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白夜に惑う夏 の商品レビュー

3.7

29件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2024/01/03

シェトランド四重奏の二作目。絵画展の後で不審人物が殺される。思慮深いペレス警部と、本土から応援に来た合理的なテイラー警部が、事件に挑む。終盤、呆気なく解決に向かうが、イギリス最北の島、シェトランド島の静かで濃密な時間が堪能できる。

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2023/11/21

シェトランド四重奏、2作目。 今回も前回同様に、物語の半分くらいまでエンジンがかからず。 なんだか自分の中にシェトランド時間が流れるかのごとく、まったりとしてしまう。 ミステリーなんだけど、所々でその地方特有のアクティビティが描写され、空気感を感じられるのが良い。 (今回は羊の毛...

シェトランド四重奏、2作目。 今回も前回同様に、物語の半分くらいまでエンジンがかからず。 なんだか自分の中にシェトランド時間が流れるかのごとく、まったりとしてしまう。 ミステリーなんだけど、所々でその地方特有のアクティビティが描写され、空気感を感じられるのが良い。 (今回は羊の毛刈り) 登場人物の心の声やその恋の行方など、サイドストーリーもその人物を知る助けとなり、気になるところ。 中盤に来てようやく被害者が誰だか明らかになり、 数多くの怪しげな人々のつながりが見えて来始めると あとは怒涛の一気読み。 あれこれ推理するものの、犯人はまたまた意外な人物だった。 前回の展開と類似する部分もあり、学習したはずなのに…。 4作読み終えるまでに的中できるだろうか⁈

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

安定のアン・クリーヴス。 やっぱり好きだわぁ。 と言ってもまだ3作品目だけど。 本書はシェトランド四重奏(カルテット)の2作品目。 すごく昔にたまたま読んだ3作品目が面白かった印象が強く、およそ1年半前に思いついたように1作品目を読み、暫くご無沙汰してしまったが、この度『哀惜』が発刊されたのを目にしこれは、まずは仕掛り中のシリーズものを片付けておかねばと今更ながらに取り寄せた一冊。 スコットランド北部に位置するシェトランド諸島。 緯度的にはノルウェーのオスロよりも北になり、白夜が続く夏が訪れる。 そんなシェトランド署の刑事ジミー・ペレスは、恋人フランと地域の有名人ベラが共同で開催する絵の展覧会のオープニングパーティーにフランと共に出席する。 そこに現れた黒い衣装で固めた芸術家風の謎の男。 絵を熱心に眺めていたかと思うと、突如泣き崩れる。 どうやら本土から単身来た人物なのか、知人もおらず、誰も声を掛けようとしないので、しぶしぶ自分の役目かとペレスがその男に声を掛ける。 落ち着きを取り戻した男に話を聞くが、自分が誰で何故ここに居るのか分からない。身分証明の類はおろか財布すら所持していない。 どうしたものかと思いながらちょっと席を外した隙に男は忽然と姿を消す。 という謎な出来事に遭遇した翌日、近くのボート小屋でその男と思われる人物の死体が発見される。 道化師の仮面を被り、首吊りの状態で。 自殺なのか、他殺なのか。 本土から来たテイラーのせっかちで高圧的な捜査方法による結果へのプレッシャーがある中、どちらかというとペレスの優しく律儀で思慮深い言動のペースでじわじわと真相に近づいていくのが、島のゆったりとした空気感を感じ面白い。 また、このシェトランド諸島もので凄く感じるのが事件に関わっている人以外の存在感がほとんどないところ。 捜査の過程で、島内の色んな場所に行くけど、出会うのは事件関係者達ばかりだし、雑多な人が集うような場面の描写もあるけれど、大抵知人(どこどこのだれそれで昔こんな関係だったが今はご無沙汰みたいな)だし、知らない人間は観光客なので、コミュニティとしての小ささを凄く感じる。 そんな小さなコミュニティで起きた事件だからこそ痛ましさが増し、”誰が、何故、何のために”の要素が強まる。 次は『野兎を悼む春』。 が、読了済なので『青雷の光る秋』。 北欧の四部作と言えば、ヨハン・テオリンのエーランド島四部作、ヨルン・リーエル・ホルストのコールドケース(未解決事件)カルテットも頭に浮かび、これらも読みかけのまま放置している、消化しきらねばと思う今日この頃。

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2023/01/22
  • ネタバレ

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シェトランドシリーズ第2巻。 前回と打って変わり、今回は夏のシェトランド諸島。描写が良い。 北極圏に近いからか、夏は白夜があるらしい。 いまいち距離感が掴めないけど、イギリス本島(と言っても良い?)の北の方でもそうなのだろうか? 2作目の今回も、事件自体は結構シンプル。 ペレスとフランの前で泣き崩れた記憶喪失の男が、翌日ボート小屋で死体となって発見される。しかもピエロの仮面を被って。シェトランド諸島の北側が舞台。夜でも明るいことによる不協和音と、前作以上に閉塞感のある人間関係。 今回も、最後の最後まで犯人がわかりません笑 2作目でようやく気付いたけど、伏線は張ってあれども、真相まで辿り着くには難易度高い張り方のような気がする。。。 次は春!

