ボトルネック の商品レビュー
米澤穂信の作品をいくつか読んだことあり、帯の「フィクションです」という言葉につられて読んでみた。 正直あまり面白くなかった。ミステリと言いつつも内容が思春期である主人公の心の機微みたいなものが中心で、肝心のミステリ要素も結構突拍子もなく感じてしまった。 結末もとりあえず含...
米澤穂信の作品をいくつか読んだことあり、帯の「フィクションです」という言葉につられて読んでみた。 正直あまり面白くなかった。ミステリと言いつつも内容が思春期である主人公の心の機微みたいなものが中心で、肝心のミステリ要素も結構突拍子もなく感じてしまった。 結末もとりあえず含みを持たせたような印象で、読者に判断を委ねる必要がどこまであったのかあまりわからなかった。
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作者の古典部シリーズや短編集が好きなので、シリーズじゃない長編をと思い手にとった。 序章、終章含め全6章からの構成。舞台は主人公の生まれなかった世界とばミステリー要素はしっかりおさえながら、
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前2冊が「感涙」と「驚嘆」だった。 味なら、「甘味」と「旨味」。 今回も先入観無く読み始めた。 200ページ読んでも感じるのは「苦味」。 それも読了後、舌先に深い苦味が残るタイプだった。 「次も」と勝手にハードル上げていた自分に良いアクセントだった。 ここまで狙い通りだったと...
前2冊が「感涙」と「驚嘆」だった。 味なら、「甘味」と「旨味」。 今回も先入観無く読み始めた。 200ページ読んでも感じるのは「苦味」。 それも読了後、舌先に深い苦味が残るタイプだった。 「次も」と勝手にハードル上げていた自分に良いアクセントだった。 ここまで狙い通りだったとしたら、坂本さんって一体何者・・・。 救いばかりが本じゃないと思い知らされた。 作者が付けた「ボトルネック」。 最初は唐突感のある用語の登場シーンや使い方には共感できなかった。 でも読み終えて深い題に思えた。 流れを窄めれば後の勢いが落ちる。 狭窄の極みは停止。 主人公の性格、追い込まれる気持ち、東尋坊までもボトルネックにかかっているとしたら。 後半のグリーンアイドモンスターのくだりが雑に感じたので星4つ。
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なんだか嫌な後味だった。 東尋坊と金沢が舞台なのでワクワクして読んだが、北陸の空のようにどんよりしてしまった。 両親にとって第二子であるサキが生まれた世界と、サキを流産したために僕が生まれた世界。微妙に異なる世界。僕の生まれた世界はサキが生まれた世界より少しずつ不幸だ。 テーマと...
なんだか嫌な後味だった。 東尋坊と金沢が舞台なのでワクワクして読んだが、北陸の空のようにどんよりしてしまった。 両親にとって第二子であるサキが生まれた世界と、サキを流産したために僕が生まれた世界。微妙に異なる世界。僕の生まれた世界はサキが生まれた世界より少しずつ不幸だ。 テーマとしてはもっともっと深い内容にできそうなのに、軽いタッチで描かれて、中身も軽い…そんな感じがした。 最後の一文に絶望した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリ小説。 自分だけがいない世界と比較し自分が周りに与える影響を"間違い探し"によって思い知らさせることになる。その結果、自分は間違いでありボトルネックだった。わずかな希望として兄から申し訳程度に「他の誰にもない個性が誰にだってあるんだ」と言われていたのが印象的。 自分にはやはりミステリーは合わないのかも。徐々に謎が明らかになっていくが「こういうプロットで話が展開していったら面白そうだな」を外れると興味を失ってしまう。結末は意外性があったものの特段心地よいものでもなかった。
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全てが繋がったときの爽快感が凄い! 金沢に行きたくなりました 登場人物との掛け合い(特に姉)がホントの家族だったらと想像すると楽しいです
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なんか登場人物の口調がラノベの掛け合いのようで微妙だった。。ボトルネックというタイトルから、序盤早々にラストも想像できてしまって意外性がなかった。自分が生まれてさえいなければ全てがうまく行った…という酷な運命の帰路のことは、この先、自分に置き換え思い出して、辛い気持ちになってしま...
