四十日と四十夜のメルヘン の商品レビュー
なんとなく再読したくなって再購入……。 表題作の方しか読んでいませんけれども(もう一つの短編はあまり面白く感じられなく中途挫折…)、こういったどこへたどり着くのか分からないような小説もイイと思います! ただ好みが分かれるかとは思いますけれどもね…斬新だけれども、従来の小説、のよ...
なんとなく再読したくなって再購入……。 表題作の方しか読んでいませんけれども(もう一つの短編はあまり面白く感じられなく中途挫折…)、こういったどこへたどり着くのか分からないような小説もイイと思います! ただ好みが分かれるかとは思いますけれどもね…斬新だけれども、従来の小説、のような小説が好きな方には受け入れられない作品なんじゃないかと思います…。 ヽ(・ω・)/ズコー えーと、物語のあらすじは…まあ…amazonとかで確認してください! ともかく僕はこういった日記形式とでも言うのかな、自分の行動を記録するみたいな小説が割と好きなんですなぁ…。それは自分もまた、ノートに手書きで日記をつけているからかもしれません…何となくシンパシーを覚える、みたいな…。 さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
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数々の賞を受賞しているようだが、一読した印象だとアプローチのポストモダン性が評価されたものなのかな、と感じた。若い著者のデビュー作なのでまだ巧さは感じられないが、評価の妥当性についてはその後の作品を読めば明らかになっていくのだろう。
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チラシに埋もれた生活。チラシが配りきれず古ぼけた部屋に押し込めた色彩と商業宣伝の氾濫、スーパーの5円10円を見比べる一人暮らしの寂しさ、現実逃避のフランス語会話学校、現実的だけれども文脈が読み取れず、切り取られた写真の数片を見るようだった。 教授の翻訳していた散逸した修道院の記録...
チラシに埋もれた生活。チラシが配りきれず古ぼけた部屋に押し込めた色彩と商業宣伝の氾濫、スーパーの5円10円を見比べる一人暮らしの寂しさ、現実逃避のフランス語会話学校、現実的だけれども文脈が読み取れず、切り取られた写真の数片を見るようだった。 教授の翻訳していた散逸した修道院の記録では、7年間の記録が曜日によってしか識別できず七日に集約されてしまったように、主人公の7月4日は、現実の7月4日でもあるし虚構世界であった7月4日かもしれないし空想の中の7月4日なのかもしれないが、そんなものを区別するのも無意味なのかもしれない。 あとがきによると、書き直された文庫版と受賞作品はだいぶ違うらしく、原文()の方も読んでみたいものです。 こんな感じの「分からない」本なんて、いくらでもあると思うんだけど、この本だけ取り立てて「難解」「意味不明」のレビューが並ぶのは、最初の方が楽しくてわかりやすい顔のくせに急変して、って事なんでしょうか。 2つ目は、空想の湖のほとりにおける、伝説創世記と、架空の現代史。地図と領土のような現実離れしたリアリティ。でも意味はよくわからんかった。
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【本の内容】 配りきれないチラシが層をなす部屋で、自分だけのメルヘンを完成させようとする「わたし」。 つけ始めた日記にわずか四日間の現実さえ充分に再現できていないと気付いたので…。 新潮新人賞選考委員に「ピンチョンが現れた!」と言わしめた若き異才による、読むほどに豊穣な意味を...
【本の内容】 配りきれないチラシが層をなす部屋で、自分だけのメルヘンを完成させようとする「わたし」。 つけ始めた日記にわずか四日間の現実さえ充分に再現できていないと気付いたので…。 新潮新人賞選考委員に「ピンチョンが現れた!」と言わしめた若き異才による、読むほどに豊穣な意味を産みだす驚きの物語。 綿密な考証と上質なユーモアで描く人類創世譚「クレーターのほとりで」併録。 [ 目次 ] [ POP ] 面白い。 “ああ、やってる”という感じで。現代文学では、分かりやすいプロットは忌避される。 表題作は4日間の「わたし」の日記(日常)を解体、時系列をバラしてコラージュする。 連結イメージは“紙片”。 チラシ配りのバイト、自宅アパートに投げ込まれるチラシ、チラシの裏に創作する「メルヘン」。 その小説内小説でも大量のチラシが舞う。 本書は解説(保坂和志氏)が前代未聞。 氏は新潮新人賞選考時、これは米国の作家、ピンチョンだと大興奮。 4人の反対を1人で押し切った。 この解説を書くにあたってゲラは嫌いだとし、受賞作を改変した単行本の内容に沿って書き進める。 が、なんと文庫版にも改変が。結果意味不明の箇所が残る解説に。 しかし、これはこれ。 本の形が変わった時、そこでも処女作いじりを続ける著者と保坂氏がイタチごっこを繰り広げているんじゃないかと想像するのも、また愉し。 “才気”の表題作、先史と未来が一気通貫になる“才能”のもう1編。 今年の新作といい、大器、順調に育ってます。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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又吉直樹さんの本で紹介されていたような…。配りきれないチラシが地層をなす部屋で、裏が白いチラシを発掘し、原稿用紙代わりにメルヘンを書きつける「わたし」。グーテンベルクとニコライ先生、フランス語教室、高級スーパー メイキュー(メルキュール)と庶民派のOK、クロエとクロード、フィガロ...