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2022/12/21
  • ネタバレ

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シリーズ2作目。 前作が良かったので期待して読んだが、残念ながらあまり好みではなかった。 ミステリというより人間関係に重点が置かれたドラマだと思った。 主人公は個人的な事で捜査が上の空だし、ある登場人物の視点からの情報で印象が誘導されているので、推理小説としてはあまりフェアではないのでは?とも思ったが、少ない登場人物の中で犯人がすぐ分かってしまわないためのテクニックなのかな。 でも、個人的には自作は捜査関係者の恋愛事情とかには左右されないストーリー展開にしてほしい。

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2022/02/15

シェトランド島の夏。 ペレス警部に、記憶喪失らしいと打ち明けたよそ者の男が、翌日死体で発見される。 古き良き、といいたいのはなぜだろう…と考える。 小さな村での濃密な人間関係。表面的な事実は裏返る。誰が何を知っているのか。 現代だから携帯電話だって、DNA鑑定を初めとした科学捜...

シェトランド島の夏。 ペレス警部に、記憶喪失らしいと打ち明けたよそ者の男が、翌日死体で発見される。 古き良き、といいたいのはなぜだろう…と考える。 小さな村での濃密な人間関係。表面的な事実は裏返る。誰が何を知っているのか。 現代だから携帯電話だって、DNA鑑定を初めとした科学捜査だってある。けれど、この話は、警部がひたすら話を聞いて知り得た事実で構成されている。効率的ではないかもしれないが、人々との対話を通して得られるのは言語情報のみならず、時にそれよりも雄弁な非言語情報 で、だから古き良きイメージがあるのかもしれない。

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2021/12/23

 アン・クリーヴスのシェトランド諸島を舞台とした4部作の2作目になります。  前作に引き続きシェトランド署のジミー・ペレスが登場します。  ペレスの恋人で画家のフランと地元有名人の著名画家のベラの共同個展が行われた会場でフランの作品を観て取乱した男が、翌朝首を吊って死んでいた。...

 アン・クリーヴスのシェトランド諸島を舞台とした4部作の2作目になります。  前作に引き続きシェトランド署のジミー・ペレスが登場します。  ペレスの恋人で画家のフランと地元有名人の著名画家のベラの共同個展が行われた会場でフランの作品を観て取乱した男が、翌朝首を吊って死んでいた。  男は、ジェレミー・ブース、俳優でイギリスの小さな劇団の代表だったが、失踪していた。死因は、他殺と断定され捜査が始まった矢先に、有名画家ベラ・シンクレアの甥のロディが海岸の洞穴で死んでいるのが発見されるが、更には洞穴奥深くに人骨が発見された。  海岸沿いの田舎街ビティスタに住む裕福で有名人の画家ベラ、ジェレミーの第一発見者でベラの幼馴染みの農場夫ケニーとその妻エディス、ケニーの実兄で失踪中のロレンス、彼等の過去に何か関係がありそうな流れで物語は進んで行く。  住民は全て顔馴染みの小さな世界で起きた過去を引きずった連続殺人事件は、些細な出来事だった。田舎町で風化され心の奥底にしまってあった過去が、都会で生きる飢えた1人によって蘇った。事件は、白夜の様に薄暗く照し出され隠

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2021/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「大鴉の啼く冬」の続編。 季節は冬から夏へ。 白夜の時期を迎え、たくさんの観光客が船で訪れている シェットランド本島。 前作で少女の死体を発見したフレアは、 地元の有名な画家のと個展を開く。 見知らぬ男が現れ、フレアの絵を見て泣き出す。 ぺレス警部が男を部屋から連れ出すが、 姿を消し、死体をなって発見される。 自殺ではなく他殺だと判明して、 テイラー主任警部がまた島へやってきて、 ぺレス警部と捜査に当たる。 行方不明の男が殺されていたのは予想通りだったが、 死体のつけていた仮面とか、 有名な画家が酷評した素人の水彩画とか、 何か殺人と関係あるかと思ったが、肩透かしにあった。 でも、その肩透かし感が 地に足がついた事件、というとおかしいが、 猟奇的でも、過剰な演出や残虐性もなく、 いかにも実際に起りそうな事件に感じさせるのかもしれない。 テイラー主任警部は、 金のかかった優雅な家に住みたいと思ったり、 有名人になることにあこがれていたりと、 意外と人間臭い側面を出してきたので、 リヴァプールの重大犯罪捜査班に異動してしまうのが、 ちょっと残念だった。 そして、もちろんフレアとペレス警部の仲が 友人から恋人になったのは良かった。 日本人観光客の一団が、 がシェットランド島の空港にいたのには吹き出した。 もちろん、自分も行ってみたい。

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2021/04/14

<シェトランド四重奏>シリーズ第二作目は、白夜が空を覆う夏の季節が舞台。前作は閉鎖的な孤島という地の利を活かした作品だったが、今作では外部からの来訪者によって事件が引き起こされる。登場人物の心情描写が前作以上に緻密なため、非常に焦ったさを感じさせる仕上がりだが、真相解明まで物語を...

<シェトランド四重奏>シリーズ第二作目は、白夜が空を覆う夏の季節が舞台。前作は閉鎖的な孤島という地の利を活かした作品だったが、今作では外部からの来訪者によって事件が引き起こされる。登場人物の心情描写が前作以上に緻密なため、非常に焦ったさを感じさせる仕上がりだが、真相解明まで物語を牽引する筆力は今作も健在。登場人物の抱える多様な承認欲求が描かれているので、犯行動機に直結してくるかと思いきや、そこをスルーするのは意外だった。終盤ではペレスとテイラーのコンビ解消が匂わされるが、さて次作の捜査はどうなるのだろう?

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2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「大鴉の啼く冬」はだいぶ前に読んでいた。 今回手に取ってみてシェトランド諸島の白夜の風景が美しそうでそれだけで旅心を刺激されそう。(前回は冬だったから寒い暗い一辺倒) 白夜は美しいけれど人の心を惑わす。 原作の題名が「White Nights」だったので、訳者の方の手腕がありがたい。

Posted byブクログ