なんか登場人物の口調がラノベの掛け合いのようで微妙だった。。ボトルネックというタイトルから、序盤早々にラストも想像できてしまって意外性がなかった。自分が生まれてさえいなければ全てがうまく行った…という酷な運命の帰路のことは、この先、自分に置き換え思い出して、辛い気持ちになってしまいそう。
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米澤穂信氏の描く、青春SFミステリ小説。 自分の住む環境とは似て非なるパラレルワールドへと迷い込んだ高校生・嵯峨野リョウ。彼が訪れた世界には、リョウが生きていた世界には存在しなかった姉・嵯峨野サキの姿があった。 リョウの世界とサキの世界。二つの世界の相違から見出した真実には、哀...
米澤穂信氏の描く、青春SFミステリ小説。 自分の住む環境とは似て非なるパラレルワールドへと迷い込んだ高校生・嵯峨野リョウ。彼が訪れた世界には、リョウが生きていた世界には存在しなかった姉・嵯峨野サキの姿があった。 リョウの世界とサキの世界。二つの世界の相違から見出した真実には、哀しい結末が待っていた。 自分の存在した世界と、自分が存在しなかった世界。その二つの違いを比較しなければいけないのは、読者目線でもゾッとするような体験だった。 軽快に進んでいくストーリーとは裏腹に、読み進めるほど、その残酷な展開に胸が苦しくなる。村上貴史氏の解説から一言借りるのであれば、まさに『なんと容赦なく主人公の痛々しさを暴いたことか』。 ラストの畳み掛けるように襲い来る絶望感含め、メンタルに亀裂が入っているときに読む作品ではないなと感じた反面、自分がいたことで誰かが救われるように、せめて『ボトルネック』にならないように、今よりも少しだけ必死に生きてみようと考えさせられた作品だった。
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Amazonの紹介より 亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なの...
Amazonの紹介より 亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。 北陸を舞台にした摩訶不思議な物語となっています。東尋坊の崖から落ちたと思いきや、金沢の街にいて、そこは自分のいた世界ではなく、どこかのパラレルワールドであり、自分の人生とは真逆の人生を歩んでいることがわかります。 自分の人生では、死ぬといった不幸の連続であるが一方、こちらの世界は、生きています。 一つ一つパラレルワールドでの事実を知るたびに、なんとも切なかったです。 2つの世界が存在すると、どうしても比較してしまう人間の性なのですが、それで生じる絶望や哀しみが、まぁ辛かったです。 なぜタイムスリップしたのか?その仕組みは?といった真相はなく、2つの相反する世界を見ることで、主人公はどう見解していくのかが、この小説の読みどころかなと思いました。 一つずつ消されていく希望の灯に、人生の辛さを感じつつも良い影響を与える人にも出会ってほしいと思いました。 小説の中では、大きな括りとして、考えが似ている人だけにしか出会っていないので、これがもし、別の考えを持っている人に出会ったなら、もしかしたら主人公の動向は変わったかもしれません。 最後、主人公がどんな行動をとったのか、読者は想像するかわかりませんが、どちらも地獄?と考えると、なんとも複雑な気持ちになりました。 そういった主人公の心の揺れ動きだけでなく、恋人の自殺事件を深堀りしています。 なぜ自殺したのか?もしかして殺された?といった推理をしていくのですが、あくまでも推理なので、本当はどうだったのかモヤモヤ感は残りました。 もしかしたら別の解釈もあるんじゃないか?といった視点もあったので、気になるところです。 いずれにせよ、パラレルワールドがあるにせよ、ないにせよ、現実を生きなければなりません。 こういう表現だと、キツキツな気持ちになってしまうのですが、現実を受け止めながらも、こうできるんじゃないか。ああできるんじゃないか。といったポジティブな気持ちになることも大切です。 周りの人達の影響で、心が変わることもあるので、色んな人に出会うことが大切なのではないかなと思いました。
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