海の都の物語(3) の商品レビュー
3巻は同じ海洋国家だったピサ、アマルフィ、ジェノヴァについて、その中でも特にライバルだったジェノヴァについてはかなりのページを使って書いている。後半はヴェネツィアの女性について。両方を通して徹底的にヴェネツィアは現実主義だったことが分かる。奉仕する騎士がその最たるもの。こんなこと...
3巻は同じ海洋国家だったピサ、アマルフィ、ジェノヴァについて、その中でも特にライバルだったジェノヴァについてはかなりのページを使って書いている。後半はヴェネツィアの女性について。両方を通して徹底的にヴェネツィアは現実主義だったことが分かる。奉仕する騎士がその最たるもの。こんなことを思いつくこの国はすごいし、そこをもらさず取り上げた著者もすごいと思う。[2009/07/20]
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塩野 七生のローマ人の物語が好きだったので、購入したのですが、とくに英雄などでないため、最初は退屈でしたが、ドンドンと引き込まれていきました。 資源の乏しさ、アンチ・ヒローの国家、宗教からの独立性など千年続いた国家という点など、日本とは抱える構造が似ているため、ベネチアの歴史か...
塩野 七生のローマ人の物語が好きだったので、購入したのですが、とくに英雄などでないため、最初は退屈でしたが、ドンドンと引き込まれていきました。 資源の乏しさ、アンチ・ヒローの国家、宗教からの独立性など千年続いた国家という点など、日本とは抱える構造が似ているため、ベネチアの歴史からは、いろいろと学ぶところが多いです。 英雄による帝国は、英雄の死と共に老化していきますし、システムだけに依存した国家は、個人の勢いで負けてしまうところもあります。 その両方のバランスを考えていた国家だとしても、最終的にナポレオンに滅ぼされてしまうところなど感慨深いです。 おすすめです。
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