私はなぜ「中国」を捨てたのか の商品レビュー
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石平さんに関してはメディアで見聞きしているものの、初めてしっかりと生い立ち等を含めて知るところとなった。中国大陸で60年代生まれという激動の時代の中でどんなことが起きていたか、心の変遷がどういったものだったかがよくわかる。また80年代以降の日中蜜月と呼ばれた時代から、ほんの少し経っただけで反日感情がもりあがってしまっていたり、反日現象と愛国現象という二つの異なるが時に重なる人々の反応についても描かれており、自身の中国体験と重なる疑問について書かれている。もしかして中国人というのは意外と忘れやすく、流されやすい人々なのだろうか(日本人もあんまり変わらんかもしれないが)。
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2007年に日本国籍を取得した石平さんの自叙伝とも言える本。 偶然にも日本に産まれ、当然のように日々を暮らしているそれだけでも、なんとも僥倖なことであると改めて考えさせられた。 そもそも自身の国を「捨てる」ことは、単に他国が過ごしやすいから移動移住するというものでなく、自身...
2007年に日本国籍を取得した石平さんの自叙伝とも言える本。 偶然にも日本に産まれ、当然のように日々を暮らしているそれだけでも、なんとも僥倖なことであると改めて考えさせられた。 そもそも自身の国を「捨てる」ことは、単に他国が過ごしやすいから移動移住するというものでなく、自身が立脚するアイデンティティすらも破却し、精神的に異常をきたす虞れすらある、並々ならぬものがなければ出来ないことであろう。 それにしてもいかに政治が人々に影響を与え、教育が人々の考えを狭め、一色に染めてしまうこともあり、それが一気に広まり、果ては世代をも超えてしまうこともあることを知らされた。 それは単に共産党の話しだけでなく、日本においてもあることを常日頃意識しなければならない。 また本書では石平さんが、日本文化にも造詣があることが分かり、逆に教えてもらうこともある。 共産党の恐怖は今もなお日本だけでなく、世界を震撼させている今日において、是非中国人こそ、この本を読んで欲しいものである。
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中華人民共和国との対比で仕方ないのかもしれないが、日本を礼賛し過ぎていて気恥しくなった。多少誤解や曲解もあると感じたが、著者が日本に帰化するまでに至った経緯と心境は理解できる。
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よく名前を見かけるし、たまたま同じ本棚から借りる本があったので、手に取った。 共産党主義ほどこかに敵を作らなければ運営が難しいことを丁寧に述べている部分は、教科書に載っていても良いと思うくらいだ。(もちろん載せたら大変なことになると思うが) 某巨大掲示板に、著者は二重スパイだとか...
よく名前を見かけるし、たまたま同じ本棚から借りる本があったので、手に取った。 共産党主義ほどこかに敵を作らなければ運営が難しいことを丁寧に述べている部分は、教科書に載っていても良いと思うくらいだ。(もちろん載せたら大変なことになると思うが) 某巨大掲示板に、著者は二重スパイだとか云々書かれていた。なぜここまでしておきながら、中国に入国できるのかというのがポイントらしい。 たしかに…。日本人になったから入国できるのだろうか?わからない。 濡れ衣であれば、こんなに日本を愛している作者が不憫である。
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共産党による思想教育、文化大革命、天安門事件を経て祖国に幻滅し、日本に帰化した著者の“魂の変遷の記録”。 https://youtu.be/RDTp6elGRpc
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98/10000 『私はなぜ「中国」を捨てたのか』石平 あけましておめでとうございます。息子長期帰省で読めるかなと思ってたけど、すごく読みやすかったので、家事育児遊び(笑)の合間にちょこちょこ読めました。 この方、テレビに出たことあるんですね。日本に帰化した中国人エッセイで...
98/10000 『私はなぜ「中国」を捨てたのか』石平 あけましておめでとうございます。息子長期帰省で読めるかなと思ってたけど、すごく読みやすかったので、家事育児遊び(笑)の合間にちょこちょこ読めました。 この方、テレビに出たことあるんですね。日本に帰化した中国人エッセイです。生い立ちみたいなのを書きながら、中国の歴史を分かりやすく書いてくれてます。古代中国は、やはり惹かれますね。中国文学は読める気しなかったけど、このエッセイのおかげで、読みたくなりました。有名どころの三國志や水滸伝とか読めたらかっこいいなーと数年前から思ってたのが、いよいよ読める気がしてきました!ついていけそうな気がしてきました。 年末から読み始めましたので、一応、初読みになるんですかね。 今年は忙しくなりそうな予感で、スローペースになりそうですが、完読したらぜひ投稿します。今年もよろしくお願いいたします。
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色々な話がネット上でも飛び交っている大国、「中国」。 生まれ故郷の中国の国籍を捨て、日本国籍を取得するにいたるまでの著者の体験や心情がうかがえる。 アメリカなど英語圏に脱出(?)する中国人が多い中、なぜ、日本だったのか。 留学先が日本で、自分にそれまで植つけられていたイメージとずいぶん違う事に気がついたのがきっかけだと云うが、それ以前に中国国内での問題や民族性にも理由があるのだろうと感じた。 国籍を捨てるという事が、日本人として生まれてきた自分には到底想像がつかない。
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テレビで時々お見かけする石平さん。中国を語られる時の諦観に満ちた言葉と表情が気になっておりましたが、この本を読んで理由が分かりました。石さんが会われた日本人のように、もしも私が石さんにお会いして感銘を与えることができるかどうか・・・いまの私には難しいようです。中国もみると同時に自...
テレビで時々お見かけする石平さん。中国を語られる時の諦観に満ちた言葉と表情が気になっておりましたが、この本を読んで理由が分かりました。石さんが会われた日本人のように、もしも私が石さんにお会いして感銘を与えることができるかどうか・・・いまの私には難しいようです。中国もみると同時に自分の襟を正す必要を感じさせてくれる一冊です。
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WEDGE Infinityでの著者の論談が興味深かったので読みました。 WEDGE Infinityの論旨から冷静沈着な方と思ってましたが、この本を読んで、実はとても感受性が豊かで情熱的な方との印象を受けました。 私にとって、中国とは古の論語、儒教の世界、という意識があったのですが、 文化大革命によりそれが徹底的に破壊されたことを初めて認識しました。 そのただ中に生きた著者の言葉は重いです。 また、昨今の激しい反日は、天安門以降突然出てきたとのこと。 20数年前とはいえ衝撃的だった記憶の天安門事件。そのキーワードと1党独裁のプロパガンダ。 このからくりとここ十数年の激しい対日変化を適切に把握しておかなければならないことに警鐘を与えてくれます。 最後に、日本は天皇制があったからこそ、古の伝統や文化が政変や動乱の中でも受け継がれてきた、との見解ははっとさせられました。 日本人として当たり前にとらえてきたことだけど、実は日本独自の大事にすべきことである、と思います。
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祖国を捨てる経過の描写が痛ましく、胸を打ちますが、それ以上に、日本の心といいますか、「やさしさ」に触れていく過程に心が打たれます。勉強になりました。
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