それからの三国志 の商品レビュー
おおよそ知っている内容ではあるが、特に蜀の滅亡については興奮をしながら読むことができた。自分が姜維好きというのも相まってぐいぐい引き込まれました。とても残念なのは呉の滅亡について記載が少ないこと。264年から一気に280年に飛んでしまった感じ。
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四半世紀ぶりに吉川英治版三国志を再読した。 その後すぐに読んだ本。 孔明亡き後の蜀を率いた姜維を主軸に据えた三国の興亡史。 前半部は魏を建国した曹氏から皇位を簒奪した司馬一族が晋を建国する過程が詳しい。もともと曹操からして漢を滅ぼし、玉璽を奪ったわけだから因果が巡っただけ...
四半世紀ぶりに吉川英治版三国志を再読した。 その後すぐに読んだ本。 孔明亡き後の蜀を率いた姜維を主軸に据えた三国の興亡史。 前半部は魏を建国した曹氏から皇位を簒奪した司馬一族が晋を建国する過程が詳しい。もともと曹操からして漢を滅ぼし、玉璽を奪ったわけだから因果が巡っただけとも言えるが、何世代にも渡ってじわじわと追い込んでいくところが狡猾だ。本邦に例を求めれば、差し詰め曹操は信長で仲達と息子達は家康と言った感じがする。 魏は巨大だ。それに比べ蜀はあまりに小さい。ただ天然の要害があるため守るに適しているに過ぎない。孔明の遺訓が国全体に普く及び、天子劉禅も従っているうちは良かったが、姜維の北伐が度重なるにつれ、曲学阿世の輩が国土にも宮廷内にもはびこり出す。 先帝の遺訓を胸に生涯を魏との戦いに捧げた孔明、そして孔明亡き後その使命を継承した姜維。しかし暗愚の帝はいつしか平穏であることが間断なき戦いの成果であることを忘れ平和ボケし、宦官にそそのかされ姜維が要らぬ騒動を起こしていると考えるようになる。 そしてついに魏との最後の戦いにおいて劉禅はあっさり降伏。まだまだ余力十分の姜維の軍を砦の外に残したままでだ。自分には鳥羽伏見での慶喜にその姿が重なった。姜維はその後、魏の鍾会を丸め込み、なんとか蜀の再興をはかったがついに叶わず、殺されてしまった。さぞ無念だっただろう。 姜維は何度か魏を追い込むところまで行っているのに、劉禅の愚かな勅命で撤兵せざるを得ない事態に陥った。孔明もこの勅命に何度も煮え湯を飲まされている。 いくら軍師が優秀で、いくら兵士が勇敢でも、頭である帝が阿呆ならどうにもならない。劉禅が利口だったら蜀が生き残ったかと言われればよくわからないが、わずか30年で滅亡することはなかっただろうと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ブックカヴァーにある通り内容は「孔明の死後、三国が統一されるまでの30年間を書き上げた三国志終焉物語」。 著者は一般の三国志ファンで、本作の原型・「三國末史物語」を1974年に自費出版しています。 孔明死後を扱った一般書籍が少ない中で、史書などから伝わる多くのエピソードを盛り込んでいる点、三国末期にも魅力的な人物が多数いることを教えてくれる点から、ビギナー向けの末期入門編としては丁度良い1冊だと思います。 私はこの本で陳泰、傅僉、夏侯玄といった人物に興味を持ちました。 ただ、特に中盤以降で顕著となりますが、小説というよりも評論のようになっている部分が多々有るため、「小説を読みたい」読者にはおススメできません。(そういう方にはまずは「孔明の聖像」をおススメします)
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筆者と同じように孔明死後のことに関心があったので表題をみてすぐ購入。なじみの薄い名前にもちょくちょくルビが貼ってあり読みやすかったです。 物語的にもわりと詳しく◎ 巻末の言葉で初めて知ったのが、筆者は素人で最初の発刊は自費出版?
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「三国志」ものはいくつか読んだことがありますが、孔明没後の話は余り見かけないです。 そんな孔明が五丈原に散ってから始まるのが珍しいです。 孔明没後は灰汁が強く面白い人物が無く、物語も後日譚的になってしまいますが、この頃の文化、社会、思想の変遷などが解りやすく書いてあるため、現代日...
「三国志」ものはいくつか読んだことがありますが、孔明没後の話は余り見かけないです。 そんな孔明が五丈原に散ってから始まるのが珍しいです。 孔明没後は灰汁が強く面白い人物が無く、物語も後日譚的になってしまいますが、この頃の文化、社会、思想の変遷などが解りやすく書いてあるため、現代日本の感覚で読むと突飛で理解に苦しむ部分もすんなり読むことが出来、面白かったです。
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読んだ。 それからの三国志。 諸葛亮孔明没後がスタート。 演義等の三国志ものは、こっから先が流される傾向 晋建立までの隙間を埋める物語。 読みたい部分は網羅しています。 末期の末期がどういう流れで晋に移行していったのか これが知りたかった。 まぁ姜維伯約奮闘記です。 ここは...
