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日本政治の正体 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2019/09/01

田原総一朗が語る、戦後日本の政治史。 田中角栄のすごさは、以前別の本を読んだときにも思って、人たらしの部分は学ばねばと思った記憶があるが、特に何も変わっておらず(と自分では思っており)今回また同じようなことを思った。 「利益を配分する政治」から「負担を配分する政治」に移行しなけれ...

田原総一朗が語る、戦後日本の政治史。 田中角栄のすごさは、以前別の本を読んだときにも思って、人たらしの部分は学ばねばと思った記憶があるが、特に何も変わっておらず(と自分では思っており)今回また同じようなことを思った。 「利益を配分する政治」から「負担を配分する政治」に移行しなければならないのに、なかなかそれができていない。という分析はそのとおりだと思う。ただ、そこに明確な解があるわけでもないので難しいところ。自由民主党の理念が「面倒をみること」というのも面白い。 客観的というか、内部事情の分析というのは、定期的に出してほしいところ。

Posted byブクログ

2019/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

さすがは(近ごろ批判もずいぶんあるようだが)当代を代表するジャーナリスト、滅法面白い。 戦後の混乱期に敗戦を糧としてアメリカ偏重の国家像を作った吉田茂を始めとして、続く一党独裁の55年体制、列島改造と金権政治、バブル、失われた10年、郵政改革是か非か、そして政権交代へと続く流れと、その時々に力をふるった総理たち…鳩山一郎、岸信介、佐藤栄作、田中角栄、中曽根康弘、竹下登、宮澤喜一、小泉純一郎といったジミン党の巨魁がどんな「仕事」をして来たかが簡潔明瞭かつテンポよく描かれる。 そして、これからの日本の課題…対アメリカ関係、逼迫する財政、官僚支配にいかに対応し、今後いかなる日本を作っていくべきかを示唆する。 戦後政治を手っ取り早く知りたい素人にとっては格好の教科書なのではないだろうか。 と言いつつ、その筆致にはひとつの特徴があって、時に賛否相半ばする上記の巨魁たちを必ずしも悪くいうのではなく、その理念や業績をなかなかポジティブに語っている点である。 たとえば田中角栄は民主主義や地方行政にしっかり目を向けた政治家として、あるいは小泉純一郎は本気で行政改革を実行しようとした政治家としての姿が強調されている。 これを著者一流の主観的な描写と見るかむしろ客観的な評価と見るかは意見の分かれるところな気はするが、大物は単に腹黒いだけで大物なのではないというのもまた真だろう。 政治のフトコロの深さ、面白さをよく伝えてくれる本であった。

Posted byブクログ

2011/01/30

その渦中の時には「面白おかしく」書くマスコミのフィルターに隠されていて、後から全体を俯瞰してみると見えてくるもの、それが政治…。

Posted byブクログ

2009/11/05

「政治の裏側」らしきものがドラマ仕立てになっている。 フィクションが多分に含まれているだろうが、 なんとなく実在の人物が描かれているから面白い。

Posted byブクログ

2009/10/07

政治学の世界には研究書とカウンターパートとなるようなジャーナリズムによる物語が存在する、北岡伸一『自民党』には戸川猪佐武の『小説吉田学校』と田原総一郎『頭の無い鯨』がそれにあたろうか。 これに加えるとしたら、一連のオーラル・ヒストリーとしての御厨貴先生の著作か。竹下・宮沢両氏への...

政治学の世界には研究書とカウンターパートとなるようなジャーナリズムによる物語が存在する、北岡伸一『自民党』には戸川猪佐武の『小説吉田学校』と田原総一郎『頭の無い鯨』がそれにあたろうか。 これに加えるとしたら、一連のオーラル・ヒストリーとしての御厨貴先生の著作か。竹下・宮沢両氏へのインタビューは、日本の歴史に残る偉業であろう。 日本政治史は渡辺恒雄氏の言うように「臨床医としてのジャーナリスト」と「象牙の塔の医者」によって並行的に語られてきたのが現実ではないだろうか。 そう考えるとき、小泉時代の9年間をどう振り返るか、という問題にも、この二つの切り口から文献を探る必要があるように思う。前者は、言うまでもなく竹中『首相支配』であろう。民主党の作ろうとしている国家戦略局が、もしかしたらこの本で書かれている政治体制の変更による意思決定過程の変革の最終章かもしれない。その意味ではこの本は未だに途中経過かもしれないのだけれど。そして、ジャーナリズムの側で「途中経過かもしれないけれど」とりあえず出たのがこの本だ、と言えるだろう。田原氏自身の占める位置が93年のころ以上に大きくなっているためか、体験談の凄味が増している。まさか書き手がべ(自主規制)、とにかく、自民党政治、特にこの9年間の物語として読むに値する。 昨日(2009年8月28日)毎日新聞夕刊のコラムに「今までは前九年の役、これからは後三年の役」という論考が出ていた。民主党大勝となれば、政界再編が無い限り、解散は遠い。後三年を経た後、もう一度『奥州夜話』が語られる日が来るのだろうか。

Posted byブクログ