薄暮 の商品レビュー
亡くなってから、突如脚光を浴びたある地方画家とその作品。なんとか世に知ってもらいたいという純粋な気持ちあり、それだけでは済まない利害関係あり。ミステリー的な要素もあり引き込まれる展開。 芸術の価値とは?誰がその価値を決めるのか?そんなことを考えさせられるので一冊。
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神鳥にも連なる絵との出会いから画家の人生を描いた内容。一人の芸術家の生き様を浮き彫りにする過程で周囲の人間達のドラマも丹念に拾い上げてる。読んで思うのは芸術とは何か、に尽きる。これは仮想儀礼の読後に宗教とはと感じた疑問にも通じる。篠田節子はある既存の価値観に対して挑戦するのが好き...
神鳥にも連なる絵との出会いから画家の人生を描いた内容。一人の芸術家の生き様を浮き彫りにする過程で周囲の人間達のドラマも丹念に拾い上げてる。読んで思うのは芸術とは何か、に尽きる。これは仮想儀礼の読後に宗教とはと感じた疑問にも通じる。篠田節子はある既存の価値観に対して挑戦するのが好きなように思える。
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亡き地方画家とその妻をめぐり、画家を世に知らしめようとする出版社員、地域おこしを目指す人々、画商の思惑など、複雑に絡み合って、読み応え十分。さすが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
地方に埋もれていた画家の家族と地域の人達の話。 雑誌編集者が、雑誌に掲載した画家の絵の話題が出てくる随筆への反応で、画集の作成を企画する。 画家の配偶者が、画家を支え、地域の人と対立する。 地域の人の持っていた作品が、偽物だと断じる。 暗躍する画商と、お寺の話がきなくさい。 予想通り、画商の画策が表面化する。 個々の展開は想定外だ。 全体的には想定内だ。 推理小説としては中途半端かもしれない。 家族小説としては幸せな終わりを迎える。 篠田節子の小説家と常識人としての均衡の取り方は面目躍如かもしれない。 作家の家族に対する尊敬の示し方の技法を習得することができた。 複雑度がちょうどよい加減で、苦労が報われるという話として美談だ。 裏に現れる暗躍が、全体を破壊していないというのが出色。
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一人の画家を巡る話。 ダラダラとした展開で、途中飽きてしまったけど、 この人が書く絵の描写はやはりすごいと思った。 (図書館)
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県立図書館より。 まだ読み始めてない。 初めの数ページを無理して読んでみた。 どうにも話に入り込めない。 平たく言ふと、面白くない。 で、挫折。 もう読まない。
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篠田節子の もつ 身体の中のうごめきが なんともいえず ざわざわ した心のざわめきが うっとうしくもあり 同時に 人間って こんな風なんだろうな と 妙に 説得力があり おどろきました。 『さが』 といえば 『さが』 なんですが、 一言でいえない 奥行きのあるものでした。 主...
篠田節子の もつ 身体の中のうごめきが なんともいえず ざわざわ した心のざわめきが うっとうしくもあり 同時に 人間って こんな風なんだろうな と 妙に 説得力があり おどろきました。 『さが』 といえば 『さが』 なんですが、 一言でいえない 奥行きのあるものでした。 主人公は 宮嶋智子。 閉じられた画家を 献身的に支え 実家を飛び出し・・・郷里を捨てて 天才的な 画家を ささえた。 純愛のように思えたが・・・ 天才でも オトコであり・・・ そして 悩み 惑うのである。 裏切られても・・・ただひたすらに 献身をする。 そうすればするほど 逃げていく。 タライの水を 引き寄せるには 引っ張ることではなく 押すことだということが わからない 智子。 どんどんと 自分を正当化させるための物語を紡ぐ。 しだいに 智子の虚構の物語 が崩れ去っていく 天才が 死んでしまったがゆえに 過去が 自分のものにできる。 そこまで 突き詰める 篠田節子の 筆力は なんともいえないほど 執拗だ。 主人公の 智子の執拗さに比べれば 篠田節子の執拗さが 勝っているという 恐ろしい物語である。 でも 地元というものは ありがたいものである。 郷土愛 という屈折した 愛が さまざまな形で噴出する。 厳しい季節を おくらざるを得ない 切々たる思い。 それが おカネになると・・・人々は ばらばらになっていく。 もう一人の主人公 乳母像のモデルは じっと時間をやり過ごす。
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静かに淡々と長い小説。 エキセントリックなまでの妻の愛情。 いや、愛情と言うか、自分が絡んでいる(尽くしている)部分しか愛せてない気もした。 篠田さん作品でなければ、ただ長いだけで退屈になったかもしれない作品。
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閉ざされた画家、宮嶋哲郎とその妻、智子。 画家の残した絵を通して、宮嶋哲郎と智子の人生をたどっていくストーリーです。 智子にとって人生というものは、哀しいものだったのか。それとも満足のいく作品をつくりあげたものだったのか。
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結局なにを前面に押し出したかったのかわからなかった。幻の郷土画家とそれを取り巻く人々、ゴッホのそれのように故人の絵がその本人の支配を超えて、一人歩きするプロセスは興味深かったが。最終的にはその全ては新興宗教の布教をたくらむ宗派の仕掛けた企てだった、との結末は少々宗教を扱う篠田節も...
結局なにを前面に押し出したかったのかわからなかった。幻の郷土画家とそれを取り巻く人々、ゴッホのそれのように故人の絵がその本人の支配を超えて、一人歩きするプロセスは興味深かったが。最終的にはその全ては新興宗教の布教をたくらむ宗派の仕掛けた企てだった、との結末は少々宗教を扱う篠田節もここにきて食傷気味になってしまった。
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