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明るい方へ の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2009/12/23

生誕100年記念の発行なので読んでみた。『斜陽』の子と呼ばれ育った著者の手になると思うと感慨深い。母から聞いた話、題材になった日記、それから自身も母になり年を重ねた結果の現在の渾身作だろうと感じた。

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2009/12/08

メモ。 2009.12.8朝日新聞夕、人・脈・記「漢字の森深く10」で太宰治の一字を取って名づけられた大田治子さんが紹介されていた。

Posted byブクログ

2009/11/08

私が子供の頃、近くの倉庫会社にその母子は暮らしていた。女の子はいつもボーッとして行動はのろのろしていた。 大人たちは『シャヨウの子よ』って言っていたので、私はボーッとぼんやりしてなんだかドン臭いことを「シャヨウ」というんだろうと思い込んでいた。 このエッセイには母静子さんは常に...

私が子供の頃、近くの倉庫会社にその母子は暮らしていた。女の子はいつもボーッとして行動はのろのろしていた。 大人たちは『シャヨウの子よ』って言っていたので、私はボーッとぼんやりしてなんだかドン臭いことを「シャヨウ」というんだろうと思い込んでいた。 このエッセイには母静子さんは常に「ボーッ」として夢見る夢子さんのようだったと何度も記されている。 そうか!本人も認める母子共に「ボーッ」だったのだと。 治子さんは、母静子さんがあの「斜陽」のモデルではなく、太宰の話題作(代表作ではないよな)の共同制作者なのだ・・とこのエッセイで位置づけたい様子。静子さんの存在や日記が、太宰のヒントにはなっただろうが、それは違うだろう。太宰と静子さんの文学的素養は格段に違う。無理だということが書き連なる思い出話から見えてくる。 静子さんは太宰にとって、ちょっと奇妙でしつこいファンのひとりであり「赤ちゃんが欲しい」などと自分の世界を押し付ける自己チュウの女であったろうと感じる。 太宰が、太田治子は私の子・・という「証」の紙をしたためた場にいた人が、そのとき太宰の顔は明るく微笑んでいた・・というエピソードが紹介されている。自分の父と母は共に「明るい方へ」向かっていたとする娘の心情は理解できる。 しかし太宰は自身のデカダンの結果を自嘲した苦笑いではなかったか。 「明るい方へ」というタイトルはいいな!でも無理があるよ。 太田母子は「斜陽のモデル」を矜持として生きてきた、それを越えることはない。

Posted byブクログ

2012/03/01

(2009.09.23読了)(2009.09.16借入) 1947年11月12日に太田治子さんは、生まれました。治子という名前は、父の津島修治が自分の名前から一字取って付けてくれたものです。津島修治のペンネームは、太宰治です。 1948年06月13日に太宰治は山崎富栄さんと玉川上...

(2009.09.23読了)(2009.09.16借入) 1947年11月12日に太田治子さんは、生まれました。治子という名前は、父の津島修治が自分の名前から一字取って付けてくれたものです。津島修治のペンネームは、太宰治です。 1948年06月13日に太宰治は山崎富栄さんと玉川上水に入水し死亡しました。梅雨時で、水量が多かったようです。(通常のときに玉川上水に行っても水量がそれほどないので、入水自殺などできそうもなさそうですが。) この本は、太宰治を父とし、太田静子を母として生まれた太田治子さんが、父と母の出会いから別れまでを残された母の日記や関係者からの取材、太宰治の作品、その他残された資料を駆使して再構成した作品です。太田静子さんは、太宰治に「斜陽」のもととなる日記を提供した人です。「斜陽」はベストセラーとなり、太宰治の代表作の一つともなっています。 太宰治の生誕100年でもあり、太田治子さんも60歳を超えて、物書きとして、父と母について書き遺しておきたかったのでしょう。太宰のためよりは、亡くなった母のため、娘の万里子さんのためだったのでしょう。 神奈川県足柄下郡下曽我が太田治子さんの生まれた土地であり、母の住んでいた土地でもあります。太宰治も、太田静子さんを尋ねて何度か訪れた土地です。 太田静子さんは、一度結婚したが、結婚二か月で別居し、その後女子を出産したが、赤ん坊は、生後間もなく肺炎で亡くなっています。 太田静子は、太宰治の「虚構の彷徨」を読み、太宰に手紙を出し、「遊びにいらっしゃいませんか」と返事が来たので、1941年秋に、友人二人を連れて、三鷹の太宰を訪ねた。これが最初の出会いということになります。 ☆太田治子さんの本(既読) 「青い絵葉書」太田治子著、新潮社、2001.11.20 「花の見た夢」太田治子文・五木玲子画、講談社、2002.11.07 「星空のおくりもの」太田治子著、新潮社、2003.09.05 「風の見た夢」太田治子文・五木玲子画、講談社、2004.10.22 「恋する手」太田治子著、講談社、2005.10.12 「明るい方へ」太田治子著、朝日新聞出版、2009.09.30 (2009年9月24日・記)

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