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オトナの片思い の商品レビュー

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36件のお客様レビュー

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2024/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オトナの片思い アンソロジーの楽しみはなんといっても今まで読んだことのない作家にふれることができるという点だと思います。そういった目的で手にとってみました。 フィンガーボウル 石田衣良 著 やっぱり石田さんは肌に合わない。オトナになるということはすり切れてしまうことではなくてもっと良いことだと思うんですけど。。。 リリー 栗田有起 著 リリーって何のことかとおもいきやお腹の調子が悪くなること。恋をするとお腹が痛くなるオトナ?のお話。 からし 伊藤たかみ 著 煮え切らないくて鈍感、無気力な男。とてもいらいらしてしまいます。それに恋する?女の人はわからん。 やさしい背中 山田あかね 著 プロフェッショナルに恋しちゃうキャリアウーマンのお話。 Enak! 三崎亜記 著 やっぱり三崎さんの小説は好き。影を捨ててしまった人との穏やかな生活。オトナへの成長。 小さな誇り 大島真寿美 著 うーんと年の離れた新人君。天使は不意に舞い降りるし、どうしようもない。 ゆっくりさよなら 大崎知仁 著 急に離婚を宣言した妻。好きだからこそ合意した主人公。なかなか提出されない離婚届と未練、希望。 鋳物の鍋 橋本紡 著 離婚してパートをしている主人公とパート先のお腹をすかした青年のお話。 他人の島 井上荒野 著 親子ほども年の離れたうだつのあがらない同僚。 真心 佐藤正午 著 20年越しの片思いとそれに気づいてしまった男女の行方は。 わか葉の恋 角田光代 著 離婚身の主人公が行く定食屋で挨拶をするだけの青年。女性の視点がとてもよく描けているのはさすが角田さん。 今の日本では絶滅しかけていると思われる立派な本当のオトナは一人も登場しません。みんな竹蔵と同じように、なんとなく年をとってオトナと呼ばれる年になってしまっただけ。でも今はそれが等身大で共感を呼ぶそんな時代。 でも、清廉な政治家がいないのと同じように本当のオトナなんて昔からめったにいなかったのかもしれません。ただ、本当のオトナに見えるだけだったのかも? あと、恋は突発事故のようなもので理屈はないから怖いなーと改めて思います。こんなふうに思えることがオトナの条件? 竹蔵

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2023/08/10

短編集なので楽しそうだなぁ、と思ったものの、よく分からない恋ばかり。 やはり、短編集は深くまでは書けないので難しのかな

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2021/04/19

恥ずかしながら石田衣良の書いた小説をこのアンソロジーではじめて読むことになったのだけど、美しくよどみのない文体にあっという間に引き込まれた。 料理とか食べ物に少しだけフォーカスしつつ、そこに恋愛をフュージョンさせる。気まぐれに吹く風が、ぱらぱらとページをめくってしまうように読める...

恥ずかしながら石田衣良の書いた小説をこのアンソロジーではじめて読むことになったのだけど、美しくよどみのない文体にあっという間に引き込まれた。 料理とか食べ物に少しだけフォーカスしつつ、そこに恋愛をフュージョンさせる。気まぐれに吹く風が、ぱらぱらとページをめくってしまうように読める恋愛アンソロジーだった。 恋愛って好きなものを食べたり、嫌いなものを食べたりするようなものなのかもしれない。あるいは得体の知れないなにかを食べることだろうか……?

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2021/03/11

角田光代『わか葉の恋』がよかった。いくつになっても恋していたいとおもえた。現実と恋は両立がむずかしい。

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2020/11/06

爽やかな話しが多かった印象。 休憩中に1話読みきれる量で、いい気分転換になった。 短編集もいいな。とも。

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2017/01/09

いい意味で心が痛くなる本。 ある程度の年齢になると片思いがちょうどいいのかもしれない。 「わか葉の恋」が一番好き。

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2017/05/02

2016/03/08読了 久々の更新 恋愛を題材にしたオムニバス形式の作品は、その作家の男女や人生観、生活感、倫理観、そして創造と想像の奥行きを観察することができる一番の方法だと思う。 ---- 当たり前のことだが、女性だって年を取る。 いつまでも子供の様に輝けるわけでは...

