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死刑 の商品レビュー

4.4

11件のお客様レビュー

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2017/04/24

死刑そのものや、死刑に関わる仕事につく人たち、加害者と被害者についてざっくりと説明を加えて書かれたもの。 色んな点に触れているため、死刑についての結論のようなものはありません。 死刑は無くすべきか?生きて償い続けるべきか?死んで詫びるべきか?と言われると、読んだ私の考えは変わりま...

死刑そのものや、死刑に関わる仕事につく人たち、加害者と被害者についてざっくりと説明を加えて書かれたもの。 色んな点に触れているため、死刑についての結論のようなものはありません。 死刑は無くすべきか?生きて償い続けるべきか?死んで詫びるべきか?と言われると、読んだ私の考えは変わりませんでした。 教誨師や刑に関わる人達のやっていることは、絶対に良いことではありますが、やはり、一方的に大切な人を奪われて悲しみや怒りを抱く人達の感情の方に強い共感を覚えてしまいます。 加害者が生きて償える機会を与えるのなら、被害者に対してそれ以上に悲しみを癒し、救いの道を与える制度とケアはあるべきです。 なので、本書で海外の一部の被害者の制度について豆知識程度に知れたのは良かったです。 死刑判決が出ても、再審など色々な事情でほとんど終身刑みたいな状態になるのも含めて、社会全体が目を向けるべき問題なのは分かりました。

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2015/10/31

誰かの命を奪うという事は結局誰も救われない。 それはきっと死刑執行をもってしても。 だからといって否定とも肯定ともはっきりできない。 判決について、死刑執行について、贖罪について、取材を通して書かれた1冊。できる限り被害者、加害者、偏ることのない視点で記そうとしていることを感じ...

誰かの命を奪うという事は結局誰も救われない。 それはきっと死刑執行をもってしても。 だからといって否定とも肯定ともはっきりできない。 判決について、死刑執行について、贖罪について、取材を通して書かれた1冊。できる限り被害者、加害者、偏ることのない視点で記そうとしていることを感じさせる。 2009.10 読売新聞社会部

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2012/08/11

読んでてすごく辛かった…死刑事件一つでも辛いのに過去の死刑事件について立て続けに記述されてる。よく取材して書き上げたなぁ、死刑に関する色々をこれだけ集めたと思う一方、死刑制度を存続すべきか廃止すべきかの議論といずれにせよどう運営してくかの議論がややないまぜな印象…。前提として死刑...

読んでてすごく辛かった…死刑事件一つでも辛いのに過去の死刑事件について立て続けに記述されてる。よく取材して書き上げたなぁ、死刑に関する色々をこれだけ集めたと思う一方、死刑制度を存続すべきか廃止すべきかの議論といずれにせよどう運営してくかの議論がややないまぜな印象…。前提として死刑に持たせる意味や刑罰の位置付けが異なって議論されていて折合いがつかないんじゃないか…制度の存否は最後はどちらかに決めうちしなきゃならないのかもしれないけど、議論を整理して考えてみたい。

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2012/02/22

犯罪抑止力としての死刑…抑止を目的としてではなく、その加害者の犯した罪そのもののみを裁けているのであれば、あって然るべきだと思う。極刑としての死刑と、次に重い罰としての無期懲役との隔たりは無限だが、そこに終身刑を導入するというのはどうなんだろう?もし自分が被害者や遺族の立場なら、...

犯罪抑止力としての死刑…抑止を目的としてではなく、その加害者の犯した罪そのもののみを裁けているのであれば、あって然るべきだと思う。極刑としての死刑と、次に重い罰としての無期懲役との隔たりは無限だが、そこに終身刑を導入するというのはどうなんだろう?もし自分が被害者や遺族の立場なら、やはり無期懲役では軽過ぎると感じるだろうけど、死刑や終身刑で更生の可能性や機会を永久に完全に奪われた状態で、加害者が真に反省、後悔し、贖罪の気持ちや行動を保ち続けられるかというと、それも難しいだろうとも思う。いくら考えても、正解なんてない。迷いなく言えるのは、とにかく犯罪の起こらない社会になって欲しいということだけ。そのために法律や行政、司法が何をすればいいのか。考え続けていくしかないんだろうなぁ。

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2011/04/09

「殺しの権力」について考えさせられる 命で命を償う 果たして正しいのだろうか? 私にはわからない でも「殺し」だけは絶対にいけない 死刑、国による殺害 私が被害者になれば賛成するのだろうか いまは死刑廃止を願うが、心は変わる もっとも、事件がおこる社会の不幸せがいけない

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2010/07/21

死刑について基礎知識から具体的事例にそった、被害者遺族、加害者、刑務官、弁護士、裁判官それぞれの視点からの死刑が書かれていて、とても勉強になった。 外国の状況についても少し記述があるのもよかった。

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2010/01/03

冒頭の死刑執行の場面から好奇心をくすぐられ、あっという間に読み終わってしまった。 死刑制度を考えさせられる本。 死をもって償いは終わるのか、生きながらえて祈りを捧げるのか、どちらの苦しみの方が正しいのかは、何とも言えない。 ただ、死刑になるのは当然という自分の意見は考え直さないと...

