秀吉の枷(下) の商品レビュー
秀吉は天下を取ってから一見華々しく見えるが、血縁者がいないことや周りからの策謀のより結果的に血縁者を減らし、滅亡していく孤独な様が描かれている。 内容が史実かどうかは別にして筋が通っており面白く読めた。
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淀君(茶々)とのご性交辺りから下り坂となる太閤記。軽蔑していた信長と同じ殺戮をしてしまうのは権力者の常なのか…。秀吉が英雄なのは確かだろうが抜け穴からの疑心暗鬼から始まり臨終の床で味わう生き地獄は悲惨というか哀愁というか、死に時と死に方を誤ったとしか見えない。 山の民という誇りと...
淀君(茶々)とのご性交辺りから下り坂となる太閤記。軽蔑していた信長と同じ殺戮をしてしまうのは権力者の常なのか…。秀吉が英雄なのは確かだろうが抜け穴からの疑心暗鬼から始まり臨終の床で味わう生き地獄は悲惨というか哀愁というか、死に時と死に方を誤ったとしか見えない。 山の民という誇りと自らを道化に見せてまでも先を見据えて自制する事ができた秀吉だが養子の件で選択を見誤った感が強い。 淀君懐妊については山田風太郎先生の『妖説太閤記』もあるが本作の淀君はより悪女に見える。秀次一族誅殺は面白い解釈だった。 家康については信康実子でない説が本当だとしても冷酷。秀吉を健康面からも抜け抜けと追い詰めるのも嫌な奴ぶりが出ていて良い。秀吉が死の目前でで家康の手を掴んで離さない執念が不気味と哀愁が入り混じっていた。
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山の民で藤原氏の血を引く(と、本人が勝手に信じているだけ?)秀吉…帝を敬い、血にこだわる彼が抱える苦悩と枷。太閤まで昇り詰め、変わってしまった秀吉に対する旧臣達の想い。正室側室達とのしがらみ、そして裏切り…大いなる成功を得た秀吉ならではの苦悩が、この話の面白いところかなー?と思い...
山の民で藤原氏の血を引く(と、本人が勝手に信じているだけ?)秀吉…帝を敬い、血にこだわる彼が抱える苦悩と枷。太閤まで昇り詰め、変わってしまった秀吉に対する旧臣達の想い。正室側室達とのしがらみ、そして裏切り…大いなる成功を得た秀吉ならではの苦悩が、この話の面白いところかなー?と思います
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下巻は特に、事実の羅列とそこから類推できる最もらしい創作の箇所が多かった 会話が少ないせいか 茶々に関する推理は、まぁそうなんだろうなぁといったところ 秀吉の晩年は読むのが苦しい
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秀吉の栄華と盛衰を分かりやすく書いていて、秀吉嫌いだったけどこの小説で信長殺しの罪に苛まれ信長の姪に豊臣家を滅ぼされてしまった秀吉を可哀想と思えるような書き方で、ずっと読めずにいたけどもっと早く読んでいれば良かった。
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天下人・秀吉の命運は【茶々(信長の姪)】の懐妊により下降線を辿るようになる。秀吉の跡継ぎとして豊臣の血脈を継ぐはずだった【鶴松】の病死、明国征伐と朝鮮派遣軍の大敗の中で、第二子懐妊の知らせを受けるに及び、出生疑惑に翻弄される秀吉の心中は、本能寺の井戸の底深い闇を映し出すかのようだ...
天下人・秀吉の命運は【茶々(信長の姪)】の懐妊により下降線を辿るようになる。秀吉の跡継ぎとして豊臣の血脈を継ぐはずだった【鶴松】の病死、明国征伐と朝鮮派遣軍の大敗の中で、第二子懐妊の知らせを受けるに及び、出生疑惑に翻弄される秀吉の心中は、本能寺の井戸の底深い闇を映し出すかのようだ。謀略によって掌握した秀吉の天下は、六十二歳の生涯をもって〝夢のまた夢〟として、苦悶のうちに閉じられた。
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私はあまり歴史に詳しくないので、これがミステリーなのかどうかがよくわからなかった。秀頼が、秀吉の子ではないというのは世間一般の通説なのか、作者が初めて言い出したのかそれもよくわからないので、ミステリーというよりは秀吉一代記として読んだ。
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まるで晩年の光源氏(源氏物語)を見ているかのよう。淀殿不倫説(大野治長、石田三成。本書が採用する名古屋山三郎)を採用する小説は多々あるが、それを秀次謀殺まで結びつけたのは、なかなか面白い着眼点。この点は、史実から離れ、子供のない独裁者が如何にふるまい、如何に心を病んでいったかを抉り出す小説の読破として、なかなか楽しい時間を過ごせた。しかも、辞世の句「なにはのことも夢のまた夢」の意味付けも上手い。そして、秀次謀殺を裏で糸引きしていたのを朝廷、殊に近衛前久としたのはさもありなんというところで、面白いなぁと。 著者に関しては、通説とは異質と目される史実を謎解きしようとした「謎手本忠臣蔵」が、小説としては余りにも面白くなかった。むしろ、老醜と悲哀と独裁者の孤独という人間を描いた本作の方が圧倒的に面白く、このような作品をもっと紡いだらなぁとの感を強く持った。
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肩すかし! っと言う表現が一番しっくりします。 信長の遺体は?光秀はどうなった? 家康も上巻では黒幕的な存在で、 「おっ、こいつが操るかぁっ」 とか勝手に想像して、悦に入っていたのですが、 結果は期待外れ。 ただ、秀次粛清・淀の方のこと・ミソサザイは面白い発想だなと...
肩すかし! っと言う表現が一番しっくりします。 信長の遺体は?光秀はどうなった? 家康も上巻では黒幕的な存在で、 「おっ、こいつが操るかぁっ」 とか勝手に想像して、悦に入っていたのですが、 結果は期待外れ。 ただ、秀次粛清・淀の方のこと・ミソサザイは面白い発想だなと 感心しました。 尻切れトンボ感が何故か悔しいので、「明智左馬之助の恋」も いつか読みます。
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秀次を死に追いやった裏には茶々の陰謀あり。秀頼は懐妊時期を遡ると秀吉の子足り得ないという話。最後は信長様ごめんなさい的な死に方で悲しさを煽っていましたが、ざまぁみろとしか僕には思えんかった。やはり秀吉は好かん。
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