バレエ・メカニック の商品レビュー
7歳から9年間病院で植物状態の少女の脳に残された記憶が、東京の至る所で具現化される。娘を救うために彼女の脳幹に辿り着こうとする父親と、彼女の主治医のロードムービーのような作品。 津原泰水の作品が好きだ。 大多数の人には見えない世界と大多数の人が見ている世界を行ったり来たり...
7歳から9年間病院で植物状態の少女の脳に残された記憶が、東京の至る所で具現化される。娘を救うために彼女の脳幹に辿り着こうとする父親と、彼女の主治医のロードムービーのような作品。 津原泰水の作品が好きだ。 大多数の人には見えない世界と大多数の人が見ている世界を行ったり来たりしている人と、その冷静な観察者、愛情を持った協力者が出てくる作品が多い。というか、そういう作品が好きだ。 作者の頭の中は一体どうなっていたんだろう、と思う。作者自身が行ったり来たりしている人なのか、いや、そうだったら冷静な観察はできないのでは?愛情を持って寄り添っていきたいそのような特徴を持った対象がいたのか。 才能があって破滅型で長生きできなそうな人が主人公の物語をいくつか読んだ。この作品もその一つ。その主人公達には他者のために行動できるあたたかさを感じる。
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かねてから読みたかった、大脳を失い植物状態の少女が東京そのものを脳とする話。美しく生々しい混沌。極彩色の九龍城のよう。特に第一章は小説的というよりは長い長い詩のようで、前後がわからなくなることもしばしばあったけれど、文章を追うのにまったくストレスを感じなかった。最後の邂逅のシーン...
かねてから読みたかった、大脳を失い植物状態の少女が東京そのものを脳とする話。美しく生々しい混沌。極彩色の九龍城のよう。特に第一章は小説的というよりは長い長い詩のようで、前後がわからなくなることもしばしばあったけれど、文章を追うのにまったくストレスを感じなかった。最後の邂逅のシーンがたまらなく美しい。二章はもう少し読み込みたいが、第三章に至っては更に難解。手元に置いて脳に染み込ませたい一冊。「彼女」が好き。
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昏睡状態の少女の夢想と東京の街並みが、一緒くたになったような感覚は、登場人物同様に、読んでいる私自身も幻想に囚われたかのような、美しさと恐怖を感じました。 内容の全てを理解したとは思えず、正直、読んでいて難しく感じた部分も多かったのですが、根本は、もう一度会いたい人を、ただひた...
昏睡状態の少女の夢想と東京の街並みが、一緒くたになったような感覚は、登場人物同様に、読んでいる私自身も幻想に囚われたかのような、美しさと恐怖を感じました。 内容の全てを理解したとは思えず、正直、読んでいて難しく感じた部分も多かったのですが、根本は、もう一度会いたい人を、ただひたすらに求め彷徨っている人たちの哀愁がそこかしこに散りばめられているように感じました。 第三章の、複数形の「トキオ」が、改めて個人の「外起夫」に戻る場面は、上記のこともあり、印象に残りました。
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SF。ファンタジー。幻想。連作短編。 幻想小説の印象が強い。 個人的に、物語が進むにつれて、だんだんと理解できなくなっていく感じが独特。 基本的には苦手な作品。 評価の高い作品だと思うので、自分の想像力が足りなかっただけでしょう。
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“君”と“わたし”が誰なのか気を付けながら読まないと迷子になる。さらに、登場人物が今いる場所がリアルなのかどうかもよく分からないままストーリーが進行するので、迷子確率はそもそも高い。著者の空想が空想世界を創造した物語の中で、読者はその空想世界を漂うような感覚に陥る。著書の手のひら...
“君”と“わたし”が誰なのか気を付けながら読まないと迷子になる。さらに、登場人物が今いる場所がリアルなのかどうかもよく分からないままストーリーが進行するので、迷子確率はそもそも高い。著者の空想が空想世界を創造した物語の中で、読者はその空想世界を漂うような感覚に陥る。著書の手のひらの上で弄ばれている感があるが、それがむしろ気持ち良い。
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脳死状態の理沙を探す人々の物語。内容を説明することがひどく難しい、SFというか幻想小説というか。 目に見えるものが現実なのか、目に見える幻想なのか、そのラインが曖昧で、軸足の置き方も曖昧で。多分何度読んでもよくわからないだろうっていう、そういう感じがよいのかと。死に行くものはみな...
脳死状態の理沙を探す人々の物語。内容を説明することがひどく難しい、SFというか幻想小説というか。 目に見えるものが現実なのか、目に見える幻想なのか、そのラインが曖昧で、軸足の置き方も曖昧で。多分何度読んでもよくわからないだろうっていう、そういう感じがよいのかと。死に行くものはみなそれなりに満足していたのだろう。
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頭の中の普段使ってない部分を通して世界を知覚してるみたいな、不思議な時間を堪能した。読んでる最中に感じる牽引力とは裏腹に、読後感は静かで切ない。好きだな。良い読書体験だった。
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私の稚拙な頭でもっては話の半分も理解することができないが 第1章のその混沌はあのPSの迷作『LSD』を思い出させる。 理沙という少女の、可憐で確かに美しいさまだけは手に取るように感じられた。
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もう泰水ちゃんったらこういうオチすきねえ!!でも!すき!! 元来SFが苦手なタチなんで一章と三章はひいふう言いながら読みました。あいも変わらず読者を振り払っていくなぁ。めまぐるしくて不条理に振り回される感じで、ちょっとつらいな、とか思ったんですけどどの章もオチの幻想っぷりがいい...
もう泰水ちゃんったらこういうオチすきねえ!!でも!すき!! 元来SFが苦手なタチなんで一章と三章はひいふう言いながら読みました。あいも変わらず読者を振り払っていくなぁ。めまぐるしくて不条理に振り回される感じで、ちょっとつらいな、とか思ったんですけどどの章もオチの幻想っぷりがいい。龍神かわいいなー。 妖都好きな人なら一読をおすすめ。より地に足はついているのに浮いている感じ、作中に出てきた「壁を地面にして走る」気持ちで読めます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
倒錯した世界観、SFのようなファンタジーのような不思議な世界。 1章から3章へ連綿と続く主題としての理沙という不死の存在と、それを希求しては消えていく生命。その対比が無常感を際だたせる。 3章はやや難解に感じたが、読後感はなぜか爽快だった。 死ぬ前に会いたい人は誰だろう??? 私は所詮私でしかないらしい。
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