたしが一番欲しかったのは、友情だったり、仲間意識だったり、一緒にいてくれる誰かだった。ただ座ってテレビを見たり、料理とかアイロンがけするだけであたしはとっても幸せだったし、高級なレストランとかクラブに連れて行ってほしいなんて思いもしなかった。 ●自分を抑える(288頁) 私がわからなくて、医者たちにもわからなかったのは、どうやったら自分を抑えられるようになるかということだった。ところが、いつの間にか抑えられるようになってきたの。どんなふうにとか、どうしてとかはよく分からない。ただ、30代の後半になると、なんとなく落ち着いてきた。 どうして人は人を殺してしまうのか、人を殺してしまったことがその後の人生にどう影響してしまうのか、等、考えてみたい方にお勧めします。 (2010年3月7日・記)

Posted byブクログ

2011/09/20

以前から自分もいつか殺人くらいするかもなぁとおもってはいたんだけどというわけでレイプとか痴漢とかのほうが悪いような気がする今日この頃かっ ときてやっているんじゃないんだもん 

Posted byブクログ

2009/12/10

死刑のないイギリスにて、殺人罪で終身刑を受刑中の10名をインタビューしたノンフィクション。 登場者の話はどれも、過去に人を殺したような印象を受けない。インタビュアーのトニー・パーカーが巧みにリードしているのか、本人にとってはすでに過去のことなのか。狂気も悪意も残酷性も感じさせな...

死刑のないイギリスにて、殺人罪で終身刑を受刑中の10名をインタビューしたノンフィクション。 登場者の話はどれも、過去に人を殺したような印象を受けない。インタビュアーのトニー・パーカーが巧みにリードしているのか、本人にとってはすでに過去のことなのか。狂気も悪意も残酷性も感じさせない淡々とした語りが続く。 しかし、時々見せる自己嫌悪と後悔に、この人は殺人者なんだと気づかされる。 そして、語られる殺人までのプロセスはとても些細なことだ。人間はコップの水をこぼしてしまうように、人を殺してしまうものなんだな。

Posted byブクログ