フランバーズ屋敷の人びと 新版(2) の商品レビュー
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田舎屋敷で乗馬と狩猟に明け暮れる一族を描いた前話の次は、時代の花形である飛行機の開発に熱中するウィリアムと仕事を見つけて働き始めたクリスチナの新生活の話となる。 フランバーズ屋敷以前にクリスチナの世話をしていたグレイスおばが登場。いい人だ。 ウィリアムが敬愛するダーモットさんが自作の飛行機で事故死、ウィリアムに飛行機を遺してくれた。 ウィリアムは足の障害が飛行機の操縦に差し障ることに気づき、スイスの医者に治療してもらうことに成功。 親友で仕事仲間のサンディの事故死を越えて、ウィリアムとクリスチナはめでたく結婚するが、戦争はすぐそこまできていた。
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飛行機への夢を追う人をそばで見つめて。 家を出たクリスチナとウィルは、それぞれ結婚に向けて生活を始める。ウィルは飛行学校で働き、クリスチナはその近くのホテルで仕事を得る。さらに飛行機に魅せられていくウィリを、クリスチナは近くで心配しながら見守り、愛を育んでいく。事故や死と隣り合わせの飛行機乗りという生き方を選ぶウィルと、不安と喜びで心引き裂かれそうになりながらもウィルを愛するクリスチナの関係はどうなるのか。 思った以上にウィルが現実的で安心したが、飛行機に命も時間も捧げるウィルを必死で追いかけるクリスチナには頭が下がる。途中で何度も命の危機に遭いながら、ウィルは飛ぶことをやめないので、彼はクリスチナの不安や心配を受け止め切れていない気がした。それもウィルの魅力かもしれないが、心乱れるクリスチナの描写には同情し、心配し、ついページをめくる手を急いでしまう。 前の巻であのような別れ方をしたマークも再登場する。彼も分別を得たような、少し大人になったような。クリスチナがウィルを捨ててマークに惹かれるようなことはないが、マークも魅力的な人物であることは確か。この巻からの新しい登場人物サンディは、陽気で優しく、クリスチナの不安も受け止めてくれる好人物。それだけにラストはショックだった。 進化途上の飛行機の描写も面白い。しかし気になるのは戦争の影。あからさまに迫る第一次世界大戦。続きはさらにクリスチナと読者の心をかきむしる展開になると予想した。
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前作でラッセル家から家出してきた主人公カップル(まだプラトニックな関係)が身をやつして労働を始める境遇の変化で俄然面白くなった。 クリスチナは付き合わされ飛行機に乗ってドーバー海峡を横断、バルブ不調で(当時は’60年代ロケット並みに冒険的乗り物)あやうく墜落の危機だが「愛している...
前作でラッセル家から家出してきた主人公カップル(まだプラトニックな関係)が身をやつして労働を始める境遇の変化で俄然面白くなった。 クリスチナは付き合わされ飛行機に乗ってドーバー海峡を横断、バルブ不調で(当時は’60年代ロケット並みに冒険的乗り物)あやうく墜落の危機だが「愛している」と書いた紙切れを手に入れた。「最後のカップル乗馬」も経験した。 ラッセル当主が亡くなり(ウィリアムは葬式に出ず借金が多い館は兄マークが継ぐ)障害が無くなり二人は結婚するが二年前から予想された戦争が始まり空軍に志願すぐ終わるはずと呑気。
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念願かなって飛行機野郎・ウィルと結婚するも、予想通り、いやそれ以上に振り回されまくるクリスチナ。 その様は曲芸並である。 読んでいてなかなかにしんどい。 前巻に比べてクリスチナの個性や性格のシルエットが濃くなり、一人の女性が精神的に成長していく流れが物語の主軸になっている。 ...
