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フランバーズ屋敷の人びと 新版(1) の商品レビュー

3.7

11件のお客様レビュー

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2021/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

両親がない12歳の少女クリスチナが、エセックスの伯父の家フランバーズ屋敷に引き取られる。横暴な伯父ラッセルと性格が違う息子たち、マークとウィル。馬と狩猟以外に興味がない一家の中で、乗馬嫌いのウィルは折った足をわざと悪化させてまでも自分の道を切り開こうとする偏屈者だ。クリスチナもまた乗馬と狩猟にのめり込んでいくが、馬ではなく、新技術飛行機に熱中するウィルと共に屋敷を飛び出していく。このときまだ17歳、成人になり、両親の遺産を受け取れるまでにはまだ4年。 20世紀初頭、大戦の兆しが見え始めた時代。主人と奉公人の階級がまだはっきりしていた頃。 有能な使用人のディックの妹バイオレットはマークの子を身籠って解雇、というありがちのエピソードも出てくるが、このバイオレットが純情な村娘というよりなんどかすれっからしっぽい。

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2021/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私の生き方は私が決める。 孤児のクリスチナはラッセルおじのフランバーズ屋敷に引き取られた。そこには従兄弟のマークとウィルの兄弟も住む。マークとの結婚が将来にあることを念頭に置き、屋敷にやってきたクリスチナは、馬に熱中するラッセルおじ、乱暴だが力に満ちたマーク、馬よりも飛行機を愛する静かに熱いウィル、そして心優しい馬丁のディックと出会う。フランバーズ屋敷で彼らと交流しながら、クリスチナは成長していく。 狩りのシーン、馬で駆けて行くシーンの爽快さと、それぞれの登場人物のエネルギーがぐいぐいとページをめくらせる。マークが象徴する古い価値観とウィルが象徴する新しい時代への挑戦が効果的。ディックやウィル、そしてマークとの関係に関して鈍いクリスチナが罪深いと思いつつ、とりあえずはウィルを選んだクリスチナの今後が気になります。 個人的にマークは木村昴氏、ウィルは内田悠馬氏で、ディックは田丸篤志氏の声で聞こえてきます。

Posted byブクログ

2017/05/31

粗野で乱暴だが、女たちを惑わす美貌をもつマークか 傷つきやすく繊細で、知性を持ち合わせたウィリアムか 身分違いだが、力強い腕で抱きしめてくれるディックか 心揺れまくり。

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2014/10/31

冒頭の狐を追う猟犬の群れの描写が素晴らしかった。群れ自体が生命を持った川の流れのように、イギリスの荒野を駆け巡る様子が目に浮かんだ。 主人公の少女が、少女だからしょうがないけど未熟というか、ややステロタイプで物足りないな…。2巻3巻ときっと成長して自我を確立していったらより面白...

冒頭の狐を追う猟犬の群れの描写が素晴らしかった。群れ自体が生命を持った川の流れのように、イギリスの荒野を駆け巡る様子が目に浮かんだ。 主人公の少女が、少女だからしょうがないけど未熟というか、ややステロタイプで物足りないな…。2巻3巻ときっと成長して自我を確立していったらより面白くなりそう!

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2013/10/17

20世紀初めのイギリス。田舎のお屋敷、キツネ狩り、舞踏会・・・ ワクワクする舞台なのに、くら〜い(笑) 働きもせず、使用人を人とも思わず、ろくな人生送れないぞ。 貴族であれ、使用人であれ、女にはつらい時代です。

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2013/07/25

地主の長男が女中を孕ませるくだりなどけっこう当時の英国社会のきわどいところまで斬り込む。階級についての問題提起についても意欲的

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2012/12/05

岩波少年文庫だから子どもが読んでも大丈夫だけど、第一次世界大戦前のイギリスを舞台にした大河メロドラマ。 孤児のクリスチナが伯父と従兄の住むフランバーズ屋敷に引き取られてから始まる物語。 西洋人って、捕鯨は残酷だっていうけど、狐狩りはどうなのよ。圧倒的に数が多い猟犬と馬に乗った人...

