火の鳥(朝日新聞出版)(3) の商品レビュー
「火の鳥」は、生命とは何かというテーマを追求していくシリーズであると同時に、さまざまな恋人たちの愛のかたちを描いたラブストーリーでもある。どの話にも魅力的なカップルが描かれるが、ヤマト編のオグナ、カジカの2人も大好きな2人である。ツンデレのカジカは手塚ヒロインの中でもっと評価され...
「火の鳥」は、生命とは何かというテーマを追求していくシリーズであると同時に、さまざまな恋人たちの愛のかたちを描いたラブストーリーでもある。どの話にも魅力的なカップルが描かれるが、ヤマト編のオグナ、カジカの2人も大好きな2人である。ツンデレのカジカは手塚ヒロインの中でもっと評価されてもいいキャラだと思うがあまり彼女推しという声をきかない。実は隠れファンが多かったりして。。ヤマト編は火の鳥の中でも割合ギャグティストの強い作品で長さも短いが、コンパクトながらテーマもストーリーも完璧。さすが手塚治虫。宇宙編は殺人事件のからむミステリー仕立ての中編で、大型宇宙船から一人乗りの脱出艇で脱出した4人の登場人物たちが、4機の脱出艇に乗りながら通信で会話をするところを同時並行して描く表現手法が素晴らしい。圧倒的な絶望感を味わわさせてくれるSF感あふれるラストも素晴らしい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヤマト編 奈良県飛鳥村の石舞台古墳から始まるヤマトとクマソの物語。古事記編集とか。 人間は死なないことがしあわせではないぞ。生きているあいだに…自分の生きがいを見つけることがだいじなんじゃ。 宇宙編 フレミル人に扮した火の鳥登場。牧村の謎、ミステリーSF感が面白い。流刑星。囚人が植物にメタモルフォーゼする世界。
Posted by
未来編、宇宙編、ヤマト編。半世紀前に書かれたものと考えると、考察の深さなど、目を見張るものがあるんだろうと思う。”思う”ってのは、リアルタイムな読書体験をしている訳じゃないから、所詮分からんってこと。きっと、当時は凄く斬新だったのであろうことは認めつつ、やっぱり自分は、今の時代に...
未来編、宇宙編、ヤマト編。半世紀前に書かれたものと考えると、考察の深さなど、目を見張るものがあるんだろうと思う。”思う”ってのは、リアルタイムな読書体験をしている訳じゃないから、所詮分からんってこと。きっと、当時は凄く斬新だったのであろうことは認めつつ、やっぱり自分は、今の時代に描かれている作品を読みたいです。
Posted by
手塚治虫の独特の世界観とストーリー構成が巧みに展開して、懐かしさと共に全てを読み返してみたいと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【ヤマト編】 ヤマトオグナがクマソの人となるか、ヤマト人としての役割を貫くべきか悩んで火の鳥に問いかけた時、火の鳥はヤマトに帰るよう示唆します。 ここでもし火の鳥が、クマソの人となるように答えていたら、ヤマトオグナはカジカと結婚してクマソの人々と幸せに暮らしましためでたしめでたし……となって良かったのに。 しかしそれでは話としての広がりが出ないですね。 結局ヤマトオグナはヤマトの王子としての使命を果たすのですが、それはクマソの人々にとって不幸なことでした。 クマソの国の人々は火の鳥はクマソの守り神だと思っていたのに、ひどい裏切りです。 火の鳥はクマソの王や国民を守ってくれず、川上タケルをだまし討ちした侵略者を守っているのですから。 火の鳥に助けられてヤマトに戻ったヤマトオグナは殉死の風習をやめさせ、後の世の多くの人の命を救うことになります。 宇宙生命体コスモゾーンの火の鳥にしてみれば、ヤマトだとかクマソだとかいう小さな国の観点ではなく、より大きな視点から人命を尊重するという観点から見ているということなのでしょうか。 【宇宙編】 宇宙船や名もなき惑星を舞台とした密室ミステリーの様相を呈しています。 コマ割りが工夫されています。 モテる男はどんなひどい過去が判明してもモテる運命です。 モテない男はどんなに愛していても振られる運命を持っています。 やはり人は見かけと若さが一番なんでしょうか。 見かけが悪かったり一方的な片思いはどうしても受け入れられないという運命なんでしょうか。 生命がテーマのようですが、どうしてもモテ・非モテという形而下の観点から見てしまいます。 どなたか本作品をモテ・非モテの観点から解説して頂けないでしょうか。 そして猿田さんは地球に帰還後、めでたく子孫を残すことができたのでしょうか。 (そうでなければ未来編につながらない) https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/03/15/210031
Posted by
【読間】 『ヤマト編』 ……「火の鳥」は、高校時代に読んだq高校時代に文庫版で読んだのが唯一の記憶。 全巻読んだのだったか?途中までだったか?は、不明。1~2冊だけではなく、少なくとも4~5冊は読んだはずだけれど……中身の記憶はほぼ無い、という感じ。 ここ数日で「黎明編」と...
【読間】 『ヤマト編』 ……「火の鳥」は、高校時代に読んだq高校時代に文庫版で読んだのが唯一の記憶。 全巻読んだのだったか?途中までだったか?は、不明。1~2冊だけではなく、少なくとも4~5冊は読んだはずだけれど……中身の記憶はほぼ無い、という感じ。 ここ数日で「黎明編」と「未来編」を約20振りに読み返して、“ああ、たしかにこんなハナシだったな”と・・・。 さて、『ヤマト編』 。王墓の人柱にされた者達が何ヵ月にも渡ってうたい続け……そして最後の一人が力尽きる・・・そのラストシーンだけは、強く心に残った記憶のままだった。 【宇宙編】 ……おそらく初読のはず。斬新なコマ割りが読みにくくて、途中で投げ出した記憶が(笑)。 ……今読むと、斬新で、かつ臨場感のある優れた演出だとは感じたけれど。 今作からは、残念ながら崇高なテーマ性を感じることは出来なかった。牧村のキャラ設定が不明瞭だし齟齬があるし・・・。 ★3つ、7ポイント。 2016.10.17.借。 ※未来永劫同じ異相に生まれ、子々孫々まで永久に火の鳥と関わり続ける“猿田彦”……、醜い異相が異性を寄せ付けないとのことだが……どうやって子孫を残しているのだろう?
Posted by
ヤマト編は登場人物の意志の強さ、人が持っているだろう強さを感じて、読み終わったときにはなんだかとても温かい気持ちになりました。 宇宙編はその逆で、人の持っている意志の強さにちょっと震えを感じてしまいました。
Posted by
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。 日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様...
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。 日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。 1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。
Posted by
- 1