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現代アートの舞台裏 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2024/09/01

クリスティーズ、大学の批評会、アートバーゼル、ターナー賞、アートフォーラム誌、村上隆のスタジオ、ヴェネツィア・ビエンナーレ。数多くの主要人物とのインタビューが現代アートの今を垣間見せてくれる。 参与観察という実際に見聞きした直接経験と資料分析を組み合わせた手法だそう。

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2020/01/11

ターナー賞、オークション、ビエンナーレなど、アートの現場を著者の視点で書きながら、それに携わる人々の言葉も集めた本。 舞台裏の様子を覗き見た気分。

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2012/05/07

オークション、美術学校、アートフェア、授賞式、雑誌編集、制作現場といった異なる現場から現代アートに迫る1冊 場所が変わると作品の価値の決め方が変わるんだなぁ 特にオークション会場とアートフェア、学校で行われる批評の際の作品の扱われ方、評価を下す基準は真逆に感じた 結局作品の魅力や...

オークション、美術学校、アートフェア、授賞式、雑誌編集、制作現場といった異なる現場から現代アートに迫る1冊 場所が変わると作品の価値の決め方が変わるんだなぁ 特にオークション会場とアートフェア、学校で行われる批評の際の作品の扱われ方、評価を下す基準は真逆に感じた 結局作品の魅力や価値は個人の裁量に委ねられている それでも、アートに興味がない人を含めた大勢に評価され認められる作品がある そこには大勢に共通する価値観があって、それを探ったり気づかせてくれるのが現代アートの役目なんだろうな、という結論に達した 美術史を踏まえ、現代の空気を感じながら制作しなきゃいけないという暗黙のルールみたいなのがあるけど、要は興味ない人にもどれだけ「すごい!」と思わせるか それが作品の価値の分かれ目じゃないかな、と考えるあたり私のアートに対する価値観はオークションに近いようだ

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2012/03/05

アートは祭壇に祀られた神と言うより、沢山の思惑と沢山のお金を食べて活発に動く動物のようだ。その動物の生態が活き活きと伝わってくる。思惑やお金がアートという動物にとって大切なものだと確認できた。 最初はなかなか乗れなかったけど、2章以降どんどん面白くなっていった。しかし本文のカナ...

アートは祭壇に祀られた神と言うより、沢山の思惑と沢山のお金を食べて活発に動く動物のようだ。その動物の生態が活き活きと伝わってくる。思惑やお金がアートという動物にとって大切なものだと確認できた。 最初はなかなか乗れなかったけど、2章以降どんどん面白くなっていった。しかし本文のカナと漢字の書体が違っていて読みにくいのには困った。

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2011/01/06

ミームの考え方によれば、宗教や共産主義が「ウイルス」であるのと同様に、資本主義も、自由も、正義もみなウイルスである。もちろんアートもその例外ではない。そして本書を読んだあとにはそのアートというミームは「最も潤沢なウイルス」であると確信する ―現代において。そしておそらく今後数世紀...

ミームの考え方によれば、宗教や共産主義が「ウイルス」であるのと同様に、資本主義も、自由も、正義もみなウイルスである。もちろんアートもその例外ではない。そして本書を読んだあとにはそのアートというミームは「最も潤沢なウイルス」であると確信する ―現代において。そしておそらく今後数世紀先の未来においても。 現代アートは恐ろしい世界だ。それは人の欲望が恐ろしいことと完全に符合する。そういった意味で欲望を相手にするすべてのアーティストたるビジネスパーソンはこの現代アートのルールに刮目しない理由はない。そこすべてのヒントがある。最も純粋で、最も抽象的な欲望をかいまみることができるだけで本書の投資効果は絶大であるといえるのではないか。欲望という不治の病を、現代アートというウイルスを通して知ることができる。本書はその現代アートのエッセンスがぎっしりつまっている。 あと個人的には村上隆が大注目だった。西洋中心の現代アートの世界でどのように成功したのか。そして彼の目指すところ、その生産現場の緊張感、そして日本へ対する著者のまなざし、などなど。世界へ出て行くすべての人に参考になる圧巻のブランディングでした。 そして最後に本書の著者サラ・ソーントンの取る手法「参与観察」。これは文化人類学界隈ではよく知られる手法であるが、これは体系だたせるに遠く及ばない「未発見」な分野に極めて有効な手法であると思い知らされる 以下、内容に関するメモ… ・制作と消費の力学 ・制作の技術と、人を消費へいざなう物語提供の技術の養成 ・アートは株よりも不動産に似ている(限定性、立地の重要性) ・美術館の公共性と投資価値の消滅

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2010/11/09

ISS英語翻訳コースOBが翻訳した本をご紹介します。 ■詳細はこちら   >> http://blog.issnet.co.jp/?eid=434

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2010/08/28

神を信仰する代わりに、現代アートを信仰する。 現代アートにのめり込む一般コレクターはそんな感覚だそうです。 日本人は「信仰」とか聞くと引いちゃうけど、実際その通りだと思う。だって人によってはガラクタなものを、世界中で一番崇高で偉いと思い込むんだから。 崇高だけど、世相の流行に流さ...