読んだ。 それからの三国志。 諸葛亮孔明没後がスタート。 演義等の三国志ものは、こっから先が流される傾向 晋建立までの隙間を埋める物語。 読みたい部分は網羅しています。 末期の末期がどういう流れで晋に移行していったのか これが知りたかった。 まぁ姜維伯約奮闘記です。 ここはどうしても致し方ないところです。 姜維のほかに、鍾会、鄧艾、夏侯覇、司馬懿、司馬師、司馬昭、そして司馬炎の三国志末期の英雄たちのお話になってます。 ですが、呉は内容がぱっとしません。防御と内政の国ですからね。廃れいく国をなんとかしようという英雄は現れませんでしたね。いっそのこと呉のことはそっとしておいてあげましょう。 ※ちなみに孫皓が最後の呉帝です。 そうすると気になるのが『西晋書 司馬炎』という本。 札幌の図書館には無いようなので自力で探しますが、それはおいおいのこととさせて頂きます。
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友人S氏に勧められて。 吉川英治(でも誰でも)「三国志」を読んだことのある人なら、きっと諸葛孔明亡き後の蜀、魏そして呉がどうなったか知りたいでしょ? 著者の内田重久さんは、会社勤めをしながら40歳でこの本の土台を自費出版された方。おもしろいだけでなく、広範な文献にあたり研究された...
友人S氏に勧められて。 吉川英治(でも誰でも)「三国志」を読んだことのある人なら、きっと諸葛孔明亡き後の蜀、魏そして呉がどうなったか知りたいでしょ? 著者の内田重久さんは、会社勤めをしながら40歳でこの本の土台を自費出版された方。おもしろいだけでなく、広範な文献にあたり研究された成果が盛り込んであり、ついつい先を読みたくなります。 蜀の大将軍羌維(きょうい)が主人公と言えるのでしょうが、魏の将軍鄧
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諸葛孔明死後の三国が統一されるまでの30年間を描いた作品。 とにかく情報量が凄いです。 登場人物はさることながら、当時の思想や文化や女性史、周辺民族についてなどといった時代背景なども説明されています。 どれも知らないことばかりだったので非常に勉強になりました。 歴史の転換期で様々...
諸葛孔明死後の三国が統一されるまでの30年間を描いた作品。 とにかく情報量が凄いです。 登場人物はさることながら、当時の思想や文化や女性史、周辺民族についてなどといった時代背景なども説明されています。 どれも知らないことばかりだったので非常に勉強になりました。 歴史の転換期で様々な思想・行動様式・価値尺度を持った人物が登場する、故に三国時代の人物達に魅力を覚えるのかもしれないと思いました。 山場は他の方も言っている通り、姜維・鄧艾・鍾会の思惑が交錯し、破滅への道を一気に転がり落ちていく成都大騒擾の場面。 漢朝復興を信じ、ひたすら戦いづけた姜維の死を持って、実質三国時代は幕を閉じたのではないかと感じました。
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本書は孔明死後、三国が統一されるまでの30年間を描いた歴史小説である。 三國志といえば、個人的には桃園の誓いから劉備の死までがハイライトだと思う。百歩譲っても五丈原までであろう。 本書は三國志が終焉するまでを描いているが、これがなかなか面白い。読んでいたらゲームをやりたく...
本書は孔明死後、三国が統一されるまでの30年間を描いた歴史小説である。 三國志といえば、個人的には桃園の誓いから劉備の死までがハイライトだと思う。百歩譲っても五丈原までであろう。 本書は三國志が終焉するまでを描いているが、これがなかなか面白い。読んでいたらゲームをやりたくなってしまいました。
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横山光輝の「三国志」などでは大幅に省略されてしまう、孔明が五丈原で死去してから三国時代が終わるまでのストーリー。恐らく多くの読者が最も関心を寄せている姜維の最後の抵抗の部分に至るまでに、司馬一族が魏を廃して晋を建国する経緯や当時の社会の状況なども細かく記述、考察されている。これら...
横山光輝の「三国志」などでは大幅に省略されてしまう、孔明が五丈原で死去してから三国時代が終わるまでのストーリー。恐らく多くの読者が最も関心を寄せている姜維の最後の抵抗の部分に至るまでに、司馬一族が魏を廃して晋を建国する経緯や当時の社会の状況なども細かく記述、考察されている。これらに興味が無い人には長く感じるかも知れない。しかし、そうであっても三国志ファンなら読む価値あり。期待のラストは、武将の意地と謀略の交錯する、本編(←孔明死去以前)に劣らないくらい劇的な展開が待っている。
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