青嵐の譜 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ながかった〜!でもハッピーエンドでよかったなあ 蒙古襲来についてわたしはあまりに知らなすぎるなと思ったので、これを機にもっと勉強しないとと思いました 火ノ鳥鳳凰編を思い出す、二郎と宗三郎です
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元寇を背景にした、二人の日本の若者と高麗から逃れた笛の名手の女を中心に展開 元寇の背後にある悲惨さがよく表せている? いつの虚しいのはその他大勢の話 作者ごく一部の主人公周りは平穏を取り戻すが、その他は?
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すごく面白かった。のめりこんだ。歴史に翻弄された幼馴染3人の生き様が劇的に描かれる。心を通わせた少年時代、それぞれの夢を求めた成長期、戦乱に翻弄される青年時代、別々の道を辿ってようやく帰り着いた故郷の地。鎌倉時代、元寇が舞台設定というのも珍しいが、いつの時代も人々の想いはさほど変...
すごく面白かった。のめりこんだ。歴史に翻弄された幼馴染3人の生き様が劇的に描かれる。心を通わせた少年時代、それぞれの夢を求めた成長期、戦乱に翻弄される青年時代、別々の道を辿ってようやく帰り着いた故郷の地。鎌倉時代、元寇が舞台設定というのも珍しいが、いつの時代も人々の想いはさほど変わらない、と思わせてくれる見事な青春小説である。二郎、麗花、宗三郎の主人公3人をはじめ、登場人物のみんなに血の通ったキャラクターが与えられ、物語は生き生きと動き続ける。起承転結は定石ながら、それを苦にしない文章力であり、演出力。これは見事にやられちまった。
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鎌倉時代、元寇をテーマにしたエンターテイメント歴史小説。 鎌倉幕府からの援助がないまま自分たちの領土を必死に守る西国の武士と、力も財もなく敵に殺戮される哀れな市民を、リアルに描いている。 「神風」や「一所懸命」といった言葉、竹崎季長などの登場人物も懐かしい。
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壱岐島に住む二人の少年が高麗の武将の一人娘との偶然の出会いに始まり、三人が歴史の嵐に巻き込まれながらも成長していく、青春時代小説でした。 当時の大国の政策や様子、博多の街や壱岐島の暮らしなどそれぞれの描写はまるでその絵を見ているかのように浮かび上がりました。 話の多くを占...
壱岐島に住む二人の少年が高麗の武将の一人娘との偶然の出会いに始まり、三人が歴史の嵐に巻き込まれながらも成長していく、青春時代小説でした。 当時の大国の政策や様子、博多の街や壱岐島の暮らしなどそれぞれの描写はまるでその絵を見ているかのように浮かび上がりました。 話の多くを占める戦のシーンも読みながら鳥肌。 グロテスクで怖い部分もありますが武士同士の信頼関係、人々の潔さにも感動です。 史実を背景にしたストーリーは面白いですね。 物語の終わり方も可愛らしくて、これで良かったんだと思っています。
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鎌倉時代に起きた元寇を描いた小説です。 時代小説は中心になっている人物を知らないと読みづらいことがありますが、 この小説で描かれている登場人物は庶民や九州の武士たちで、 当時の歴史の中心とは言えない人々で、 それによって物語がすごく身近に感じられました。 表現も現代的なものなの...
鎌倉時代に起きた元寇を描いた小説です。 時代小説は中心になっている人物を知らないと読みづらいことがありますが、 この小説で描かれている登場人物は庶民や九州の武士たちで、 当時の歴史の中心とは言えない人々で、 それによって物語がすごく身近に感じられました。 表現も現代的なものなので、 とても読みやすいです。 面白いのでスラスラ進みます。 元寇が起きたということさえ知っていれば 誰でも気軽に読める時代小説といえるのではないでしょうか。 小説のメインテーマともいえるのは、「なぜ戦うのか」という疑問だと思います。 戦争を起こしているのは政治の中枢にいる人物たちで、 その人物にはそれなりの思惑があり、利益があるからこそ戦争を起こします。 しかし、実際に戦うのはその政治の中枢にいる人々ではなく、 その土地の武士であり、犠牲になるのはその土地の庶民です。 政治のためになぜ庶民が犠牲にならなければいけないのか。 それはおかしいと言っているような気がしました。 それでも生きていくこと。 生きていくことで犠牲だけでなく得るものはあるのではないか。 この小説を最後まで読んでそんな希望も感じて、 最後は血なまぐさい作品だったわりに さわやかでした。
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天野さんの作品は「桃山ビートトライブ」と短編を一作読んだだけですがユーモラスな人間描写やメッセージ性の強い熱い作風が大好きです。 今作もドラマチックで、魅力的な脇役を含め登場人物の必死な生き様に胸が熱くなりました。血なまぐさい場面も少なくないので苦手な人にはきついかもしれないけ...
