世界は村上春樹をどう読むか の商品レビュー
タイトルの通り。 様々な国の村上春樹本の翻訳者が集い、村上ワールドの訳し方や その世界感を語り合ったフォーラムを書籍化したもの。 とても読みやすく興味深く読めました。 国によってさまざまなブックカバーデザインも 紹介されています。 ビジュアル的にも楽しめます。 文庫で、ささっ...
タイトルの通り。 様々な国の村上春樹本の翻訳者が集い、村上ワールドの訳し方や その世界感を語り合ったフォーラムを書籍化したもの。 とても読みやすく興味深く読めました。 国によってさまざまなブックカバーデザインも 紹介されています。 ビジュアル的にも楽しめます。 文庫で、ささっと短時間に読めました。
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とても面白く読めました。変に批評するだけじゃないのがさすがシンポジウムといった感じ。翻訳家の方々が自分の国の事情も含めて世界の中での村上春樹の存在とその行方を語ってました。『村上文学』という言葉がでるあたりもう現代の日本人作家とかけ離れたところにいるのだなあと実感。それでも全くブ...
とても面白く読めました。変に批評するだけじゃないのがさすがシンポジウムといった感じ。翻訳家の方々が自分の国の事情も含めて世界の中での村上春樹の存在とその行方を語ってました。『村上文学』という言葉がでるあたりもう現代の日本人作家とかけ離れたところにいるのだなあと実感。それでも全くブレない春樹の姿勢がすきです。 注目してしまうのは香港、韓国、中国等のアジア圏の翻訳家の方々の発言。とても興味深いです。あと目についたのはやたら三島由紀夫、谷崎潤一郎、川端康成の名前がでてくるところ。海外での高評価は知ってたけれど外国での日本文学ってこの人たちなんだなあと改めて実感。
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世界各国で翻訳されている魅力についてと各国の時代背景を説明。 どこの国でも、なぜこんなにも自分の事について書かれているのかと錯覚される ような作品について翻訳家の方々が語っています
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今朝、3年前刊行の単行本が文庫化されて書店の平台に積んであったので、この機会を逃すと、このような本、一生読まないのではと思ったので購入読破。 現代日本の誇る最高の翻訳者・外国文学者である3人の評者、アメリカ文学者の柴田元幸と、ロシア・ポーランド文学者の沼野充義と、中国文学者の藤...
今朝、3年前刊行の単行本が文庫化されて書店の平台に積んであったので、この機会を逃すと、このような本、一生読まないのではと思ったので購入読破。 現代日本の誇る最高の翻訳者・外国文学者である3人の評者、アメリカ文学者の柴田元幸と、ロシア・ポーランド文学者の沼野充義と、中国文学者の藤井省三に、現代日本で最も尖鋭な映画・漫画・文学研究者の四方田犬彦を入れた4人が、地球上を席捲するハルキ現象の謎を解明する希代の一書です。 ハルキは世界中40カ国で翻訳されているというから、驚くというより、よくもまあ、という感じで、ノーベル賞エコノミック・アニマルとでも名付けたい気持ちです。 ただ黙っていて、読みたいから翻訳させて下さいといって広まったのではけっしてなく、新潮社はじめ本人の意向を肩にしょったバイヤーたちが、ハルキ・プロジェクトを実行、悪戦苦闘して売り込みに行った成果であることは、それはそれで立派ですね。 彼の一貫したテーマである、他者を理解することの絶望的なまでの不可能性というものが、世界中で理解され共感を得ているなどということが金輪際あり得ないことを、もっと強調する必要があるのではないかとは思いますが、さすが良識的な面々、いまひとつ突っ込んだ言及がありません。 ふうん、『羊をめぐる冒険』を読んで、モンゴルの読者は、これを真に理解できるのは自分たちだけだと言ったそうですが、そうか、羊はお手の物ですものね。 ところで、我が四方田犬彦が本当にハルキ礼賛をするのかとドキドキしていましたが、きわめて冷徹まことに客観的な言説に終始しているので安堵しました。 そして、しかも、「グローバリゼーションのなかで」というシンポジウムで、素朴な問い(!)として、どうしてハルキはアラビア語やウルドウー語訳が出ていないのか。これは言語をめぐる政治の問題ではないか。世界がハルキを読むのは結構だが、その場合の世界とは何なのか。端的に言って勝ち組の国や言語だけではないのか。ここで排除されているものは何なのか、誰なのか。 ・・・という鋭い指摘をしています。 それから、打ち上げの時にある女性翻訳者とたまたま二人っきりになった折に、彼女から、あなたは本当はハルキを全然好きでも何でもないんじゃない?、と聞かれて、黙ったままでいると、大丈夫、他の人には黙っててあげるから、と言われたそうです。 さり気なく小さなエピソードとして挿入してありますが、案外本音であり、このシンポジウム自体も、ネッシーの正体を暴く、みたいな感じで参加しているに違いないと思ったりしています。 この感想へのコメント 1.ペネロペイア (2009/06/12) お邪魔します。大変興味深い感想です。 私は、村上春樹の短篇などいいと感じる小説がないことはないのですが、違和感を感じることが多いです。例えば、「ノーベル賞狙い」。「海辺のカフカ」で、ノーベル賞作家がその前にとることが多い「カフカ賞」受賞とか。 私は、村上春樹は、ノーベル賞にはふさわしくないと思う。村上春樹のいいところはむしろノーベル賞とは遠いところにある点という感じがします。 2.薔薇★魑魅魍魎 (2009/06/27) 最も相応しく、かつ優れているのは『THE SCRAP・・懐かしの一九八〇年代』とか『村上朝日堂の逆襲』などのエッセイストとしての資質にあると思います。物事の羅列とそれなりの気の利いた感想、これこそ村上文学の本質であり彼がアメリカ文学から学んだ魔法のエッセンスで、このトリックに何千万人の読者が術中に陥ったことでしょうか。 3.ペネロペイア (2009/07/13) 「アメリカ文学から学んだ魔法のエッセンス」の「トリック」とは本当にその通りだと思います。この前のコメントではなんだか熱くなってノーベル賞がどうのこうのと書いてしまいましたが、私は別にノーベル賞至上主義者でもないので誰がとってもいいと今は思っています。それにしても、「村上春樹の文はすばらしい」と言う人が多いけど、本当にそうなんでしょうか。私にはそうは思えないです。
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柴田さんのでなければ読む気にはならなかったと思います(というかこれ以外のハルキ研究本なるものを読んだことはないです)。 p.341の林少華さんの考察?には同感しました。
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