パタゴニア/老いぼれグリンゴ の商品レビュー
230531*読了 パタゴニア、老いぼれグリンゴ、共に南米の暑さを感じる作品だった。 「パタゴニア」は叔父が持ち帰った恐竜(と思っていたが実際はオオナマケモノ)の皮をきっかけとして、イギリスからパタゴニアに赴き、たくさんの人と出会い、交流していく紀行文。 紀行文といってもそこで...
230531*読了 パタゴニア、老いぼれグリンゴ、共に南米の暑さを感じる作品だった。 「パタゴニア」は叔父が持ち帰った恐竜(と思っていたが実際はオオナマケモノ)の皮をきっかけとして、イギリスからパタゴニアに赴き、たくさんの人と出会い、交流していく紀行文。 紀行文といってもそこで生きる人を通して、この地域が描かれているので、ドキュメンタリーと表現する方がいいかもしれない。 私はこんな風に旅できない、と思う。だからこそ、読むのだけれど。 読んで、南米の熱気を肌で感じたり、自分とは違う生き方、価値観を持つ人を知ったりするのがおもしろい。 「老いぼれグリンゴ」は国境を徒歩でも越えられる大陸ならではの話と言える。 実在する人物であり、突然メキシコに消えてしまったアンブローズ・ビアスをグリンゴのじいさんとして描いている。 グリンゴじいさんは、メキシコで起きた革命に飛び込み、死にに来た。 一方で生きがいを求めて国境を越え、家庭教師になろうとやってきたハリエットは、望んでもいない革命に巻き込まれてしまう。 二人の出会い、そして荒々しい別れ。愛と憎しみ、苦しみと哀しさ。 その当時だからこそ、その国だからこその悲劇。 ドラマチックなストーリーは疾風のようにやってきて、わたしの心をかき乱した。
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面白い。パタゴニアのみ。純な小説では無く、ルポルタージュやエッセイといいった趣なのに、とても小説的。アルゼンチンの人々がチャトウィンの涼やかな語りで風が大地に吹くように一人、一人と語られていく様は、読んでいて癒されました。
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パタゴニアは別で読んでいたのですが欲しくなって購入。 なので初読は老いぼれグリンゴ。 埃っぽく血なまぐさい土地、メキシコよ。
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とりあえずパタゴニアだけ読んだ 最果ての地にいきた伝説の荒くれ者の歴史をたどる旅 やっぱりアルゼンチンて憧れるなー
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「パタゴニア」部分読了。チャトウィンは細かく説明をしないので、内容がいささか掴みづらい。 パタゴニアの風土ではなく、そこで生活した人々、特にミルワード船長とブッチ・キャシディが印象に残った。
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「パタゴニア」 旅行記なのだが、ブルース・チャトウィンの思索の中を旅させられているような、彼と一緒に旅をしながらその考えをずっと聞かされているような気持ちになる。 いわゆる経路順や行った土地について書かれたものに慣れていると、そっちをきたしてしまいがちだが、こういった書き方も...
「パタゴニア」 旅行記なのだが、ブルース・チャトウィンの思索の中を旅させられているような、彼と一緒に旅をしながらその考えをずっと聞かされているような気持ちになる。 いわゆる経路順や行った土地について書かれたものに慣れていると、そっちをきたしてしまいがちだが、こういった書き方もいいではないかと、読み進める内に気持ちを許したくなる。 「老いぼれグリンコ」 日本とは違ったたくましさ。乾いているのだが薄情ではなく、強く強く押し上げてくるような濃さがある。個々の主張と生き方も、血を流すことも、性も、風土も、何もかも。この国は「もののあはれ」とは真逆の世界なのだ。
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うーん。難しくて読了できなかった。 (正確にはパタゴニアは読んだけれども、よく分からなかった) ゆとりのあるときに、1行1行読むと面白そうな。人生の深みがないと楽しめないのかも? 老後の楽しみにとっておきます。
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風速60m/s(時速約200km)の風が吹くこともあるという、風の大地パタゴニア。その過酷すぎる自然のせいか、生物相も極めて薄い土地。しかしそんな土地にも人が暮らしている。20世紀を代表する紀行文学者と言われたブルース・チャトウィンが、祖母の家で見つけた古生物の毛皮に導かれ、南...
風速60m/s(時速約200km)の風が吹くこともあるという、風の大地パタゴニア。その過酷すぎる自然のせいか、生物相も極めて薄い土地。しかしそんな土地にも人が暮らしている。20世紀を代表する紀行文学者と言われたブルース・チャトウィンが、祖母の家で見つけた古生物の毛皮に導かれ、南米の最南端パタゴニアへと旅する。 彼が訪れたパタゴニアは、まるで神話が実在しているような場所だった。毛皮の正体は体長が4mもあったという巨大なナマケモノの一種。しかもそれはまだ生きているという人々もいる。不毛の大地で暮らすために驚くような進化を遂げた不思議な生物と、わざわざこの土地で暮らすことを決めた人々の奇妙な風習。革命家や強盗たちと原住民が不思議な共存をする社会。その体験を、淡々と書き連ねる。 荒々しい自然が支配する数少ない場所として、多くの観光客が訪れるようになったパタゴニア。そこには小説でも書けないような出来事が、日々起きていることを、この本は教えてくれる。
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英紀行作家チャトウィンのデビュー作。南米パタゴニアの旅行記。 池澤夏樹氏は読書日記「ブルース・チャトウィンを紹介する」(初出:週刊文春「私の読書日記」1999年11月15日)の中で、「こうやってみるともっともっと読まれていい作家」と評しています。 http://www.impa...
英紀行作家チャトウィンのデビュー作。南米パタゴニアの旅行記。 池澤夏樹氏は読書日記「ブルース・チャトウィンを紹介する」(初出:週刊文春「私の読書日記」1999年11月15日)の中で、「こうやってみるともっともっと読まれていい作家」と評しています。 http://www.impala.jp/bookclub/html/dinfo/10118608.html チャトウィンはそのパタゴニアを南下するしていくのですが、そのきっかけとなったことが大変ユニークです。それは彼の幼少時代にさかのぼります。 祖母の家には従兄弟で船長だった人物がパタゴニアから持ち帰ったという動物の革が飾られていました。それは恐竜プロントサウルスの皮の一部と教えられ、強い興味を抱きます。 祖母が亡くなったときに、譲り受けることを密かに狙っていたのですが、ゴミといっしょにあっさりと捨てられてしまいます。結局、それは太古の恐竜のものであるわけはなく、ナマケモノの一種で、現在は絶滅種のミロドンだと分かります。 彼は、その皮が見つかった最南端の町を目指していきます。 彼は強風が吹く”風の国”で、さまざまな人たちと出会います。インディオ、入植してきた白人。そこに歴史的なエピソードと、彼の考察が挿入されていきます。 映画「明日に向かって撃て!」のブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド、進化論のダーウィン、冒険家マゼラン・・・といった世界的に有名なものから、ボクにはなじみのないものまで。 話は次々に飛んでいきます。ひとつひとつのエピソードはつながっているのか、どうかは微妙。彼は思いつきと飛躍の名人です。 それに戸惑いながらも、読み進めていくと、混沌としたパタゴニアの大地が少しだけ見えてくる気がしました。一度、読み終えると、もう一回読み直してみたくなる。
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