天野さんの作品は「桃山ビートトライブ」と短編を一作読んだだけですがユーモラスな人間描写やメッセージ性の強い熱い作風が大好きです。 今作もドラマチックで、魅力的な脇役を含め登場人物の必死な生き様に胸が熱くなりました。血なまぐさい場面も少なくないので苦手な人にはきついかもしれないけど、物語の内容を思えば仕方ないかと。 「桃山〜」もそうだったけど、音楽や絵画みたいな芸術や文化のもたらす力を天野さんが信頼されてるのが作品から伝わってきますね。そういうあたりも音楽ファンとしては嬉しいです。
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エンターテイメント性ばっちりの引き込まれる物語です。語り口が現代風で、あまり歴史ものという感じがしません。戦シーンが多いのは仕方がないとして、争いが嫌いで絵師を目指して宋へ渡った二郎が、かの地で何も学べないままによりによって戦士として帰ってきてしまったのには期待外れで少しがっかり...
エンターテイメント性ばっちりの引き込まれる物語です。語り口が現代風で、あまり歴史ものという感じがしません。戦シーンが多いのは仕方がないとして、争いが嫌いで絵師を目指して宋へ渡った二郎が、かの地で何も学べないままによりによって戦士として帰ってきてしまったのには期待外れで少しがっかりでした。3人のルーツの多様性にも見られるように、鎖国前の日本、特に北九州などはこんな風に普通に異国の人と町を行き交っていたのだろうなあ、と思いました。 表紙がCG風。苦手だ。
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絵画の世界に惹かれる、壱岐の商人の息子・二郎。 宋の遊女の子として生まれ、武家の養子となった宗三郎。 高麗の武官の父を殺され、嵐の中、日本たどり着いた麗花。 血のつながりはないけれど、見えない何かで繋がった3人。 2度に渡る元の襲撃に翻弄されつつ、欲するものを求め続け、...
絵画の世界に惹かれる、壱岐の商人の息子・二郎。 宋の遊女の子として生まれ、武家の養子となった宗三郎。 高麗の武官の父を殺され、嵐の中、日本たどり着いた麗花。 血のつながりはないけれど、見えない何かで繋がった3人。 2度に渡る元の襲撃に翻弄されつつ、欲するものを求め続け、自分の生を生きようとした若者たちの物語です。 前回の『桃山ビート・トライブ』がイマイチで・・・。 今回はどうかな~と、期待半分で読んでみたのだけれど、素直に面白く読めました。 前回の作品より、丁寧に書かれている感じを受けますね。 歴史上では「神風により勝利を得た元寇」とされている元の襲撃。 でも実際はこんなにも被害にあっていたのかと。 改めて史実の虚飾の恐ろしさを感じられたのもよかったな。 欲を言えば、もうちょっと宗三郎と二郎との接点を多くして、二人の間に流れる感情の複雑さをクローズアップしてほしかったのだけれど、勢いだけで読ませないストーリー自体は好もしかったです。
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図書館でなんとなく手に取った本。 で、開いて最初に思ったのは 「……本の装丁で余白も大事だなぁ」でした。 自分の本もそうだけど、ページの四方に余白が少ないと、圧迫感半端じゃない。 でもまあ、それが物語の閉塞感を狙っているのなら、それは成功したかも。 俗にいう「元寇」の物語。 ...
図書館でなんとなく手に取った本。 で、開いて最初に思ったのは 「……本の装丁で余白も大事だなぁ」でした。 自分の本もそうだけど、ページの四方に余白が少ないと、圧迫感半端じゃない。 でもまあ、それが物語の閉塞感を狙っているのなら、それは成功したかも。 俗にいう「元寇」の物語。 それに幼馴染三人がそれぞれの立場で関わった物語。 これを読んで「テンペスト」を読んだ時と同じ、「日本の歴史をちゃんと知らない自分」を感じました。 元寇なんて、二回来たけれども、神風が追い払った、くらいしか学校では習わなかったのに、実際はこんな凄惨な戦があったのだとしたら、全ては「知る」ことから始まるんだなって思いました。 知らなかったことを知る、ということ。 個人の出来ることは少ないけれど、少なくとも知ることで、意識が変わることで、何か少しずつうねりのようなものが生まれて行けばいいな、と思いました。 少なくともこの歴史を知らなかったことを、自分は恥じたし。 (歴史小説でもない、創作小説だということを踏まえても) そういう思いがあるからかもしれないけれど、作者の天野さんは幼馴染三人を通して、表で語られている歴史の中には、こんな話もあったのだ、ということを描きたかったのかなぁ、とか。 幼馴染という立場の三人の爽やかさと絆がとてもいいなぁと思ったけれど、それと同時に戦乱の中生きていくということと、見捨てられて死んでいくこと言うこと、その他いろんな生き様とかそういうことを考えながら読みました。 でも死亡フラグは分かりやすかった……うん。 もうちっょとわかりづらくして欲しかったかナー
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