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人類が消えた世界 の商品レビュー

3.6

20件のお客様レビュー

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2017/03/20
  • ネタバレ

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2009年(底本2008年)刊。  地球環境に多大な負荷を及ぼす人類。その人類が突如消滅したら、地球環境はどのように変化するか。  この変容について、人類の出現前の状況や現代の実例、化学的・地質学的知見から推測するのが本書である。  具体的に言えば、温暖地域の都市は、大理石構築物を除き、植物繁茂と水の膨縮作用、水・酸素による腐蝕にて僅かの間に変貌を遂げるとのこと。その予測に関連して、現代の興味深い実例として挙げられるのが、キプロス島ヴァロシャである。  しかし、放射能汚染(放射性廃棄物)の原状回復と、プラスチック等石油化学製品の分解には考古学的・地質学的期間を要し、容易ならざる事態である点を指摘する。  また、動植物は、放射性廃棄物等の汚染による影響を除き、概ね一万年ほど前の状況を回復と予測する(ただし、個別絶滅種は存在する)。  とあるように、本書からは、人類の生存を度外視しうるなら、地球環境の強靭さを逆に印象付けられた。  一方、人類の活動、特に産業革命以降のそれは、大型隕石の衝突・ペルム紀のCO2極大化の時期に匹敵するともあって、人類存在そのものが地球に与える影響と人口の極端な減少が環境負荷を低減するというのは、余りにも明快な結論とはいえ、複雑な心境でもある。  なお、大型類人猿から人類への進化を、環境激変による個体数の極小化、近隣種との異種交配、かつ種としての存続が可能だったケースであったとみる点は、その適否はともかく興味を引く。  また、地球史・人類の未来像のモデルケースとして、マヤ文明の興亡を準えているのは興味深い。

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2016/12/25

ナショナル・ジオグラフィックの番組のようなテイストの本.ケニアの山中や太平洋のサンゴ礁から,果てはニューヨークの地下鉄やヒューストンの石油化学プラントまで,世界各地の様々な環境を題材に,その地域の環境がどのような歩みを経て,今現在どのような状態にあり,今後どうなるのかを,それぞれ...

ナショナル・ジオグラフィックの番組のようなテイストの本.ケニアの山中や太平洋のサンゴ礁から,果てはニューヨークの地下鉄やヒューストンの石油化学プラントまで,世界各地の様々な環境を題材に,その地域の環境がどのような歩みを経て,今現在どのような状態にあり,今後どうなるのかを,それぞれの環境に詳しい専門家が語る,といった内容.地図は付いていないので,Google Earthなどでそれぞれの場所を確認しながら読み進めるとよいかも知れない. 全体を通して,人が滅んだり痛い目を見たりすること,或いは人間以外の生命が消えゆくことのどちらについても,著者自身は良い悪いと言った評価を取り立てて下していない.従って何があるのか/あったのか/これからあるのかが,ジョークを交えつつ,専門家の言明を借用しながら,ただひたすら淡々と語られていく.それでも,今まで知っているようで知らなかったことが沢山出てくるお陰で,読んでいて飽きないし,考えさせられることも多かった.人が残した痕跡で最後まで残るものは,実はかなり意外なところにあるというのも面白い. 英語になるが,原書のホームページ( http://www.worldwithoutus.com/ )に色々コンテンツがある.これ以外に,中で出てくるVHEMT「自発的人類絶滅運動」のページ( http://www.vhemt.org/ )も面白かったので,参考までに貼っておく.

Posted byブクログ

2013/10/22

多くの知的好奇心を満たしてくれる一冊。 人類がいなくなった世界はどのように自然に還っていき、人類の痕跡としてどのようなものが残るのかを色々な目線から追っている。 しかし読み終えるまで長かった…自分には少し難しかったため、疲れているときに読むとすぐに文章に集中できなくなってしまう...

多くの知的好奇心を満たしてくれる一冊。 人類がいなくなった世界はどのように自然に還っていき、人類の痕跡としてどのようなものが残るのかを色々な目線から追っている。 しかし読み終えるまで長かった…自分には少し難しかったため、疲れているときに読むとすぐに文章に集中できなくなってしまう。 今まで不思議に思っていた答えはすべて複雑なものなのだなと思う。 ボイジャー1号は最近太陽系を脱出したらしい。その先にいるかもしれない知的生命体に人類の痕跡を伝える為に人類が滅亡してもひとり飛び続けるというのはなんと壮大で寂しいことだろうと感じた。

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2012/12/29

いやー、スゴい本だ! てっきり人類がいなくなって1年後、10年後、100年後、世界はこうなってますよーって本かと思った(巻頭のイラストはそうなってる)。 もちろん、そういう記述はあるんだけど、この本は「人類が突然消えました」ってのをテーマに、筆者が好奇心のおもむくままに様々な分...

いやー、スゴい本だ! てっきり人類がいなくなって1年後、10年後、100年後、世界はこうなってますよーって本かと思った(巻頭のイラストはそうなってる)。 もちろん、そういう記述はあるんだけど、この本は「人類が突然消えました」ってのをテーマに、筆者が好奇心のおもむくままに様々な分野を取材、調査する本なのだ。 だから、テーマと関係がなくても、ついつい筆がすべる。 カッパドキアの地下遺跡に教会や醸造所があったことなんて、テーマと直接関係ないだろ! しかし、それが面白い。 読みすすめていくうちに「へー」って思う箇所がたくさん出てくる。 こっちの知的好奇心を刺激しまくり。 そして、筆者が言うように、未来を知ることは現在、過去を知ることなのだということがわかる。 スゴい本だ!

