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日本の殺人 の商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2018/10/09

本書270頁の半分以上は日本の殺人の統計的な整理を試みている前半部分。不謹慎かもしれないが興味深い。家族殺しが大半を占める、とか怖ろしい殺人鬼というより間抜けな人間という犯人像とか。世界でも有数の治安の良さは近年マスコミの報道によれば崩れてきているとされているがこの分析からは全く...

本書270頁の半分以上は日本の殺人の統計的な整理を試みている前半部分。不謹慎かもしれないが興味深い。家族殺しが大半を占める、とか怖ろしい殺人鬼というより間抜けな人間という犯人像とか。世界でも有数の治安の良さは近年マスコミの報道によれば崩れてきているとされているがこの分析からは全く逆の状況が浮かび上がる。警察の批判に批判的過ぎる点など気になる点はあるものの知っておいて損はない。そんな本。

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2014/10/23

大学の法学部入門で少しかじったのを思い出した!安全神話が崩れたのは犯罪が増えているのではなく、ハレとケの境界がなくなってきたことでの体感値の変化、マスコミの偏重報道など 。凶悪犯罪、特に殺人事件は減少し続けていて、先進国の中でも1/xほど。大部分が心中であったり親族による殺人。強...

大学の法学部入門で少しかじったのを思い出した!安全神話が崩れたのは犯罪が増えているのではなく、ハレとケの境界がなくなってきたことでの体感値の変化、マスコミの偏重報道など 。凶悪犯罪、特に殺人事件は減少し続けていて、先進国の中でも1/xほど。大部分が心中であったり親族による殺人。強盗や強姦は1/100ほど。世界的に見ても、犯人検挙や犯人の更生・再教育はよく出来ている。 ただ出所後の保護司さんを中心とした更正システムはこれまでうまくまわっていたけれど、後継者の欠乏やより人間関係の閉ざされた社会にあっていくことでどうなるか。。。

Posted byブクログ

2014/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全体として科学的といえる論証には概ね同意できる。ただ、どうしても違和感が残るのは裁判員制度を肯定する著者の論拠だ。「(裁判員としての)刑事裁判への参加は、人生を深く味わう機会を与えてくれるであろう」という言葉は、新制度を忌避しがちな人々への説得という部分を割り引いてもやはり本末転倒の感がぬぐえない。 さらに著者は、「安全神話崩壊」の原因を共同体のあり方に求める考え方から、「犯罪への対処として、一部の人々ががんばる一方、残りの一般市民は、何も知らずに安心してきた」現在までのあり方を根本的に変える契機として、市民参加型司法制度=裁判員制度に期待している。何万人に一人という少数の裁判員が参加することがどのように安心をもたらすのか、その辺りの説明にも曖昧なものを感じた。

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2013/01/04

様々なデータを取り上げて、日本で起こった殺人を分析した一冊。 データ分析を丁寧に行い、また、投獄中の生活や出所後の生活、また司法(量刑)にまで踏み込んだ内容である。 ただ、本書がカバーする範囲が広すぎるため、筆者の主義主張が少し見えづらくなっている部分は残念。

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2012/09/09

日本の殺人を類型的に分析。 殺人といえば最も有名な犯罪類型の一つといってよいかもしれませんが、一方で最も身近ならざる犯罪といえると思います。 映画や小説のテーマとなっていたりする殺人ですが、では、実際にどんな人が、どういう動機で、どういう人を殺しているのか、ということについて多く...

日本の殺人を類型的に分析。 殺人といえば最も有名な犯罪類型の一つといってよいかもしれませんが、一方で最も身近ならざる犯罪といえると思います。 映画や小説のテーマとなっていたりする殺人ですが、では、実際にどんな人が、どういう動機で、どういう人を殺しているのか、ということについて多くの人は皆目見当がつかないのではないでしょうか。 そんな殺人について、具体的な資料や統計をもとに分析がされていて、少しだけ現実の殺人を理解できたような気がします。 ただ資料が少ないからなのか、ところどころ独断的な推論が多いように思え、???となる場面が多かったように感じました。 本書について特徴的なのは、犯罪者の逮捕からその後について論じられていたことでしょう。 ほとんどの犯罪者は刑期を終えると一般社会に復帰するのだから、犯罪者を捕まえたその後(服役中から出所後、社会復帰まで)は刑事政策上最重要であるといってもいいかもしれません。なのに、意外と社会の関心も薄く、自分の知識理解も足りないと感じました。興味がわいたのでこの点について、類書を読んでみようと思います。

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2013/07/08

犯罪というものに対する価値観が変わった。 「累犯障害者」と同じくらい。 マスメディアで流される犯罪に関する報道・コメンテーターの発言に、頷く部分があるのなら、本書を読むべき。認識が変わるはず。 常にトレードオフの議論をしているところが素晴らしい 殺人事件は0になるのが理想かもし...

