1968(上) の商品レビュー
私のご師匠様が書かれた、全共闘テーマの非常に浩瀚な書であります。400字原稿用紙6000枚らしい笑)従って、いろんな見方ができるが、私は「現代的不幸」についてのテーマが一番印象に残った。1968年から40年以上立つが、現代的不幸についての問題はあまり進展がないように思える。むしろ...
私のご師匠様が書かれた、全共闘テーマの非常に浩瀚な書であります。400字原稿用紙6000枚らしい笑)従って、いろんな見方ができるが、私は「現代的不幸」についてのテーマが一番印象に残った。1968年から40年以上立つが、現代的不幸についての問題はあまり進展がないように思える。むしろ、過去と同じ過ちを繰り返し、失敗しているケースが多くある。 とりあえず既存の世界をぶっこわしたところでその先に何もない。誰も幸せになれない活動が横行している。 そんないろんな事件を狂気として片付けず、「現代的不幸」の視点をもって、詳しく見ていく。そこから現状を打破するプロセスや方法を考えていく。そのためには本書の主張するように自分たちを取り巻いている状況から手がかりを一つずつ探して行くしかない。
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安田講堂の頃、まだ物心もついていなかった私にとっては、当時のことを理解する上で貴重な本。学生たちが何を考え、何の為に戦い、そしてどのように挫折したのかを理解する端緒となる。 また、それは同時に、自分自身が無意識のうちに影響を受けている、その後の時代の思考を理解することにつながる。
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全部を通読することは難しかったので、著者の用意したガイドラインに沿って読んでみた。 当時の学生運動を、その時代に現れた現代的不幸に対する抵抗と捉えるのは、本当に今生きている私達が抱えている問題と変わっていないと感じた。 特に僕自身の問題に置き換えても、大学を真理の追究の場とす...
全部を通読することは難しかったので、著者の用意したガイドラインに沿って読んでみた。 当時の学生運動を、その時代に現れた現代的不幸に対する抵抗と捉えるのは、本当に今生きている私達が抱えている問題と変わっていないと感じた。 特に僕自身の問題に置き換えても、大学を真理の追究の場とする理想主義から脱却できない幼稚さ、というのが当時からあり続けた在り方であり、僕はもし40年前に大学にいたならば、必ず全共闘に入っていただろうなと想像した。 左だの右だの関係なくて、何となく感じる居心地の悪さを非言語的に訴えるだけではいけない。それがあの時代の教訓ならば、やはり我々は歴史を学び、今を学び、それを言葉にしていかなければならない。 しかしその言葉は、この多様化した世界において、多くの人々に伝わりきるだろうか。きっと伝わりきらないのだと思う。だから、分散的に用意されたメディアに強い言葉を運んでいくこと、またそのような強い言葉を不透明な情報の海から拾い上げることが重要だと感じた。
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1960年代、1970年代における様々な学生闘争について、記述した大著。 結局、第1,2章で言っていることに尽きると言えるし、語り口にはやや恣意性が見られるように思う。 しかし、学生闘争に関して充実した研究がないこともあり、資料的な価値は非常に大きい。 そもそもなぜ学生たちは闘...
1960年代、1970年代における様々な学生闘争について、記述した大著。 結局、第1,2章で言っていることに尽きると言えるし、語り口にはやや恣意性が見られるように思う。 しかし、学生闘争に関して充実した研究がないこともあり、資料的な価値は非常に大きい。 そもそもなぜ学生たちは闘ったのか、考えだすと終わらないが,それに対する回答を少なくとも一面的には与えてくれる、非常に意義のある本である。
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