北方謙三の『水滸伝』ノート の商品レビュー
私はこの作品で革命を志した闘いと、それが潰えていく物語を書いたが、外郭のそれとは別に、かつて抱いた内的衝動を、さまざまに書き込んだと言っていいであろう。・・・・青春の情念の再現を、小説で果たしおおえたかもしれない、と考えている。 まえがきより
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北方三国志が面白かったので、水滸伝も読んでみようと。 しかし、水滸伝の世界はぜんぜん知らないので、下調べみたいなもので、著者自身による解説書を読む。 解題されると、中身はまこともっともなんだけど、北方水滸伝自体があまり面白そうに見えない。たぶん読んだらすごく面白いんだろうと思う。...
北方三国志が面白かったので、水滸伝も読んでみようと。 しかし、水滸伝の世界はぜんぜん知らないので、下調べみたいなもので、著者自身による解説書を読む。 解題されると、中身はまこともっともなんだけど、北方水滸伝自体があまり面白そうに見えない。たぶん読んだらすごく面白いんだろうと思う。 そりゃそうでなければ困るというか、小説よりも解題のほうが面白かったら小説を書く意味がないと思うので、これはこれでいいんだけどね。
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最近、私生活において北方水滸にどっぷりハマっている私。本日読了の書は北方謙三による水滸伝回顧録である。 原典の水滸伝に対して、北方氏が破った掟は主に3点。 ・原典は108人の好漢が梁山泊に勢揃いするまでは一人の死者も出ないが、北方水滸ではまず名将:楊志に死んで貰い、原典に宣戦布...
最近、私生活において北方水滸にどっぷりハマっている私。本日読了の書は北方謙三による水滸伝回顧録である。 原典の水滸伝に対して、北方氏が破った掟は主に3点。 ・原典は108人の好漢が梁山泊に勢揃いするまでは一人の死者も出ないが、北方水滸ではまず名将:楊志に死んで貰い、原典に宣戦布告する。 →いくら強い豪傑でも全く死なないというのではリアリティに欠けファンタジーの域を出ない。子供が読む書ならそれでも良いのだろうが、対象読書は目の覚めた大人である。いい年した大人が熱狂出来るのは、こんなリアリティさが有るからだろう。 ・原典は時制が統一化されていないが、北方水滸では綺麗に時系列に則り整理されている。 →時制が飛ぶ小説ほど読みにくいことはない。北方水滸を読んでいてスムーズに進んでいけるのは、一重に北方氏の読者への配慮のおかげである。 ・原典では後半に宋の招安を受け入れて戦に投入されながら死んでいくが、北方水滸では招安を受けない。 →原典を読んで最も違和感を感じたのはこの点である。何故、あれほど敵対していた官軍に組み入れられてしまうのか。そして主人公の宋江は簡単に死を受け入れるのか。その憤りも北方氏は潰してくれたようだ。梁山泊軍は宋と闘い続けることとなり、続水滸伝といえる「楊令伝」へと続いて行くのだろう。「楊令伝」は現在も連載中という。そう考えると、私の水滸伝ルートの先は長い。言い換えれば、まだまだずっと先まで楽しめるということだ。 そして、北方氏が自身の水滸伝をキューバ革命の要素を入れたという種明かしが興味深かった。梁山湖に浮かぶ島である梁山泊はカリブ海に浮かぶキューバ島、梁山泊と敵対する大国:宋は大国アメリカ、二人の主人公:晁蓋&宋江をそれぞれゲバラ&カストロというように実際の歴史的事件をモチーフにしている。これはいつか、キューバ革命の書も読まねばならないだろう。キューバ革命を北方氏がどう料理したのか、後になって理解できるはずである。書と書をつなげて拡げる連環読書(私が勝手に名付けた。モチーフは呼延灼の連環馬)は楽しいものだ。 本書では宋の国の背景や王道と覇道、日中の死生観の違いなどがふんだんに語られており、今後より深く北方水滸を楽しめそうだ。最近、嵐山光三郎訳の原典、「替天行道」、そして本書と水滸伝つながりの関連本を読んでいるが、一休みはこのくらいにして、明日からまた北方水滸第13巻に戻ろう。
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★2009年81冊目読了『北方謙三の「水滸伝」ノート』北方謙三著 評価B この間まで面白くて一気に19冊読んでしまった水滸伝の設定の考え、作者の思いを書いた本。オリジナルの水滸伝を読んでいないので、設定がどう違うのか初めて知った部分もありました。やはり、北方水滸伝なんですね!!
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楽しく、読んでいたのですが、 楊令伝と史記の今後について、記載されていました。 今後、楊令は、さらに辛い道を歩むのかと思うと、やるせないです。
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