岩波少年文庫だから子どもが読んでも大丈夫だけど、第一次世界大戦前のイギリスを舞台にした大河メロドラマ。 孤児のクリスチナが伯父と従兄の住むフランバーズ屋敷に引き取られてから始まる物語。 西洋人って、捕鯨は残酷だっていうけど、狐狩りはどうなのよ。圧倒的に数が多い猟犬と馬に乗った人が、狐を殺すまで追い続けるって。 楽しみのために。 個人的に闘牛よりずっと残酷に感じる。 それにこのクリスチナのもてっぷりは何なのよ。 三人の魅力的な男に想われて、気づかないなんてやな女だ。 「けんかをやめて~♪」状態。 特にディックに対する仕打ちがひどい。 とか、いろいろ不満を抱きつつも、結構面白くて一気に読んでしまった。 馬のことや初期の飛行機のこと、その時代の雰囲気も良く描かれているし、登場人物のキャラクターもいい。 一読に値する本であることは否定できない。 続きも読んじゃう。

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2011/10/04

20世紀初頭のイギリス。12歳の孤児クリスチナは、フランバーズ屋敷にひきとられてきた。相反する価値観を持つマークと、ウィルの兄弟と、心優しい馬丁のディック。彼らとの交流を通じて、クリスチナは自分の人生の在り方を選ぶ。 第一次世界大戦が始まる前。小公女や秘密の花園、ジェインエア、...

20世紀初頭のイギリス。12歳の孤児クリスチナは、フランバーズ屋敷にひきとられてきた。相反する価値観を持つマークと、ウィルの兄弟と、心優しい馬丁のディック。彼らとの交流を通じて、クリスチナは自分の人生の在り方を選ぶ。 第一次世界大戦が始まる前。小公女や秘密の花園、ジェインエア、ヒルクレストの娘たちに似ているようで、全く異なるクリスチナは、とても魅力的な少女。 マーク、ウィル、ディックも、みなそれぞれに魅力的でありながら、弱いところや、嫌な面もある。イギリスの階級や貧困の差、それぞれが、ありのままに綴られている。 馬がまだ生活の中心にあり、人間よりも馬が大事にされるフランバーズ屋敷。百年前のイギリスが、目に浮かぶよう。 続きが気になる。

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2011/05/10

授業の課題だったんで半ば義務的に読んだんですが 面白かった…! 最初…っていうか3分の2くらいはなんとなく状況がわかるまで ふーんって感じで読んでたんですが イギリスの狩猟の感じとかはすごくよくわかる部分だったと思います。 でも私はその辺はあんまり興味が持てなかったも...

授業の課題だったんで半ば義務的に読んだんですが 面白かった…! 最初…っていうか3分の2くらいはなんとなく状況がわかるまで ふーんって感じで読んでたんですが イギリスの狩猟の感じとかはすごくよくわかる部分だったと思います。 でも私はその辺はあんまり興味が持てなかったもんで、 なんとなーく読んでたんですが、最後のところでなんかすごくひきこまれた… ウィルかっこいいよ…ウィル…!

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2011/02/08

第1次世界大戦前夜のイギリスが舞台。幼くして孤児となった12才の少女クリスチーナが叔父と二人の兄弟のいるフランバーズ屋敷に引き取られる日から物語が始まる。その同じ日に、弟のウィルは馬狂いの父親の命令で、初めて参加したキツネ狩りで落馬、大怪我を負う。時は、飛行機の草創期。馬・狩猟・...

第1次世界大戦前夜のイギリスが舞台。幼くして孤児となった12才の少女クリスチーナが叔父と二人の兄弟のいるフランバーズ屋敷に引き取られる日から物語が始まる。その同じ日に、弟のウィルは馬狂いの父親の命令で、初めて参加したキツネ狩りで落馬、大怪我を負う。時は、飛行機の草創期。馬・狩猟・地主の時代を象徴する叔父と兄、飛行機の開発・操縦に命をかける弟。古い時代と新しい時代の相克・葛藤、戦争、恋。傑作です!!!(全5巻)(高橋節子先生)

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