神を信仰する代わりに、現代アートを信仰する。 現代アートにのめり込む一般コレクターはそんな感覚だそうです。 日本人は「信仰」とか聞くと引いちゃうけど、実際その通りだと思う。だって人によってはガラクタなものを、世界中で一番崇高で偉いと思い込むんだから。 崇高だけど、世相の流行に流されちゃうんだね。アートも神も。

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2010/04/26

アートに興味がない人でも、単純に面白い。何事も普段知ることのできない「舞台裏」には興味が湧いてしまうのは人の性ですね! しかし、これだけ面白いのは、綿密なインタビュー(調査)、表現力の豊かさあってこそ。読み物としてのクオリティが高い。買いっ!

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2009/10/04

エッセイ風の少々冗長な文書ではあるけれど、「アート」の舞台裏を象徴する場所について 関係者のインタビューを含めて詳細に書かれている点が興味深い。 ビエンナーレとしてヴェネツィア・ビエンナーレの舞台裏が書かれている部分が購入ポイント。

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2009/10/04

私みたいに絵画をビジネスに絡めて仕事がしたいと思ってる人は必読の一冊だと思う。 >傑作とは、ただ「生まれる」ものではない。アートの世界を棲家とする多くの関係者の手によって「つくられるもの」だった――。 全7章で構成されていて7つの現場でアートがどのように扱われているかをインタ...

私みたいに絵画をビジネスに絡めて仕事がしたいと思ってる人は必読の一冊だと思う。 >傑作とは、ただ「生まれる」ものではない。アートの世界を棲家とする多くの関係者の手によって「つくられるもの」だった――。 全7章で構成されていて7つの現場でアートがどのように扱われているかをインタビューしている。 表紙に書いてあった内容をまとめてみると、 (章)  (場所)      (関係者)            (アートの位置づけ) 1章  オークション  コレクター、オークショニア   投資対象、贅沢品 2章  美術学校    教授、美術学校生        知的な取り組み、ライフスタイル、職業 3章  アート・フェア ディーラー、ギャラリスト    崇拝の対象?、商品  4章  ターナー賞   美術館関係者、審査員、マスコミ 展示物、アーティストの価値の証拠、記事ネタ 5章  アート雑誌   編集者、批評家         言語表現のきっかけ、論評の対象 6章  アトリエ    アーティスト          以上のすべて? 7章  ビエンナーレ  キュレーター、展示会関係者   人脈作りの口実、観光事業 といった感じの構成。 今まではアートの解釈に関する本ばかり読んできたからすごく勉強になった。 どの立場からアートと関わるのが私にとっては良いのだろう。。 ・アート・コンサルタントのフィリップ・セガロ >クリスティーズで働いたこともあるセガロだが、いまはジロー・ピサロ・セガロという有力アート・コンサルタント会社の共同オーナーだ。 >セガロにはアートを学んだ経験が一度もない。MBA(経営学修士号)を取得したあと、彼はパリにあるロレアルのマーケティング部門に就職した。 >「必需品じゃない、抽象的なものを売買してるんだ」 >セガロに言わせれば、「アートの世界で最高の立場、それも断トツなのがコレクター」なのだそうだ。「その次にいいのが、ぼくたちの立場だね。自分で買えるものなら買いたい作品を、人に買わせるわけだ。結局は手放すことになっても、その作品を二日とか二週間だけ手元に置いておく。それで大満足だね。」 ・アートディーラーラリー・ガゴシアン >世界最強の影響力を誇るアートディーラー >彼が代理人になったとたんに、そのアーティストの作品の値段は必ず1.5倍になるという。 ・エイミー・カペラッツォ 「(美的価値と経済的価値の関係について)完全な相関関係ではないわね。市場は活発でなくても、すばらしいアーティストは沢山いるわ。『美貌と、人生における幸福はどう相関しているか』というのと同類の議論ね。意味がないし、むなしいわ」 >「アートは株よりも不動産に似てるわね。ウォーホルの作品には、左右をビルにはさまれた北向きのスタジオ風マンションもあれば、三六〇度の眺望を誇るペナントハウスだってある。ところが、シスコシステムズの株は、いつだってシスコ株でしかないわ」 >アーティストの経歴において、MFAの学位が最初の勲章とみなされるようになったのは、一九六〇年代以降のことだ。MFAの次は、賞をとって滞在型研修に招かれる。つづいて、プライマリー・ディーラーによる取扱が決まり、アート専門誌の論評や特集で取り上げられ、そして、著名な個人コレクションに組み込まれる。さらに、個展やグループ展という形で美術館からお墨付きをもらい、たくさんの観客を集めるバイエニアル(隔年開催の国際美術展覧会)で海外進出を果たす。やがて、リセール・マーケットのオークションでも人気が出て、価格が沸騰する――そういう流れができたのである。

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