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職業としての大学教授 の商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2020/08/08

図書館で見つけた潮木さんの本。 博士課程取得から大学教授になるまでのプロセスを、豊富なデータを用いて、独仏英米と日本の比較からあぶり出す。 要するに日本は、グランドデザインを欠く、というか、身内に甘い優しい国なのだ。優しすぎて身を滅ぼす。

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2018/10/11

アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・日本の博士号をとるまでの過程や教授への出世の仕方の違いなどが書いてあり、興味深く読むことができます。,日本・フランスはどちらかというと公平ではないイメージを持ちました。(日本の方がひどい)

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2018/09/08

院進して、大学教員志望の方は必見。 まさに日本は、大学教員死亡の様相である。 もう10年近く前のものになったので、現状が気になって仕方がない。 第4章と終章だけでも読んでほしい。覚悟の書。

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2014/10/20

日本の特殊性を米国、英国、ドイツ、フランス等と比較している。 日本は煙突型を超えて逆ピラミッド型になっているらしい。 内側に居る自分としては、もうかなり普通に思うことも多いが、やはり異常なのだろう。 もう少し問題点に正面から挑んでくれることを期待したのだが、妙に第三者的な記...

日本の特殊性を米国、英国、ドイツ、フランス等と比較している。 日本は煙突型を超えて逆ピラミッド型になっているらしい。 内側に居る自分としては、もうかなり普通に思うことも多いが、やはり異常なのだろう。 もう少し問題点に正面から挑んでくれることを期待したのだが、妙に第三者的な記述と感じてしまうのは、著者が現役ではなく既に「上がり」だからだろうか。

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2013/01/20

論文博士という道がある 修士課程2年間で500万 博士課程5年間では1200万以上損する 大学教員市場は17万人 社会人から大学教員になる割合が約4割 大学院の修了と同時に助手か講師に採用される割合は1割 大学教員の養成過程としては量的に不均衡である 助手の採用時平均年齢は32歳...

論文博士という道がある 修士課程2年間で500万 博士課程5年間では1200万以上損する 大学教員市場は17万人 社会人から大学教員になる割合が約4割 大学院の修了と同時に助手か講師に採用される割合は1割 大学教員の養成過程としては量的に不均衡である 助手の採用時平均年齢は32歳 少子化のため、大学教員の新規採用数が減る 大学教員になるコスト 年数、確率、逃した所得 利点 知的冒険、自由度 やはり研究が楽しいと思えるかどうか 給与は国立私立たいして変わらない 優遇も制裁もない 日本の教授の満足度は低い 大学教員は研究に没頭できるわけではない 大学教員には選抜が必要、その上でセーフティネットも必要 任期付雇用では供給過剰には対応できない 学部卒、修士修了の段階で将来大学教員、研究者としてやっていけるだけの能力、ガッツがあるかわかる 青春は二度と繰り返せない 研究、起業、二つの両輪を回す

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2012/12/02

 日本の大学教授というものが、世界各国の大学と比べていかにいびつかが分かる。しかしながら、この本はそれを責めるよりも、これからの未来について語っている。 (各国の大学だってそれぞれ問題はありいびつだということは示されている)  よりよい教育、よりよい未来に向けての提言の本でした...

 日本の大学教授というものが、世界各国の大学と比べていかにいびつかが分かる。しかしながら、この本はそれを責めるよりも、これからの未来について語っている。 (各国の大学だってそれぞれ問題はありいびつだということは示されている)  よりよい教育、よりよい未来に向けての提言の本でした。  データは多いけど素人にも読みやすかった。

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2012/11/20

事例研究課題文献。テーマはテニュアトラックとポスドク問題であり、先生がまず最初に読むべき本として掲げた。ウェーバーの「職業としての政治」「職業としての学問」に表題が似ているなと思いながら、学習上で大切な個所をマークしながら読んだ。 一読して率直な感想は、第5章「変化を続ける大学...

事例研究課題文献。テーマはテニュアトラックとポスドク問題であり、先生がまず最初に読むべき本として掲げた。ウェーバーの「職業としての政治」「職業としての学問」に表題が似ているなと思いながら、学習上で大切な個所をマークしながら読んだ。 一読して率直な感想は、第5章「変化を続ける大学」の構成上の位置付けが分かりにくい点である。1~4章のドライな教員数統計には多くの重要な指摘事項が埋め込まれている。しかし5章からアメリカの商業化・企業化した大学の紹介が約20頁に渡り述べられている。クラーク、ボック、カーの論を引用しながらクラシックな大学教授の像を壊すのが目的なのか。だとすれば、1章を割くより第3章のどこかで少し触れる程度でよかったのではないか。個人的には4章→終章のアーティキュレーションの方がスムーズな感じがした。5章のテーマには、類書がとても多いので別の場で考えることもできる。企業人となった大学教授に関する新データの提示があればよかったかもしれない。

