芙蓉千里 の商品レビュー
女にとっての地獄、遊郭。この苦界に、しかも哈爾濱で「女郎になるのが夢」という少女フミの物語。 読んでてダダ暗くなりそうなテーマだが、女性作家ならではの繊細な筆致とフミの強烈なキャラクターのお陰で、良質な映画を観ているように夢中になれる。 日本人以外には理解されがたいが、切腹がた...
女にとっての地獄、遊郭。この苦界に、しかも哈爾濱で「女郎になるのが夢」という少女フミの物語。 読んでてダダ暗くなりそうなテーマだが、女性作家ならではの繊細な筆致とフミの強烈なキャラクターのお陰で、良質な映画を観ているように夢中になれる。 日本人以外には理解されがたいが、切腹がただの自殺とは違うように、遊郭というのは世界的にみる所謂売春宿ではない。知識や概念としては知っていたが、ここまで文化としてリアルに、しかも直截的な表現控えめでエンタメとしても読めたのは初めてかも。
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まだ、芙蓉千里は 1 しか読んでいない。この後、どう展開していくのか楽しみではあるが、この 1 だけでも結構面白い。この小説の面白さは、登場人物の「見事さ」にあると思う。 大陸一の売れっ子女郎「お職」になりたい主人公のフミを始め、女郎屋「酔芙蓉」の女将芳子や胡蝶蘭のような蘭花こと...
まだ、芙蓉千里は 1 しか読んでいない。この後、どう展開していくのか楽しみではあるが、この 1 だけでも結構面白い。この小説の面白さは、登場人物の「見事さ」にあると思う。 大陸一の売れっ子女郎「お職」になりたい主人公のフミを始め、女郎屋「酔芙蓉」の女将芳子や胡蝶蘭のような蘭花ことお孝。圧倒的に華やかな牡丹のような源氏名もそのままの牡丹こと千代。嫉妬深く妹分を徹底して苛めてきたマサはフミが来てから3代目の「お職」桔梗。その他いろいろな女郎。何より覚悟はしてきたとは言え、やはり女郎には絶対なりたくないと言う、友人と言うより同志といった方がいいひとつ年上のタエ。こういった個性的な女性たちが哈爾濱は傅家旬の女郎屋「酔芙蓉」で織り成す人間模様。それが見事。 ここにいる女たちは皆「覚悟」が出来ている。女たちの口から出る言葉一つ一つは自分を奮い立たせる強がりであり、生きていくための諦めの言葉かも知れない。せめて皮肉と自嘲は諦めた自分に対しての慰め的自傷行為。そして、女たちは異国の街で意地と矜持を持って生きていく。 「·······好き放題やってる露西亜や日本も、いつかはここから消える。·······日本なんて国は忘れとけ」と言い放つ女将の芳子。 宿敵「伊藤博文」が暗殺された晩に「裾が乱れないように縛って、首をひと突き。」まさしく武家の女の切腹の仕方で自害する蘭花。 そして30半ば過ぎて10も20も老けて、無惨にも皺だらけの顔となってしまった、かつての華やかで百花の王「牡丹」のごとき千代は、「私は女郎さ。·······ここで無様に死んで、 ·······亡霊になってさまようのさ。そして、こんな店、ぶっ潰してやるんだ」と言い放つ。 この小説、最後の方でフミの踊るシーンが良い! 阿片で見も心もボロボロになった千代、その横に「お蘭ねえさん」の幽霊。その他の女郎、女将、女衆と男衆。みんなの前で、高みに駆け上がるように踊るフミ。タエの巧みに煽り、力を引き出してくれる謡いに合わせて。 面白い小説とは、登場人物の「生き様」や「死に様」が「見事な」小説なんだなぁと思った。
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久々にあたりの小説!!! 面白かったです! 読ませるのが上手で飽きさせない。中弛みしそうなタイミングの少し前で、きちんと毎回見せ場を作り、世界から離さないのは流石。 歴史の大きな転換点の昭和初期、中国に渡った女郎という角度から切り込んだエンタメ性も抜群のヒューマンドラマでした!