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2014/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに読み応えのある読書。未来を考えること=過去を学ぶこと=今を知ること。 以下、引用 ●ナードルと呼ばれる小さな粒は、年間5500兆個、重量にして約1億1350万トンが生産されていた。ムーアはこの粒をどこでも見つけたが、それだけではなかった。クラゲやサルバー海中にきわめて多く生息し広く分布する濾過摂食動物ーの透明な体に取り込まれたこのプラスチック樹脂の粒をはっきり目にしたのである。海鳥と同じように、明るい色の粒を魚卵と取り違え、肌色の粒をオキアミと取り違えたのだ。いまやいったい何千兆個のプラスチック片が、ボディースクラブ材に配合され、大型生物の餌となる小型生物が飲み込みやすい大きさとなって海へ流されているのか、見当もつかない。 ●チェルノブイリのハタネズミに関するそのほかの研究でも、このげっ歯目動物もツバメと同様に、ほかの土地に生息する同じ種より短命だとわかった。それでも、性的成長と出産を早めて埋め合わせをしているらしく、生息数は減少していない。 ●現時点で、人間が地上から忽然と姿を消したとしたら、世界はどう変わっていくだろうか、と。この問題を考えることによって、人間が地球に対してどれほど負荷をかけているのか、地球は今後どんな運命をたどるのかについて、多くのヒントが得られるのではないだろうか。本書の著者であるアラン・ワイズマンは、そう語りかける。

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2011/06/28

人類が消えたら世界がどう変化するか。人類が蔓延る前の姿に世界が戻るのかを環境問題と歴史を絡めて検証したノンフィクション。ナルシズムに酔った感が拭えないが(人がいなくなって悲しいのは人)、読むにはいいタイミングだった。

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2010/12/14

「人類が消えた世界」3 著者 アラン・ワイズマン 訳  鬼澤忍 出版 ハヤカワ文庫 p462より引用 “ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、 地球もまたしかりだ。” あらゆる科学的データを元に、 今突然人類が地球上から消えた時、 どの様な変化が訪れるかを...

「人類が消えた世界」3 著者 アラン・ワイズマン 訳  鬼澤忍 出版 ハヤカワ文庫 p462より引用 “ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、 地球もまたしかりだ。” あらゆる科学的データを元に、 今突然人類が地球上から消えた時、 どの様な変化が訪れるかを考察した一冊。 近代都市の建築物から大海まで、 その行く末を科学的根拠に基づいてシミュレートされており、 自分達の普段の生活について考えさせられます。 上記の引用は、 最後の章の冒頭の一文。 少しでも元気に長く生きる事が出来れば、 今問題になっている事が次々に解決される所を、 見る事が出来るのでしょうか? 出来ると思いながら出ないと、 気分が滅入ってしまいそうな現状だとは思いますが。 想像をめぐらせるのが好きな方に。 ーーーーー

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2010/11/06

人類の存在が地球に与える負荷は計り知れない。本書は、ある日突然、全人類が姿を消した後、どれくらい経てば地球は人類出現以前の姿に戻れるのかを淡々と語ったノンフィクション。 農地や家畜は自然と同化するのに然程時間を必要としない。犬は人が居なくなれば絶滅するが、猫は野生化して生き延び...

人類の存在が地球に与える負荷は計り知れない。本書は、ある日突然、全人類が姿を消した後、どれくらい経てば地球は人類出現以前の姿に戻れるのかを淡々と語ったノンフィクション。 農地や家畜は自然と同化するのに然程時間を必要としない。犬は人が居なくなれば絶滅するが、猫は野生化して生き延びる。建築物は持って数千年、いずれ来る氷河期までだろう。厄介なのは、プラスチックと核燃料。これらは気が遠くなるような時間をかけて土に還る。地球外へ発した電磁波は減衰して宇宙ノイズに紛れてしまう。人類が存在した痕跡を最も永く残せるものは、太陽系外へ旅立った惑星探査機だろう。 人が滅ぼしてしまった動物は元に戻らない。しかし、生物は幾度も大量絶滅に遭い、その度に進化してきた。厳しい環境下を生き延びた種だけが新しい世界を築ける。人の手によって絶滅した種は、遅かれ早かれ消える運命だったのかもしれない。また、いつか滅びるのは人類にも言える。どれだけ科学が発達しても避けられない。どうせ、50億年後、膨張した太陽に飲み込まれて地球は消滅するのだから。

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2009/10/10

人類がいなくなった世界を思い描くために 人類が行ったこと、人類が世界に残したものを描き 今の人類が未来に向けて何をするか考えさせる本 カラーのイラストは殆ど無関係

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2009/11/21

20090911購入。読み始める。 20091120ほとんど片道5分の電車の中だけで読み終える。生きているのがこわくなる。人間ってやはり罪深い。MOTTAINAIで生きていくしかないのかな。やっぱり、人口抑制かぁ。

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