念願かなって飛行機野郎・ウィルと結婚するも、予想通り、いやそれ以上に振り回されまくるクリスチナ。 その様は曲芸並である。 読んでいてなかなかにしんどい。 前巻に比べてクリスチナの個性や性格のシルエットが濃くなり、一人の女性が精神的に成長していく流れが物語の主軸になっている。 1、2巻での今までの生い立ちや内面の葛藤・鍛錬が、3巻からの人生を自分のものにしていく力に昇華されていくよう。 しんどくても平気な方は是非。
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クリスチナは、自分が飛行機に乗るのも恋人が乗るのもすごく怖くて、でも我慢してストレスを感じているのですが、そのもやもやが1冊の間ずっと続き、読んでいる方もストレス。
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自分の夢にまっしぐらで、彼女のことをわかろうともしない彼に、それでも、自分を偽ってまで寄り添う主人公。 彼女には身寄りもなく、彼しかいないから、我慢できるのか。 情報と出会いにあふれた現代人には、こんな愛はムリかもね。
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身近に飛行機バカを知っている分、クリスチナの苦しみがわかる気がした。対等な立場で一人の男性を愛するということをクリスチナは時代の制約のなかで精一杯教えてくれたように思う。その一方で(クリスチナには悪いけど)、知性と情熱で自然に立ち向かった飛行機黎明時代に昂揚感をおぼえることもたし...
身近に飛行機バカを知っている分、クリスチナの苦しみがわかる気がした。対等な立場で一人の男性を愛するということをクリスチナは時代の制約のなかで精一杯教えてくれたように思う。その一方で(クリスチナには悪いけど)、知性と情熱で自然に立ち向かった飛行機黎明時代に昂揚感をおぼえることもたしか。
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ウィルと駆け落ちしたクリスチナ。 だが、結婚は許されず、二人は自立の道を探る。 ウィルがまだまだ危険な乗り物である飛行機にのめり込む様子は不安をかきたてる。 愛し合いながらもウィルはクリスチナより飛行機の方が大事みたいだいし、クリスチナも乗馬への思いやみがたく、まあ普通はこれだと別れるね、なんて思いながら読む。 当時の若者が生き生きと描かれている。
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この物語、恐らくは KiKi が漫画「キャンディ・キャンディ」なんかを読んでいた時代だったらもうちょっと惹かれるものがあったかもしれません。 どことなく舞台設定が似ているんですよね~、あのマンガと。 でもキャンディとクリスチナだったらキャンディの方が魅力的かも・・・・・です。 これはキャンディの方がバイタリティにあふれた女性でクリスチナの方は頑張ってはいるものの、所詮「お嬢様」の域を出ていないから・・・・なのかもしれません。 第2部の「雲のはて」はカーネギー章を、第3部までの3部作でガーディアン章をとったとのことなんですけど、第2部、第3部と進むにつれ、KiKi にはあの第1部でも感じた「あまりにベタなプロット」が少々どころじゃないほど鼻につき始め、現代を生きる KiKi から見るとクリスチナの「世間知らずの金持ちのお嬢さんの悪意なき無神経さ」が嫌味に感じられるようになり、「これはセックスアピールの少ないハーレクイン・ロマンスか?」みたいな気分が盛り上がってきてしまいました。 (因みに KiKi はあの一世を風靡した「ハーレクイン・ロマンス」っていうやつが大嫌いです。) 第1部でも感じた様々な描写の躍動感みたいなものは少なくとも第2部の「雲のはて」までは生きていると感じます。 そして、飛行機黎明期の「ヒコーキ野郎」の情熱とか、宮崎さんが絶賛していた「飛行機そのものの描写」みたいなものは確かに凄いと思わされます。 これが女性作家の手になるものである(旦那のアドバイスが多々あったのかもしれないけれど)ことを考えれば尚更です。 でも、そんなある意味男性的な世界観の描写とハーレクイン・ロマンスばりの女々(おんなおんな)したリアル感に乏しい感情的な描写のギャップがどうもねぇ・・・・・・。 何だか二重人格っぽい不安定さを KiKi に感じさせるんですよね~。 まあ、第一次大戦前後の前時代的な風潮が色濃かったイギリス貴族階級の現実(しかも女性のそれ)というものが、ことほどさように地に足のついていないような雰囲気のものだったということもあるのかもしれないけれど、いずれにしろ「ああ、クリスチナよ、結局お前もそこまでか??」みたいな印象になっちゃうんですよね~。 第一部で感じられたクリスチナが時折見せる「目覚めの兆し」みたいなものが悉くなかったものとされていっちゃっている感じで、何だか読み心地が悪いんですよ。 