犯罪というものに対する価値観が変わった。 「累犯障害者」と同じくらい。 マスメディアで流される犯罪に関する報道・コメンテーターの発言に、頷く部分があるのなら、本書を読むべき。認識が変わるはず。 常にトレードオフの議論をしているところが素晴らしい 殺人事件は0になるのが理想かもしれないが、人が死ぬという意味で言うなら、交通事故の方がはるかに数が多い。 過剰な報道のせいで、凶悪殺人が多いように感じるが、そもそも殺人は年、800くらいで、統計的には極めて少ない。 また、800の大半は親族間で、本当に救いようのない凄惨・無差別なものは少ない。 0にしようと思ったら、相当なリソースを投入する必要がある。 0は理想だが、現実的に不可能なことを目指しても仕方がない。 本書は、こういった殺人を類型化し、発生要因・その後の処置を丁寧に解説している。流れが非常に分かりやすい。何かを論じるというのはこういうことなのだと学んだ。

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2011/09/09

タイトルに偽りない、日本の殺人について、徹底的に語り尽くされた本。 大部分は心中であったり、親族による殺人である、というのは全く知らなかった事実で、納得感もある。そして、それ以外はケンカによる突発的な殺人ということも。 そして酌量の余地がある犯罪にはそれだけ裁判で考慮されてい...

タイトルに偽りない、日本の殺人について、徹底的に語り尽くされた本。 大部分は心中であったり、親族による殺人である、というのは全く知らなかった事実で、納得感もある。そして、それ以外はケンカによる突発的な殺人ということも。 そして酌量の余地がある犯罪にはそれだけ裁判で考慮されていることや、警察の捜査の実態など。 報道から感じる死刑制度の是非や厳罰化について、別の側面が見えてくる。 安全神話が崩れたのは、犯罪が増えているのではなく、ハレとケの境界がなくなってきたことでの、体感値の変化など。 ためになったことを書いていくとキリがない、新書だが内容がとても濃厚な、とても勉強になる本だった。

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2011/09/04

2011/08/23 夏休み3冊part2 さらっと流し読みした。 日本の以上な凶悪犯罪の少なさ、検挙率の高さ、その後の更正などは 大変立派なことだと感心する。 著書はいろいろとそれぞれの事象について「Why So?」を探っていて 興味深い。 日本の教育や社会のあり方がそれを支え...

2011/08/23 夏休み3冊part2 さらっと流し読みした。 日本の以上な凶悪犯罪の少なさ、検挙率の高さ、その後の更正などは 大変立派なことだと感心する。 著書はいろいろとそれぞれの事象について「Why So?」を探っていて 興味深い。 日本の教育や社会のあり方がそれを支えている。 あまり深く読んでしまうとちょっと洗脳されそうやからやめとこう。笑

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2011/08/23

・親族同士の殺人が大半 ・刑務所の中では、殺人者は相対的に扱いやすい部類 ・出所後は、指定された保護司さん以外、全く相手にしてくれない。強烈に冷たい「世間」がある。他に全くアテがないので、出所者はそこにすがってお願いするしか無い。

Posted byブクログ

2011/02/13

都条例の会場で聞いて読んだ。犯罪は減ってるっていうのは聞いたことあったけど具体的に?と言われるとよく知らなかったので読んで よかったと思う。 殺人は家庭内の問題、もなんとなくわかる気がする。犯人の更正についてもなんだか いたたまれない気持ちになった。締めは裁判員の話だったけと相応...

都条例の会場で聞いて読んだ。犯罪は減ってるっていうのは聞いたことあったけど具体的に?と言われるとよく知らなかったので読んで よかったと思う。 殺人は家庭内の問題、もなんとなくわかる気がする。犯人の更正についてもなんだか いたたまれない気持ちになった。締めは裁判員の話だったけと相応だなぁ。

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