藪の中 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今日から4人で感想会♪藪の中から男の死体が発見。関係者に聞き取るが、証言が食い違う。①容疑者の多襄丸:男を竹藪へと呼び出し、縄で縛る。男の前で女を強姦する。女の望み通りに男と堂々と戦って男を刺し殺す。②殺された男の妻:多襄丸に強姦され、男に共に死ぬことを提案、しかし男は既に死んでいた。③死んだ男の霊を憑依させた巫女の証言:多襄丸は女を誘惑し、女は多襄丸に男を殺すよう懇願する。男は情けなさから自害する。 男の意識が朦朧として死ぬ間際に何者かが男の胸から小刀を抜き絶命する。誰が男を殺害したのか?仮説は3つ。⑤ ★仮説1)男(武弘)の自殺;最後に小刀を抜き取ったのは本人。理由は女(真砂)の裏切りに絶望したため。★★仮説2)女(真砂)が男(武弘)を殺害;この女は多分サイコパス!話しが全て収まるような気がする。★★★仮説3)芥川龍之介がこの作品を書き終えた時に「ニヤッ」と、ニヒルな笑顔が浮かべたのではないか?この殺人は現在の状況証拠では絶対解けない方程式であり、登場人物もそれらしく作り上げた張りぼて。犯人が判らないまま物語が幕を閉じるという作者の腹の内。【自分が推す仮説は3。皆さんはどう?の感想が気になる(^^♪】
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現代小説を読み慣れてしまって、古典小説の読むマインドセットを忘れてしもうた。 人は自分の観たいように物事を見るってことですかな。 捉え方次第で悲劇にも喜劇にもなる。 映画「チャンス」でもそんなような考えが披露されてたなと思い出す。 開高健氏からのdiggでした。
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真相はまさに闇の中…藪の中。色んな考察があって実に面白い。3人ともが自分が殺したと。普通であれば殺害したのは自分ではなく、相手になすり付ける筈だが。多襄丸はなぜ。死にたかったのか。 3人とも利己的な考えだとも捉えることが出来る。 真砂は魔性だなと。芥川は女性の理解のしづらさを小説...
真相はまさに闇の中…藪の中。色んな考察があって実に面白い。3人ともが自分が殺したと。普通であれば殺害したのは自分ではなく、相手になすり付ける筈だが。多襄丸はなぜ。死にたかったのか。 3人とも利己的な考えだとも捉えることが出来る。 真砂は魔性だなと。芥川は女性の理解のしづらさを小説の中で真砂と言う不思議な女性に見立てて投影しているのではとも思った。
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藪の中 (講談社文庫 あ 1-3) (和書)2010年05月11日 14:59 芥川 龍之介 講談社 2009年8月12日 何回読んでも面白い。 読み易いし、名作揃いなので再読するには良いと思いました。
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一人の殺された男と、その妻と、その妻を手ごめにした盗人。誰が男を殺したのか、なぜ殺したのか?それぞれが語る真相は食い違っている。 真相は藪の中。 違う視点から見ると物事はまるで異なる側面を見せる。という意味もあるし、一人の人間の中でも状況などにより正反対の顔を見せる。本心は、...
一人の殺された男と、その妻と、その妻を手ごめにした盗人。誰が男を殺したのか、なぜ殺したのか?それぞれが語る真相は食い違っている。 真相は藪の中。 違う視点から見ると物事はまるで異なる側面を見せる。という意味もあるし、一人の人間の中でも状況などにより正反対の顔を見せる。本心は、当の本人にもわからない。 とくに男女間においては。というメッセージにも読める。 空のようにころりと変わる女の心、その態度に燃えたり冷めたりする男心。おもしろく読みました。
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「藪の中」「羅生門」「地獄変」「蜘蛛の糸」「杜子春」「鼻」の6篇。芥川龍之介は初めてまともに読んだけど、意外と読みやすい。人間の心理を上手く描いている印象。どれも有名な話なので、最初に読む本としては良かった。 「藪の中」は最初、「え?これで終わり?」と拍子抜けしたけど、後からジワ...
「藪の中」「羅生門」「地獄変」「蜘蛛の糸」「杜子春」「鼻」の6篇。芥川龍之介は初めてまともに読んだけど、意外と読みやすい。人間の心理を上手く描いている印象。どれも有名な話なので、最初に読む本としては良かった。 「藪の中」は最初、「え?これで終わり?」と拍子抜けしたけど、後からジワジワきた。真相は色々な説があるようだけど、真相云々より読み手がどういうふうに解釈するかがテーマなのかな。「地獄変」は絵師の話だと思っていたんだけど、大殿様が裏の主役な気がする。この中では「杜子春」が一番ほっこりする話。他の作品も読んでみたくなった。
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30年ぶり位に「藪の中」を再読。 3人の当事者証言のうち最も信憑性が高いのは、精神錯乱になる必然性が最も低い多襄丸だろうと思うが、主題はそういうことではないのだろうから気にしないでおこう。
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告白は藪の中形式で語られている、というのを読んで、こちらを読んでみたくなった。 短いし、形式は面白い。 そして気になるのは「真相は藪の中」という言葉はこの作品の前にあった言葉なのか、芥川が言葉から作品を紡いだのかということ。 はたまたその逆なのか、ということ。 やはりこの形式...
告白は藪の中形式で語られている、というのを読んで、こちらを読んでみたくなった。 短いし、形式は面白い。 そして気になるのは「真相は藪の中」という言葉はこの作品の前にあった言葉なのか、芥川が言葉から作品を紡いだのかということ。 はたまたその逆なのか、ということ。 やはりこの形式の小説は引き込まされます。 (※大変遺憾ながら青空文庫で読みました。)
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含蓄ある短い物語の集まり。 特に、最初の藪の中は、認知や解釈の限界を感じさせられる。 人間の虚栄心について、鮮やかに写しだしている。
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英語で「藪の中」というのは、「He said, she said」というのだと最近知った。 それと「Rashomon effect」というのはそのまま英語で使われるらしい。 そもそも黒澤の「羅生門」は短編「羅生門」と「藪の中」の両方を原作としているためである。 今回、乃木坂48...
英語で「藪の中」というのは、「He said, she said」というのだと最近知った。 それと「Rashomon effect」というのはそのまま英語で使われるらしい。 そもそも黒澤の「羅生門」は短編「羅生門」と「藪の中」の両方を原作としているためである。 今回、乃木坂48の文庫の表紙に釣られて買ったのだが、「地獄変」を初めて読んで、こんなすさまじい話があるのかと驚嘆。 生駒里奈に御礼を言いたい。
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