密室殺人ゲーム2.0 の商品レビュー
頭狂人たち、このチャットのメンバーは、常日頃こうして集まって推理ゲームを行なっている。推理ゲームといっても、おのおのが創作した推理小説を披露し、犯人を当てっこするわけではない。おのおのが創作したトリックを駆使して実際に人を殺し、それを肴に、ああでもないこうでもないと推理合戦をす...
頭狂人たち、このチャットのメンバーは、常日頃こうして集まって推理ゲームを行なっている。推理ゲームといっても、おのおのが創作した推理小説を披露し、犯人を当てっこするわけではない。おのおのが創作したトリックを駆使して実際に人を殺し、それを肴に、ああでもないこうでもないと推理合戦をする。 恨みでも憎しみでも口封じでも金のためでも劣情からでも嫌がらせでもなく、思いついたトリックを実際に使ってみたい、ただそれだけのために人を殺す。そして、和気藹々、酒を飲みながら推理に花を咲かせる。人を殺すことはべつに快感ではないが、自分の考えたトリックを披露するのは楽しい。 彼らにとって他人の命は遊び道具、テニスボールやプラモデルのパーツと同等の価値しか持たない。彼らには倫理も情けもない。 (本文p.18-19)
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“「ちーす。今日は冷えるな」 「ほかに何か言うことは?」 早速aXeがつっかかった。 「缶コーヒー買ってくるんだった」 「四十分も遅れてそれですか」 「わりぃ、遅れた」 「次からは来なくていいですよ」 「粘着」 「ワタクシは常識を説いているだけですが」 「人殺しがお説教しますかそ...
“「ちーす。今日は冷えるな」 「ほかに何か言うことは?」 早速aXeがつっかかった。 「缶コーヒー買ってくるんだった」 「四十分も遅れてそれですか」 「わりぃ、遅れた」 「次からは来なくていいですよ」 「粘着」 「ワタクシは常識を説いているだけですが」 「人殺しがお説教しますかそうですか」 「ズバリ、次の問題の仕込をしていたんだね?」 頭狂人が割って入る。 「正解」 「どういう仕込み?」 「それを言っちゃあネタバレだろ――て、ジブン、ツッコまれるのを見越して言ってるだろう。いやらしいやっちゃ」 「仕込での遅刻なら、まあ許してもよかろう。しかしそうそう遅刻されては、早晩我輩のストックも底をつくぞ」 教授が言う。 「ストック?」 「場つなぎに、軽めの問題を出しておったのだよ」 「ああ、いつもの脱力系」 「癒し系」 「どんな問題よ?」 「聞かなくていいと思う」 頭狂人は笑った。 「じゃあ聞かない」” 頭狂人に044APD、aXeにザンギャ君に伴道全教授。 再び彼らが繰り広げる密室殺人ゲーム。 出題者=殺人犯という狂ったような内容。 前の巻の終わり方があれだったので、さては生きていたのかと少しは思ったが、まさか彼らを騙る奴らの話だったとは。 最後のトリックは結構初めにわかったけど、あれは読者にわざとわからせてそれでもわからない物語の中の彼らを見てスリルを味わうっていうやつ?それとも普通はわからないものなの? ……とにもかくにも、それでも狂ったゲームは終わらない。 “Q? そして扉が開かれた 五月五日 密室殺人LOVEな十八歳♀です。自分でもやってみたいなあと思っています。興味のある方はカキコお願いします。”
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これ書店で見るまで前作を読んでいたことすら忘れていた...。 読み始めてみたら序々に記憶が蘇ってきた...。たしか大阪出張の 帰りに新幹線で読んだんだった。 歌野氏のコメントにもありますが映画「SAW」シリーズに感化されての このシリーズの続編だとか。言われてみれば今回のシチュ...
これ書店で見るまで前作を読んでいたことすら忘れていた...。 読み始めてみたら序々に記憶が蘇ってきた...。たしか大阪出張の 帰りに新幹線で読んだんだった。 歌野氏のコメントにもありますが映画「SAW」シリーズに感化されての このシリーズの続編だとか。言われてみれば今回のシチュエーションは 前作と比べたときに感じる違和感の正体そのものだったのねー。 ふむふむ。 ここまであっけらかんとゲーム性を高らかに謳われると 読んでいる方もゲーム感覚で読める分、まだ安心。純粋に 5人のゲーマーたちの仕掛ける密室トリックに頭を捻って読み進められます。 まぁ、自分で導き出した正解はaxe君のトリックのみでしたが...。 これ「SAW」と同じようにシリーズ化されるのかなー。
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