「雲のはて」のクリスチナは「ヒコーキ野郎」についていこうと必死で、その必死さはわからないじゃないんだけど、生活をなりたたせるために働いている割には「労働の喜び」とか「社会性」みたいなものを感じさせないし、「めぐりくる夏」に至ってはウィルの死後フランバーズ屋敷に戻るのはいいとしても、手前勝手にかつての雇女中ヴァイオレットが産んだ子供(実はマークの子供)を引き取ると決めてかかったり、女手一つではどうにもならない農園経営をディックが必ず助けてくれると勝手に思い込んだりと「金と身分があれば何でも通用する」と無邪気に思えちゃう貴族階級の身勝手さ(しかも本人にはその自覚も悪意もないところが始末に負えなかったりする ^^;)を丸出しだし・・・・・。 挙句の果てにマークも亡くなったウィルもディックも、みんながクリスチナを愛していて、対するクリスチナも愛し方が異なりながらも3人とも愛していると来た日には唖然とせざるをえなかったりもするわけで・・・・・。 第2部で初登場した男好きのする(ついでに本人も男好きの)ドロシーの方があっけらかんとしている分まだ嫌味がなくて、クリスチナの態度の方には「上品そうな外見を取り繕いつつも・・・・」的な反感に近いものまで感じちゃう有様です。 まあ、そんな手練手管を無意識のまま駆使できることこそ貴族子女の素養の1つと言ってしまえばそれまでなんですけどね(苦笑) 乗りかかった船(?)なので、一応最後まで読み通そうとは思っているけれど、何となく気が進まないなぁ・・・・・。
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フランバーズ屋敷の人びとの2巻目。 読んだのは、多分、中学時代。 1巻を小学校高学年で読んで、図書室で、新書の2巻、3巻を見つけて読んだはずです。 で、この巻の内容なのですが……まるで覚えてなかったりします。 というか、わたしの記憶の中では、2巻はじまった時点で、もう、ウィルは...
フランバーズ屋敷の人びとの2巻目。 読んだのは、多分、中学時代。 1巻を小学校高学年で読んで、図書室で、新書の2巻、3巻を見つけて読んだはずです。 で、この巻の内容なのですが……まるで覚えてなかったりします。 というか、わたしの記憶の中では、2巻はじまった時点で、もう、ウィルは死んでいて、クリスチナは未亡人だったような気がしていたのですが……。 それ、多分、3巻目の内容ですねぇ。 ということで、ものすごく新鮮な気分で読んだ2巻です。 読んで、納得したのは、多分、この2巻に書かれていること、愛についての不安とかそういうことは、中学生の男子の頭の中には、残らなかったのだと思います。 そして、ところどころの飛行機を飛ばす描写は記憶に残っているのに、その時のクリスチナの恐怖はまったく記憶に残っていない。 きっと、当時は、ウィルとクリスチナの2人のうちのウィルにだけ共感していたんだろうなぁと想像できます。 自分に、そういう前しか見えてない時代があったんだということを感じさせる今回の読書というのは、なかなか、興味深かったです。 でも、今ぐらいの年になると、クリスチナの不安や、最大のライバル(飛行機)をこそ認めなければならないというクリスチナの矛盾、そういうことは、とても良くわかる。 好きな人が、自分以外の物をみているというのは、まあ、仕方ない部分はあるけれどさびしい感じもする物です。 ものすごく走り抜けた感じのある婚約期間の物語でした。 このまま、2人が結婚生活に入っていって、どんどん年老いていって、それでも巧くやっていけるのかどうかというのは、その当時は疑いもしなかったのですが、今読んでみると、けっこう危ういかもしれないとも思ったりします。 まぁ、お互いを認めて、いろんな事に慣れて、何事もなくすごせる可能性も、高いとは思うのですが、どこかで耐えられなくなっている可能性も否定できないと思います。 また、この「フランバース屋敷の人びと」という話自体が、人って、けっこうそんな完璧な存在ではないよということを突きつけてくる話でもあります。 そして、でも、ろくでもない人でも、どこか魅力があるんだよと、それを知らせてくれる話でもあります。マークとかな。 マークは、やっぱり、男は顔が大事なのか……とか思っていた記憶があります。自分の顔にコンプレックスがあったので(笑)今でも、まあ、あるけどねぇ。 まあ、わたしは次男なので、長男の圧力というのはいつもあったわけで、そういう意味で、やっぱり、次男坊のウィルには、共感しやすかっのかもしれません。 人生に、何度も何度も読み直して、その度に新しいことが見えてくる本というのがあるのだと思います。 読み捨てるなんて、もったいないです。 読み捨てられない。だから、例えば、携帯とかで読むのに抵抗があるんだろうなぁ。機種が変わったら、読めなくなるじゃないかと思ってしまう。 だから、わたしは、本の形をしたものが好きなんだろうなぁ…。
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