加藤周一戦後を語る の商品レビュー
1989~2005年の講演集。高校や大学などで若い人向けに話したものが多い。 右傾化が目立ってきた当時の日本の状況を、自分が実際に見て感じていた戦前の状況と冷静に比較し、「押しつけ憲法」という粗雑な論への批判や、軍事費をなし崩しに増やしていくことの危険性の考察などについて、ユーモ...
1989~2005年の講演集。高校や大学などで若い人向けに話したものが多い。 右傾化が目立ってきた当時の日本の状況を、自分が実際に見て感じていた戦前の状況と冷静に比較し、「押しつけ憲法」という粗雑な論への批判や、軍事費をなし崩しに増やしていくことの危険性の考察などについて、ユーモアも交えながら明晰な分析力で伝える。わかりやすいが精緻な論理で淡々と語られる主張への賛否は聴く人に委ねるという誠実な姿勢は、自分の意見に与しない人を「敵」と見なす今の政治家の薄っぺらさとは対極のもので、どの講演も本当に聞き応えのあるものだったことだろう。 加藤が危惧していたそのままの道筋で、ますます戦争が間近になってきた昨今だからこそ、特に若い人たちに読んで欲しい本だと思う。 #加藤周一戦後を語る #加藤周一 #かもがわ出版 #読書 #読書記録 #読書記録2022
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図書館で借りた。必要な所だけ抜き書きしようと思ったけど、大事な所が多すぎて断念。戦争平和その他大事な事を考える時に読み返したい、買って手元に置いておきたい本。
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100ページくらいまで読んだ。 左派の代表なのかな?戦後世代に直接の戦争責任はないが事実を学んだり後世に伝えるといった間接的な責任はある。こういった意見には納得も。 しかし儲けた日本の金の使い道は更なる儲けか「二つの贅沢」軍拡か南北格差是正しかないとの決めつけは説明不足。 もっと...
100ページくらいまで読んだ。 左派の代表なのかな?戦後世代に直接の戦争責任はないが事実を学んだり後世に伝えるといった間接的な責任はある。こういった意見には納得も。 しかし儲けた日本の金の使い道は更なる儲けか「二つの贅沢」軍拡か南北格差是正しかないとの決めつけは説明不足。 もっと感じたのは世界政府樹立が完全なる平和と論じたり南京大虐殺や支那事変を肯定的に捉えるのは日本の一部にしかなく、諸外国は事実に則して客観的に捉えていると述べる。 高坂正尭やカーを読んでいないとしか思えないのでここでやめた。 と思ったら歴史が現代を決定し、現代が歴史を決めるとの主題が出てきた。勉強したのか徹底できてないのか。 国旗、国歌問題について。 アメリカ最高裁は国旗を燃やした責任より人権を重んじ無罪を言い渡したのでそれにならい日本の教員に対しても同様の処置を行うべきだとのべた。 しかし公務員と一般人の差異、ましてや普段は生徒たちに自由など与えず強制している教員が国旗、国歌の時だけ人権侵害を声高に訴えるのには賛成できない。 27/10/10
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