冒頭の死刑執行の場面から好奇心をくすぐられ、あっという間に読み終わってしまった。 死刑制度を考えさせられる本。 死をもって償いは終わるのか、生きながらえて祈りを捧げるのか、どちらの苦しみの方が正しいのかは、何とも言えない。 ただ、死刑になるのは当然という自分の意見は考え直さないといけないと思えた。 死刑執行されるときと事件発生当時とでは、人はこうも変われるのかということもある。 死刑執行人、職員からみた死刑囚の姿、遺族の立場からの死刑。 そのどれもが真実で、どれが正しく間違いなのかは何とも言えない。 罪を憎んで人を憎まず。

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2012/05/24

死刑制度をめぐる様々な問題を考える取っ掛かりとして、悪くない本だろう。 被害者の遺族、加害者、刑を執行する刑務官、裁判官、検察官、死刑囚を悔い改めさせる教誨師、死刑廃止論者などの各立場の実情や意見、海外における死刑の有無など、多岐に渡って、丁寧に取材がなされている。文章も平易で読...

死刑制度をめぐる様々な問題を考える取っ掛かりとして、悪くない本だろう。 被害者の遺族、加害者、刑を執行する刑務官、裁判官、検察官、死刑囚を悔い改めさせる教誨師、死刑廃止論者などの各立場の実情や意見、海外における死刑の有無など、多岐に渡って、丁寧に取材がなされている。文章も平易で読みやすい。新聞記者の面目躍如といった感じがする。 現行、死刑制度がある日本だが、もしその是非を問うのであれば、個人的には、「死を死で贖うべきなのか」という理念の部分と、運用上の問題は分けて考えた方がよいのではないかと思う。後者にあたるのは、刑務官の精神的負担が大きいとか、冤罪で無実の人が死ぬ可能性があるといった点だ。それ自体、大きな問題ではあるけれど、そこまで持ち出してきたら根本の議論が成立しないだろう。まずは大きな枠で判断して、個々の問題はそれからの話だと思うのだが。 一方で、現状としては、刑を執行するにあたっても、何だかいろんなことを考えるあまりに、がんじがらめになってしまって、誰にとっても納得がいきにくい形になってしまっている気がする。そういう意味では、本書で触れられている、フランスの事例は興味深かった。世論に反する形で、政府主導で死刑廃止を決定したのだが、当時の司法大臣曰く、「世論が変わるのを待っていたら、死刑はいつまでたっても廃止できなかった」。 うーん。どちらの立場を取るにしろ、どこかで強いリーダーシップや判断力が発揮されないと、大きな方向転換は難しいのかもしれない。日本の場合はその前に、もう少し議論を尽くす必要がある気がするが。 それにしても、江戸時代には十両盗めば死罪と言われていた(いや、それがよいと思っているわけではないけれど)のに、どこでこんなにも死刑のハードルが高くなってしまったのだろう。その辺もちょっと追ってみたい気がする。

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2009/12/03

読売新聞紙上に連載したものに加筆。 死刑囚や被害者の家族、裁判官や弁護士、刑務官など関係者に幅広く取材し、あまり知られることのない死刑の実像に迫る。 死刑は究極の再犯防止(殺人犯が出所後、再び殺人を犯すことも多い。死刑だったら再犯による被害は防げた)の視点はない。被告の人権(自ら...

読売新聞紙上に連載したものに加筆。 死刑囚や被害者の家族、裁判官や弁護士、刑務官など関係者に幅広く取材し、あまり知られることのない死刑の実像に迫る。 死刑は究極の再犯防止(殺人犯が出所後、再び殺人を犯すことも多い。死刑だったら再犯による被害は防げた)の視点はない。被告の人権(自らの意思で犯罪を犯したのだから)より、被害者とその家族ら関係者のことをもっと大切にすべきだ。

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2011/11/02

死刑を存置すべきか、廃止すべきか。 この本にその結末はありません。 死刑執行に関わるいろんな人たちの話をもとに書かれたノンフィクション。 死刑を言い渡した裁判官、死刑執行にサインする大臣、執行のボタンを押す刑務官、殺された家族の遺族、死刑を待つ死刑囚・・・。 自分の愛する人たち...

死刑を存置すべきか、廃止すべきか。 この本にその結末はありません。 死刑執行に関わるいろんな人たちの話をもとに書かれたノンフィクション。 死刑を言い渡した裁判官、死刑執行にサインする大臣、執行のボタンを押す刑務官、殺された家族の遺族、死刑を待つ死刑囚・・・。 自分の愛する人たちが、殺されてしまったとき、はっきりと「死刑ではなく、生きて償ってほしい」と思えるのだろうか、、、と何度も考えてしまいます。 メディアを通じてしか知らない「死刑」。 あんなに悪いことをしたから死刑は当たり前だ、と簡単に思ってしまう世の中にいて、死刑をもっと知らなければ、と思わざるをえません。

Posted byブクログ