ローマ人の物語(35) の商品レビュー
ディオクレティアヌス帝の四頭政治形成の過程と安全保障の確立。混乱の3世紀を立て直し、ローマの勢力を盛り返した。その代わりに支払った代償は軍備拡大による財政圧迫。最盛期のローマ軍は約30万人の軍団を保持していたが、四頭政治により約倍増する軍団兵を保持するため、アウグスティヌス以来2...
ディオクレティアヌス帝の四頭政治形成の過程と安全保障の確立。混乱の3世紀を立て直し、ローマの勢力を盛り返した。その代わりに支払った代償は軍備拡大による財政圧迫。最盛期のローマ軍は約30万人の軍団を保持していたが、四頭政治により約倍増する軍団兵を保持するため、アウグスティヌス以来200年続いた税制改革を断行したのであった。
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どんな制度でも、改悪だと思って始める人はいない。でもそれが悪い結果を生んだことは歴史になってからでないとわからない。歴史から学ぶ事はたくさんある。
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★2010年63冊目読了『ローマ人の物語35 最後の努力(上)』塩野七生著 評価B+ 紀元284年から305年までのディオクレティアヌス帝の時代を描く。 解放奴隷の息子という噂のあるたたき上げの軍人皇帝であったディオクレティアヌス帝は、北、南、東からの蛮族の侵入に対応することが...
★2010年63冊目読了『ローマ人の物語35 最後の努力(上)』塩野七生著 評価B+ 紀元284年から305年までのディオクレティアヌス帝の時代を描く。 解放奴隷の息子という噂のあるたたき上げの軍人皇帝であったディオクレティアヌス帝は、北、南、東からの蛮族の侵入に対応することが、最優先の課題であった。 その為に二頭政、四頭政を取り入れて、大きく広がった帝国の防衛線の維持に努力し、成功した。 しかし同時に、それが軍人と文官の分離に繋がり、結果的に大きな税負担となって帝国民に跳ね返り、特に農民の離村、ひいては農業生産力の減退に拍車を掛けることになったとは、皮肉な歴史の事実である。 過去から現代にいたるまで、税政策はその国の根幹をなす非常に重要な部分であることをこのローマの歴史はしっかりと示してくれているのである。そして、その政策の誤りは結局、国力の衰退を招くことになる。
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スピード違反なしの遅読だが、一冊ずつ読み進んでいる。 あちこちと皇帝が変るので名前を覚えきらないが、ローマの歴史は進んでいく。 青森県では昨日から県美術館「古代ローマ帝国の遺産」展が開かれている。この物語を読み終えてから、美術館へ・・・が最良だが、我慢できない!!
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長かったローマ人の物語もいよいよ最後の3冊に突入である。 800年以上、連綿と続いてきたローマ帝国の「最後の努力」となると感慨深いものがある。…ある……あるがあまり面白くなかった(笑) ディオクレティアヌスの治世。 本書では彼の行った大改革が描かれていたため、大半を制度解説に費...
長かったローマ人の物語もいよいよ最後の3冊に突入である。 800年以上、連綿と続いてきたローマ帝国の「最後の努力」となると感慨深いものがある。…ある……あるがあまり面白くなかった(笑) ディオクレティアヌスの治世。 本書では彼の行った大改革が描かれていたため、大半を制度解説に費やされていた。それで少し読みづらさがあったのだと思う。 しかし、約1000年ものローマ史に付き合うと決めたからには(37巻にも及ぶこのシリーズを読むと決めたからには。笑)、滅亡に向けて進みつつあるローマ帝国に大改革を敢行したことは、非常に重要な事実と受け止めねばなるまい。 キリスト教徒を弾圧した悪帝としてしか知らなかったディオクレティアヌスがローマのためにこれほど尽力したというのは目から鱗。
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ディオクレティアヌスの登場によって3世紀の危機とも言われた蛮族の脅威は脱するものの、その代償はローマがローマらしさを失うことだった。 単行本を文庫化に際して3冊に分けた1冊目。 ディオクレティアヌスによる第一次四頭政の始まりから終わりまで書いてあります。 たいへん気になるところで...
ディオクレティアヌスの登場によって3世紀の危機とも言われた蛮族の脅威は脱するものの、その代償はローマがローマらしさを失うことだった。 単行本を文庫化に際して3冊に分けた1冊目。 ディオクレティアヌスによる第一次四頭政の始まりから終わりまで書いてあります。 たいへん気になるところで中巻になるので、分割の仕方が巧いと思います。
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ローマが真に帝政に移る、ディオクレティアヌス帝以降の内容。 ローマがローマたる強さ、「ローマらしさ」が崩壊していく過程を通して、いかにその「ローマらしさ」が地中海の覇権を打ち立てる上で重要だったかが浮き彫りになる内容。 あれほどの大きな国家ともなってしまえば、単一の統治システムで...
ローマが真に帝政に移る、ディオクレティアヌス帝以降の内容。 ローマがローマたる強さ、「ローマらしさ」が崩壊していく過程を通して、いかにその「ローマらしさ」が地中海の覇権を打ち立てる上で重要だったかが浮き彫りになる内容。 あれほどの大きな国家ともなってしまえば、単一の統治システムでは限界があるのか、考えさせられる内容。
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ついにディオクレティアヌス帝の時代にまで至った。この後100年もすれば、ローマ帝国は東西に分裂し、更に100年後には西ローマ帝国は滅亡する。本巻では、ローマ帝国が蛮族の危機を脱し国内秩序を回復するまでの過程が描かれる。しかし、この帝国の逆襲は、後代のローマ帝国に崩壊をもたらす制度...
ついにディオクレティアヌス帝の時代にまで至った。この後100年もすれば、ローマ帝国は東西に分裂し、更に100年後には西ローマ帝国は滅亡する。本巻では、ローマ帝国が蛮族の危機を脱し国内秩序を回復するまでの過程が描かれる。しかし、この帝国の逆襲は、後代のローマ帝国に崩壊をもたらす制度変更を含むものであった。蛮族に対抗するための苦肉の策といえど、後代に負債を残す形でしか新しい制度を設計できなかったあたり、さしものディオクレティアヌスも、アウグストゥスほどの資質は持ち合わせていなかったのかなぁと思ったり思わなかったり。
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ディオクリティアヌスの治世。 四頭政治を始めるなど、ローマの新しい統治方式を模索する。結果として、良い方向にはいかなかったけど・・・ しかし、この時代も権力紛争の時代だな。
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久々に聞き覚えのある名前の皇帝が出てきた。 コンスタンティヌスといえば名君って言うイメージだったけど、読んでみたらそうでもなかったなー。 作中で著者の言ってる通り、キリスト教的立場から見てたんだな今までは。
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