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コインロッカー・ベイビーズ 新装版 の商品レビュー

3.8

247件のお客様レビュー

  1. 5つ

    75

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    27

  5. 1つ

    5

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2009/10/31

手を伸ばしたら、 そこにあったのが甘いチョコレートだったら 足を踏み出したら、 その途端に雨が止んで虹が出てきたら 空を見上げたら、 青い空と白い雲がそこに浮かんでいたら 君と一緒にいたら、美しい未来が描けたら・・・

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2009/12/13

僕はこの小説が大好きだ。 何と言えばいいのだろう。生きることへの抗いというか。嫌われることへの恐怖だとか。煮えたぎる怒りだとか。そういった生きる上で必ず付きまとうであろう感情という感情がこの一冊の本にびっしり詰まっている。 コインロッカーで瀕死の状態で発見されたハシとキクはその場...

僕はこの小説が大好きだ。 何と言えばいいのだろう。生きることへの抗いというか。嫌われることへの恐怖だとか。煮えたぎる怒りだとか。そういった生きる上で必ず付きまとうであろう感情という感情がこの一冊の本にびっしり詰まっている。 コインロッカーで瀕死の状態で発見されたハシとキクはその場で死んでいてもおかしくなかった。なのにちゃんと生き残った。 <弱虫め、僕は、ちゃんと生き返ったんだぞ> この一文にハシの迷いない決意が浮かび上がる。 ハシとキクは破壊をやめない。戦い続ける。 簡単には死なないぞと最後に決意するハシの心強さ、成長に感銘を受けた。 圧倒的な世界観と緻密な表現力。そこから編み出される無数の感情の渦はこの小説の価値を何倍にも膨れ上げさせている。 村上龍の小説が、僕は大好きになりました。 それから金原ひとみの解説にはかなり差し迫るものを感じました。彼女の背景まで知って読むとぐっとくる。良かった。

Posted byブクログ

2009/10/16

なんだろう、一文一文から立ち上るこのエネルギーは。 残酷で生々しくて不衛生で不平等。すぐにでも目を逸らしたいのに, 熱に浮かされたように読み続けてしまう。みんながみんなどこかしら狂っているので、“普通”を考えることがばかばかしくなってくる。 しかしアネモネはかっこよかったなぁ。き...

なんだろう、一文一文から立ち上るこのエネルギーは。 残酷で生々しくて不衛生で不平等。すぐにでも目を逸らしたいのに, 熱に浮かされたように読み続けてしまう。みんながみんなどこかしら狂っているので、“普通”を考えることがばかばかしくなってくる。 しかしアネモネはかっこよかったなぁ。きれいでお金持ちで魅力と才能に溢れているのに毎日物足りなそう。だけど自分が一番欲しいものをよく知っている。法廷で肩を落とす恋人に向って更に犯罪を助長させるような発言をする彼女の破天荒さと、その恋人を追いかけて北海道でも小笠原でも行ってしまう一途さ。素敵だ。

Posted byブクログ

2009/10/13

世界が崩壊する物語、には相変わらず惹かれてしまう。 抑圧というものは誰にでもあるが、人によって抑圧しているものは全く違う。性欲であったり、社会的欲求であったり、空間への希求であったり、自分でもわけのわからないもの、であったり。 当然抑圧を解放する手段も人それぞれになるわけだが、...

世界が崩壊する物語、には相変わらず惹かれてしまう。 抑圧というものは誰にでもあるが、人によって抑圧しているものは全く違う。性欲であったり、社会的欲求であったり、空間への希求であったり、自分でもわけのわからないもの、であったり。 当然抑圧を解放する手段も人それぞれになるわけだが、自分でもわけのわからないものを抑圧し、それを創作によって解放するのがアーティストや小説家、ミュージシャンなんだと思う。それ自体は本質的には「排泄活動」に他ならないのかもしれない。 俺のような一般人は生理的な排泄と同じように言語を排泄して抑圧を解放する。カタルシス。 創作家はそれとは違う何かを排泄する。 圧倒的に違うのは、彼らは手段を創出することができるが、俺たちは手段を与えられているにすぎないということだろう。 抑圧を解放する術が他者の手に委ねられている不安、そして諦め。養鶏場の鶏のような生活には、常にこういう感情が付きまとう。俺たちが抑圧から解放されるためには、爆発しなければならない。けど、そもそも爆発するべき対象すら与えられていないのかもしれない。 “気付き”は不幸な時間を生む。

Posted byブクログ

2009/10/04

難しかったけどおもしろかったなあ。 寮の後輩の愛読書。 村上龍は性描写とか殺し方がエグイw そこがまた良い味出してるよね。 人間の嫌なところを描き出してく感じ。

Posted byブクログ

2009/10/27

『五分後の世界』でも見られたような、「煩雑で暴力的な都市」のイメージ。それを破壊するダチュラを求める少年。 空気を読んで周囲に強調して生きていくことを憎み、何もかもぶっ壊してやりたいと思えるのは若者の特権か。

Posted byブクログ

2009/10/04

今まで読んだ小説の中で、一番衝撃的。 とても一気には読めなかったが、読んだ後の達成感がすごく心地よかった。 村上龍の文章に慣れていない人は読みづらいかもしれないが、 一生のうち一度は読んでみてはいかが?

Posted byブクログ