2016/03/08読了 久々の更新 恋愛を題材にしたオムニバス形式の作品は、その作家の男女や人生観、生活感、倫理観、そして創造と想像の奥行きを観察することができる一番の方法だと思う。 ---- 当たり前のことだが、女性だって年を取る。 いつまでも子供の様に輝けるわけではないし、身を固めたならば新しい恋は公にはするべきではない。 しかしふと恋に落ちることもあるだろう。 もしくは、大切にしてあった恋 一方は終わっても他方はそうではなく 両思いの一方が切れてしまった瞬間とは、片思いになるのだろうか。 『オトナ』の片思いとは、不憫だ。届かない、救われないことはわかっていても、なぜ人は恋をするのか。 恋愛描写に強い作者陣が描く片思いは、鮮やかで、痛みがある。 ゆえに、幸せの存在を考えてしまうのかもしれない。 余談だが、作中に何度か出てくる「食事」の風景 恋愛と食事は切り離せないものだ。人間の三大欲求に深く関連する なんて、よく言うもの。 『フィンガーボウル』石田衣良 深いつながりは持たない ベッドにはいかない でも食事はする そこに快感があるのならば、食事はセックスの代償行為だ。 『リリー』栗田有起 恋をすると不調になる。気持ちに身体が追い付かない。 リリーだなんてかわいい言葉を使えるのは女子高生ならではの特権だ。 でも心情だけなら大人だって「リリー」が許されるのかもしれない。 『からし』伊藤たかみ 人のこだわり、ゆずれないところ、妥協するところ 共通の何かがなければ生活は成り立たないのかもしれない。 『やさしい背中』山田あかね 女性は異性のたくましい部分に目が行く。 背中、腕、指、足、首筋。。。 そこからの視覚→相手の人柄などを観察する。 ふとした時に恋をするとはたぶんこういうところから。 "実らない方が甘美な恋もある。そっとしておくのがいい思いもある。"(P78) 『Enak!』三崎亜記 これはファンタジー色が強かった。 「影無き者」ってなんだろう。たぶん、何かの比喩なんだろうな。世捨て人とか?影は職 影は自分の陰の部分 影は過去、お金、家庭、何とでもいいかえることができそう。 何もないものが何かを生み出す過程。 『小さな誇り』大島真寿美 誇りという部分はどこにあったのだろうか。 ぬるいけれども心地いい関係によりそっていたい女。 『ゆっくりさよなら』大崎知仁 いつかこんな時が来るのだろうか。 できればあってほしくないがこんなことはよくあるらしい いわば日常だ。だがそれが一番響く。 この本で一番印象に残るエピソードだ。 両片思いが夫婦になり、そして片思いになる、切なさの果てに。 『鋳物の鍋』橋本紡 なんだか日常をなぞっただけの話だった... 正直微妙だったが、反町スペシャルは飲んでみたい。 『他人の島』井上荒野 これも正直いまいち。おばちゃんは面倒な生き物だ。 『真心』佐藤正午 若いお兄さんの、恋愛というよりも縁の話かと。 出前を頼んで事故にあった、というので大きなストーリーができているから、恋物語は蛇足だと思った。 作者が著者なのだろうか、主人公がやけに上から目線で好きになれなかった。もったいない。 『わか葉の恋』角田光代 大人になることを認めていても 自身の中で肯定していても心のどこかであきらめられないところがまだある。 その中で、見かけるだけでもいい と心浮立つことがある。 まさしく大人の片思いとはそういうことなのだと。 恋をすると苦しくなる。昔とは違っても、わくわくする気持ちがある。 大人になった時の自分は何を思う

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2016/04/25

11人の作家さんが紡ぐアンソロジー。 1篇がごく短い読み物なので、 手軽に読めちゃうところは可。 しかし、特に感動するわけでもなく、 普通過ぎて興醒めな部分は不可。 アンソロジーは、好きな作家さんや お初な作家さんが一挙に読めるので、 お得感があるのだけど、 この本に関しては、...

11人の作家さんが紡ぐアンソロジー。 1篇がごく短い読み物なので、 手軽に読めちゃうところは可。 しかし、特に感動するわけでもなく、 普通過ぎて興醒めな部分は不可。 アンソロジーは、好きな作家さんや お初な作家さんが一挙に読めるので、 お得感があるのだけど、 この本に関しては、それほどの得は感じられず。

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2016/03/07

短編11本のオムニバス。 題名通り『オトナの片思い』ばかりだった。 どうやって落とすとか両想いを熱望するという様な物語ではなく、 『色々な片想いの愉しみ方』みたいな感じに思えた。 恋愛に焦ってる人は、逆に、読むとちょうど良いと思う。 冷静になれると思うから。 でも、心配は要らない...

短編11本のオムニバス。 題名通り『オトナの片思い』ばかりだった。 どうやって落とすとか両想いを熱望するという様な物語ではなく、 『色々な片想いの愉しみ方』みたいな感じに思えた。 恋愛に焦ってる人は、逆に、読むとちょうど良いと思う。 冷静になれると思うから。 でも、心配は要らない。 しっかり、恋愛はしたくなると思う。 笑。

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2016/02/13

既婚者である彼のことを好きになっては、絶対にだめだ。 あの背中を捕まえて、後ろから抱きしめたかった。思った途端に哀しみがこみ上げてきた。絶対にできないことを自分が一番よく知っていた。実らない方が甘美な恋もある。そっとしておくのがいい思いもある。ふたりでスコールを一緒に見た。それだ...

既婚者である彼のことを好きになっては、絶対にだめだ。 あの背中を捕まえて、後ろから抱きしめたかった。思った途端に哀しみがこみ上げてきた。絶対にできないことを自分が一番よく知っていた。実らない方が甘美な恋もある。そっとしておくのがいい思いもある。ふたりでスコールを一緒に見た。それだけで充分だと自分に言いきかせた。 いろいろな思いが浮かぶ。けれど心はまだ定まらない。 たいがいが、どうでもいいようなつまらないことだ。お米はどこで買うかとか、金曜日の夜はどのテレビ番組を見るかとか。それでも、そんなふうなつまらないことの積み重ねこそが、二人にとっては恋愛だったのだと思う。

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