司法官僚 の商品レビュー
深いベールに包まれた司法行政機構とりわけ司法官僚の実態や機能について切り込んだ意欲作品である。 裁判員制度の導入にいたった司法制度改革審議会の設置は、たしかに人びとの司法への関心を高めた。 社会にむけて「ものいわぬ人」とみられてきた現職裁判官のなかにも、司法の現実について積極...
深いベールに包まれた司法行政機構とりわけ司法官僚の実態や機能について切り込んだ意欲作品である。 裁判員制度の導入にいたった司法制度改革審議会の設置は、たしかに人びとの司法への関心を高めた。 社会にむけて「ものいわぬ人」とみられてきた現職裁判官のなかにも、司法の現実について積極的に発言をかさねるグループがつくられたが、最高裁事務総局を頂点とする司法官僚の支配は強固であり、突き崩していくのは相当な困難を伴うと著者は分析する。 終章で、司法改革の責任は市民にあるとし、国権の最高機関である国会の役割が重要であると締めくくっている。 まずは裁判所情報公開法の制定に取り組むべきであるとするなどなかなか読み応えがある作品であった。
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