又吉直樹さんの本で紹介されていたような…。配りきれないチラシが地層をなす部屋で、裏が白いチラシを発掘し、原稿用紙代わりにメルヘンを書きつける「わたし」。グーテンベルクとニコライ先生、フランス語教室、高級スーパー メイキュー(メルキュール)と庶民派のOK、クロエとクロード、フィガロの結婚。何篇かの物語のプロットをシャッフルし繋ぎ合わせたような、規則性の見出せない羅列に混乱するばかり。 それでいて妙に哲学的な部分を突いている気もする。
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巻末の保坂和志さんの解説を大変ありがたく思った。 2003 年 第 35 回新潮新人賞受賞作品(「四十日と四十夜のメルヘン」)。 2005 年 第 27 回野間文芸新人賞受賞作品。
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小説超上級者向けの難解な作品。まずあらすじが僕には書けない。 とある青年の7月4日から7日の日記を繰り返しているのかと思うと、いきなり主人公が希薄になって物語は不思議な結末を迎える。頑張って要約するとこうなる。 作者の伝えたいこと云々の前に、一読した限りでは物語で何が起きているの...
小説超上級者向けの難解な作品。まずあらすじが僕には書けない。 とある青年の7月4日から7日の日記を繰り返しているのかと思うと、いきなり主人公が希薄になって物語は不思議な結末を迎える。頑張って要約するとこうなる。 作者の伝えたいこと云々の前に、一読した限りでは物語で何が起きているのか本当にわからないのだ。文章は小気味良く、一文一文の意味は分かる。それが繋がっていくとあら不思議。「なぜこんなことに?」と首を傾げてしまう。時系列もぐちゃぐちゃであるから、日記部分(どこまでが日記なのかは不明だが)ですら読解に労力を要する。 しかし駄作ではない。直感的にそう感じる。これほどまでに意味不明な作品なのになぜか惹かれるものがある。これは凄いことだ。心のどこかに、繰り返し読めば理解可能なはずという予感もある。そして、理解した時には、壮大な芸術を鑑賞したときの陶酔が現れるだろうことも。 だから駄作と断ずることは出来ない。だが今の僕には面白いとはどうしても言えない。 困った作品だ。 時間を置いてまた読みたい。
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最寄りのスーパーで一年以上働いている、若いアルバイトのお兄さんは袋詰めがとても苦手です。 私は大体、夜の10時過ぎにそのスーパーに寄って豆腐を二丁買うのですが、ついでに麦酒や安いワイン、冷蔵庫のなかみがさびしくなってきたら卵や納豆をそのカゴに加えます。 麦酒や納豆はよいのです...
最寄りのスーパーで一年以上働いている、若いアルバイトのお兄さんは袋詰めがとても苦手です。 私は大体、夜の10時過ぎにそのスーパーに寄って豆腐を二丁買うのですが、ついでに麦酒や安いワイン、冷蔵庫のなかみがさびしくなってきたら卵や納豆をそのカゴに加えます。 麦酒や納豆はよいのです。卵が加わったときが致命的にへたくそ、いや、上手にできないのです。 これを訝しがりながら読んでいる皆様、いま、豆腐二丁と卵1パックを白いレジ袋に入れる手順をあたまのなかで思い浮かべてみてください。 きっと、ほとんどの人がわたしと同じ手順を踏んだものと思います。 それではもう一度想像してみてください。 まず、二丁の豆腐をたてに重ねて袋の、真ん中よりの右側に入れてください。そして、卵を、袋のマチ(のようなもの)が許すかぎり、その豆腐がたまごの横にながい側面と合わさるように入れてください。 それが、彼の芸術です。 みたいな、どうでもいいことを(私の駄文では伝わらないかと思いますが)一生懸命に書くことができる作家だから、好きなのです。
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伝えたいことがあるというより、とにかく書きたくて書き切ったという印象を受ける小説。思いつくままに場面が切り替わり話が展開し話題が脱線していく。 ぼくも小説を書いたことがあるからわかるのだけれども、プロットを詳細に作らずに自分にある知識の枠内で紙面に吐き出して行く行為は、作者の中で...
伝えたいことがあるというより、とにかく書きたくて書き切ったという印象を受ける小説。思いつくままに場面が切り替わり話が展開し話題が脱線していく。 ぼくも小説を書いたことがあるからわかるのだけれども、プロットを詳細に作らずに自分にある知識の枠内で紙面に吐き出して行く行為は、作者の中では不思議な調和と整合性が取れていながら他者には理解困難な作品を生み出すことがある。それは同時に快感を伴い清々しい満足感を与えるため、いくら修正してもプロットは元のままで読者には理解不能なままなのだ。でもそれは難しいのとは違って、作者の頭にある補填情報がないから(しかもそれは時と共に変化してしまう)、いろいろ考えられて混乱してしまうだけなのだけれど。 文章は淡々としていてしつこくなく、それでいて事務的にすぎないとても好きな感じ。きちんとしたプロットを作って、伝えたいことをはっきりさせて、他者の眼差しの元で創作すれば誹謗中傷はやむと思うし、娯楽性を意識すれば人気も出ると思う。後者に関してはしない方がいいと思うけど。
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解説を読んで、矛盾しているのが正解だったと知る。頭がごちゃごちゃして今どんな状況なの?とハテナマークを常に浮かべていたよ。
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