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一人の少女が異国の女郎屋に売られて(正確には自分から希望して)、そこで成長していく物語。 めちゃめちゃよかったー。 読後の余韻が半端ない。主人公のフミが少女から女へと成長していく様を、ドキドキ、ハラハラ、キュンキュンしながら一気に読んでしまった。 強い意志を持ったフミ。でも、少...
一人の少女が異国の女郎屋に売られて(正確には自分から希望して)、そこで成長していく物語。 めちゃめちゃよかったー。 読後の余韻が半端ない。主人公のフミが少女から女へと成長していく様を、ドキドキ、ハラハラ、キュンキュンしながら一気に読んでしまった。 強い意志を持ったフミ。でも、少女らしくときには揺らいで、ときには嫉妬して、ときには不安に苛まれ、そして恋をする。 遊郭を描いた物語はもともと好きだっけど、本当に面白かった。
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久しぶりに読み応えのある長編。面白かった!! 丁寧に作れば良い映像作品になりそうだけど、、難しいかな…主人公が流されずに自分らしく生きていく姿が格好良い。
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子どもの頃コバルト文庫が大好きだったら、きっと楽しめるお話です。大人向け児童文学みたいな。運命に立ち向かう主人公にワクワクさせられました。そして主人公の恋も切なくてぐっときます。
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図書館で。 少女小説みたいだなぁとなんとなく読んで思いました。少女漫画みたいな感じ?と言うか。ラノベ枠なのかなぁ。こういう小説だと思っていなかったのでちょっと拍子抜けしたというか。 天涯孤独の少女が花魁を目指し大陸の女郎屋に売られ(?)て、芸の才があるから客を取らず、理解のある...
図書館で。 少女小説みたいだなぁとなんとなく読んで思いました。少女漫画みたいな感じ?と言うか。ラノベ枠なのかなぁ。こういう小説だと思っていなかったのでちょっと拍子抜けしたというか。 天涯孤独の少女が花魁を目指し大陸の女郎屋に売られ(?)て、芸の才があるから客を取らず、理解のあるパトロン(色男で金持ち)がつくという展開、ちょっと出来過ぎだな~と思うんですが少女漫画ならアリなんだろうな、ウン。
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読み始めたら止まらずうっかり一気に読んでしまった 主人公視点が周囲に比べて浮き過ぎなのが気になるが 少女小説でこの題材ならば仕方なしか 続巻への引きも中途半端 完成度を求めるのは作風として違うのでどんどん次を読んでいきたい感
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157:お、面白かった……! 須賀さんはホント、女(とくに少女)の表現がお上手だと思います。フミもタエも、千代もお蘭もおかあさんも、みんなみんな素敵でかっこいい。矜持、というのでしょうか、自分の中に一本真っ直ぐ通った芯があって、それが強烈に眩しい。 早く文庫にならないかなあ。おす...
157:お、面白かった……! 須賀さんはホント、女(とくに少女)の表現がお上手だと思います。フミもタエも、千代もお蘭もおかあさんも、みんなみんな素敵でかっこいい。矜持、というのでしょうか、自分の中に一本真っ直ぐ通った芯があって、それが強烈に眩しい。 早く文庫にならないかなあ。おすすめです!
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「神の棘」同様、長い割りに話が淡々と進むなぁと言う感じ フミの踊りの才能と抜群の記憶力でもって、クセの有る客や 意地悪なお姉さん達相手に、色んな障害を乗り越えて 胸のすく様なサクセスストーリーがを展開するのかと思いきや ・・・何か、特に苦労する事もなく、あっさりと芸妓さんに ...
「神の棘」同様、長い割りに話が淡々と進むなぁと言う感じ フミの踊りの才能と抜群の記憶力でもって、クセの有る客や 意地悪なお姉さん達相手に、色んな障害を乗り越えて 胸のすく様なサクセスストーリーがを展開するのかと思いきや ・・・何か、特に苦労する事もなく、あっさりと芸妓さんに 続編でその辺りの特技を生かしての、何かがあるのかも しれないけれど、今の所あの厚さの続編2編を読むほど 惹かれる物はないかな 野球小説の方は好きなので、そちらだけを読んでる方が 良いかも
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