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2011/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「日本とはどういう国なのか、それを知るには、他の国を知らなければならない。他の国とは自分の顔をみるためにかかげられた鏡である」 これが潮木先生の基本スタンスである。 本書は、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツの大学教員について様々なデータにより比較することで、日本の大学教員、ひいては日本の大学の特徴や問題点を明らかにしている。 フランスの大学教員の中等教育との連続性、ワーク・エデュケーション・バランス、「20のクラークの特徴」など、実務(大学職員です)に活かせる内容も多い。 p196-197の5つのまとめは仕事をする上で忘れないようにしよう。しかし、最後の「博士課程の募集停止」は本当に「重い切った提案」だなぁ!

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2010/06/06

[ 内容 ] 学問に近道はない、教授への近道はもっとない。 大学教員は、どう育成され、どう選抜されているのか。 米英仏独と日本を比較して、明らかになるメカニズム。 [ 目次 ] 第1章 欧米のピラミッド型は変化したのか(イギリスではどう変化したのか;フランスの場合;ドイツの場合...

[ 内容 ] 学問に近道はない、教授への近道はもっとない。 大学教員は、どう育成され、どう選抜されているのか。 米英仏独と日本を比較して、明らかになるメカニズム。 [ 目次 ] 第1章 欧米のピラミッド型は変化したのか(イギリスではどう変化したのか;フランスの場合;ドイツの場合;アメリカの場合;日本の場合) 第2章 日本型大学社会の形成 第3章 大学教師の値段はどうやって決まるのか(ドイツの教授資格試験;ジュニア教授制度;フランスのコンクール方式;内部昇進禁止の原則;消滅した助手ポスト;アメリカの方式;イギリスでの昇進制度;揺れる内部昇進禁止の原則) 第4章 博士になるための茨の道(博士号をとるには;日本のケース;ドイツのケース;博士課程の生活費調達;フランスのケース;フランスでの博士号の経済的価値;アメリカのケース;博士課程修了の見返り;イギリスのケース) 第5章 変化を続ける大学 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/05/06

はしがき 著者の問題意識を述べている。 ・米英仏独「ピラミッド型」教授は大学教員のうち約20%。一方で日本は「煙突型」ないし「逆ピラミッド型」で教授は大学教員のうち40%もいる。 ・日本では「大学の自治」、「学部の自由」の名のもとに外部評価を阻んでいる。日本の大学教員は自己の保身...

はしがき 著者の問題意識を述べている。 ・米英仏独「ピラミッド型」教授は大学教員のうち約20%。一方で日本は「煙突型」ないし「逆ピラミッド型」で教授は大学教員のうち40%もいる。 ・日本では「大学の自治」、「学部の自由」の名のもとに外部評価を阻んでいる。日本の大学教員は自己の保身ばかりを考えていて、後継者世代の確保に冷淡である。 ・大学が自大学の利益ばかりを考えたために、大学教員の供給過多になっている。  解決策として大学博士課程の募集の当面の停止を掲げている。 序章 新掘通也『日本の大学教授市場―学閥の研究』(1965)という本をもとに、当時の日本の大学が抱えていた問題を明らかにしつつ、1965年以降の日本を含む世界の大学をめぐる状況変化について述べている。 第1章欧米のピラミッド型は変化したのか 英仏独はピラミッド型。 米は煙突型。大学の間に明確な格差があり、頂点であるトップレベルの研究大学の教授ポストを目指すとなると、厳しい競争に勝ち残らなければならない。 日本は逆ピラミッド型。 人口一万人当たりの大学教員の数 米22.4人 独20.2人 英18.6人 仏14.6人 日13.1人 人口一万人当たりの教授の数 米5.6人 日5.3人 独4.7人 仏3.3人 英2.4人 日本は、大学教員は少ないが、教授の数は多い。 ちなみにドイツに大学院が存在しないというのが驚きだった。 第2章「日本型大学社会の形成」 純潔主義、母校中心主義。自家繁殖(インブリーディング)になってしまっている。つまり、大学教員の多くが、その大学出身者で固められている。 第3章「大学教師の値段はどうやって決まっているか」 教授、助教授の資格の審査は同じ学部の同僚。給与体系は公務員的で、国公私立問わず全国どこでも対して変わらず、優れた業績があろうがなかろうがそこに優遇も制裁もない。

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