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日本は「掃き溜めの鶴」になる の商品レビュー

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2012/05/07

昨年(2008)9月頃から始まった突然の不況は最近になってようやく復活の兆しが見えてきたような気がします。昨年末の閉塞感が漂っていたときに日本の底力の強さを強調していた識者の一人が長谷川氏だったと思います。彼の論調は一貫して、今後はデフレが主流でインフレにはならない、日本は(限ら...

昨年(2008)9月頃から始まった突然の不況は最近になってようやく復活の兆しが見えてきたような気がします。昨年末の閉塞感が漂っていたときに日本の底力の強さを強調していた識者の一人が長谷川氏だったと思います。彼の論調は一貫して、今後はデフレが主流でインフレにはならない、日本は(限られた企業と思いますが)繁栄するという考え方はいつも気になっていました。 デフレという世界は我々にとってどのような影響をもたらすのでしょうか、19世紀におきた1回目のデフレ経験と同様な現象が起きるのでしょうか。未来をイメージするためにこの本に書かれている内容を参考にしてみたいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・米国の一極支配体制を支える三本柱は、軍事力・経済力(米国を中軸として展開していく世界経済)・政治力、である(p24) ・米国軍と一緒に行動できない理由は、軍事技術、装備の性能に大きな「格差」が存在するから、米軍と正面から対抗して勝利できる軍隊はない(p35) ・リーマンショック後に、ドル高た全世界すべての為替市場で発生したのは事実、唯一の例外が日本であり、円高となった(p38) ・国際貿易では90日決済であるから、年間13兆ドルの貿易決済には4分の1(3兆5000億ドル)の短期資金が必要であり、それができるのはドルのみ(p39) ・中国の経済活動を象徴するGDPのうち、輸出業務は40%を占めている、中国商品を輸入してくれる市場は米国にしかない(p41) ・オバマ新政権においては、3名の閣僚を除く、殆ど全ての閣僚が 就任式の当日までに上院の承認を得たのは凄いこと、ブッシュ2期目でも2ヶ月必要であった(p45) ・19世紀に、じつは24年間(1873~1896年)にわたる大幅な「価格下落」という時代があった、その時にあらゆる工業製品、農作物の物価が50%以下に下落した、今回はその2回目である(p52) ・鋼材の価格が半値になったことで、きわめて新しい膨大な市場が誕生した、建築業における鉄骨鉄筋コンクリートという技法である(p61) ・人間の平均寿命は産業革命とともに大きく変化、戸籍制度が完備していた英国のデータによれば、19世紀初頭の英国の平均寿命は男女ともども30歳代前半であった(p73) ・デフレの時代に、人権という新しい概念が本格的に導入された、これにより今日我々が享受している社会福祉制度(失業保険、労災保険、健康保険、老年年金等)の原型がすべて導入された(p75) ・19世紀のヨーロッパは、通貨に含まれている金の量によって交換比率が自動的に算定されるので、きわめて安定したシステムが成立していた、例として、ワルシャワから持参したルーブル金貨をそのままフランスで使うことができた(p81) ・近代になって起きた国家総力戦は、第一次・第二次・冷戦ともに、敗戦国では革命がおきた、敗戦によって国民生活の破綻が起きたから(p91) ・日本の平均寿命は、1945年は男性:23.9歳であり、1936年の47.7歳と比較して半分、女性も51.7歳から37.5歳となっている、敗戦国では平均寿命は短くなる(p105) ・1973年の日本の原油輸入量は2.88億キロリットルであり、今までの最高記録であり今も更新されていない、その決済に必要な資金は日本の輸入全体の40%超であった(p117) ・2009年5月にはオバマ政権のうちだす2750億ドル(8250億ドル中の最大)の減税により、連邦政府小切手が郵送されるが、それはウォルマート等に吸収される、10%増しのクーポンを提供するため(p129) ・日本が再軍備に乗り出したときに、戦前の徴兵制から「志願兵制」にしたのは、大事なことである(p155) ・昭和憲法により「制度上の格差」がなくなる前は、企業においては厳然たる「工職格差」があった、欧州ではまだ存在している(p159、168) ・日本を除く世界のあらゆる先進諸国の経営者は、無限責任を追うことは無い、日本では上場している企業の会社社長は現在でも無限責任の署名捺印をしている、これが日本の強いシステムの根幹である(p176) ・米国にはそのような制度はないので、労働者組合側(UAW等)は、会社が経営破綻してもそれは止むを得ないと考える(p177) ・米国では現在2.2億台を超える乗用車が走っている、耐用年数20年としても、年間1100万台の新車需要が必要である(p195) ・日本は1982年以来、工作機械の世界市場占有率は世界一である、1982年は12%であったが2005年には27%、市場はその間に4倍になっている(p203)

Posted byブクログ

2011/02/26

“2010/2/12  情報量なし ちょっと酷いな 2010/4/19  読んだ印象が無く、また読んじゃ​ったよ”

Posted byブクログ