念写探偵 加賀美鏡介 の商品レビュー
老舗カメラ店店主・加賀美鏡介は、モノに込められた念を写す能力を隠し持つ異能の変人。 その彼に顧客殺害容疑が? 友人と共に真相を追うが、被害者の茶碗から秀吉が念写され、彼の興味は千利休ミステリの謎解きへと移り…。
Posted by
殺人事件プラス歴史ミステリ。歴史ミステリの方は千利休。最近読んだアンソロジーの短編とちょこっとリンクしてた。
Posted by
“だから、はじめは百目鬼も信じなかった。とても信じられなかった。 そのときの会話は、いまでも、はっきり覚えている。 「加賀美、これ、多重露出ってやるじゃないのか」 「ちがう」 「上手に撮れているなあ」 「怒っていいか」 怒鳴ったわけではない。いつもと同じ静かな口調だった。加賀美の...
“だから、はじめは百目鬼も信じなかった。とても信じられなかった。 そのときの会話は、いまでも、はっきり覚えている。 「加賀美、これ、多重露出ってやるじゃないのか」 「ちがう」 「上手に撮れているなあ」 「怒っていいか」 怒鳴ったわけではない。いつもと同じ静かな口調だった。加賀美の目は、嘘をついている目ではなかった。 頭では「念写などありえない」と思っていたが、そのとき、友人加賀美を信じる、と心に決めたのだ。 気がつくと、ソファーのそばに奈緒美が立っていた。口を尖らせている。 「加賀美さん、どうして、そんなすごいことができるって、教えてくれなかったんですか?」 加賀美は寝ころんだまま、頭をポリポリ掻いている。 奈緒美がくりかえす。 「どうして教えてくれなかったんですかあ?」 「教えるのはいいけど、念写を信じる?」 「信じます」 奈緒美が断言した。 「加賀美さんなら、信じます」 「そうか。――これまで、たまたま教える機会がなかっただけだよ」” 推理小説家の百目鬼仁。 いつも黒づくめの出で立ちな老舗カメラ屋店主加賀美鏡介。 カメラ屋バイトのゴスロリ大学生設楽奈緒美。 この三人が主なメンバ。 結構楽しかった。言葉のやり取りとか。 あと、すごく読みやすかった。 ただ、歴史は苦手だ……。 “加賀美が吐き捨てるように言った。 「まったく迷惑な話だ。――百目鬼、おまえ、推理作家だろ。推理してみろよ」 「推理作家であることと関係あるか?」 「関係……あるだろ」 「口の減らない男だな」 「口はひとつしかない」 そこでまた奈緒美が噴き出した。 「四十近い男が、子供みたいな喧嘩やめてくださいよー」 「三十半ばだ!」 加賀美と百目鬼は同時に抗議した。 「だから子供みたいって言うんです」 さすがに否定はできなかった。”
Posted by
お気に入りの楠木さんの久々の大人ミステリ。 やはり歴史の知識が盛り沢山で、大変勉強になります! ただ、秋葉探偵がTRICKとかぶって仕方がなかった…。いやん。
Posted by
- 1