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円周率を計算した男 の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2016/10/26

数学好きの私としては非常に面白く感じた本だった。また数学嫌いでも内容的には山本周五郎的な部分もあり拒絶感は少ないと思う。普通に読んで楽しめる本だった。

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2015/02/20

2015.02.20 初めての著者。 算術にかける江戸時代の算術家。「算術道場」なるものもあったと。鎖国の世でありながら外国に負けない優秀な算術家と妻や娘のつながりが醸し出す厳しさとほんのり感がいいですねえ。

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2013/03/16

日本古来より芸の一つであった算術を題材にした歴史短編小説集。関流の始祖として、算聖と崇められた江戸中期、関孝和より始まる円周率との闘いにフォーカスをあて生涯をかけた算術師達が江戸後期にかけ時を追って登場する。共通の想いは解法も答えも究極の簡潔さを追い求める事。至宝といわれるオイラ...

日本古来より芸の一つであった算術を題材にした歴史短編小説集。関流の始祖として、算聖と崇められた江戸中期、関孝和より始まる円周率との闘いにフォーカスをあて生涯をかけた算術師達が江戸後期にかけ時を追って登場する。共通の想いは解法も答えも究極の簡潔さを追い求める事。至宝といわれるオイラーの等式にも通じる世界観を独自に発展させてきた人々の情熱をひしひしと感じれる作品。また「天地明察」で描かれた渋川春海と少し異なり一癖もふた癖もある気難しい算術師素の姿を日々の生活とともに人間くさい面を浮き彫りにする。科学雑誌(ニュートン)と藤沢周平作品が一緒に盛り込まれているよーな作品。書店でたまたま手にしたわりにはおおーあたり〜♪

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2012/08/27

江戸時代の算術家を主人公にした短編小説集。 この間読んだ『天地明察』の渋川春海の頃よりもう少し時代が下る。 短編の配列は、時代順かな? 『天地明察』に一番近いところで、建部賢弘。関孝和の弟子。 そのほか、会田安明、山口和、そして長谷川寛らが出てくる。 一番最初に読んだ算術小説は...

江戸時代の算術家を主人公にした短編小説集。 この間読んだ『天地明察』の渋川春海の頃よりもう少し時代が下る。 短編の配列は、時代順かな? 『天地明察』に一番近いところで、建部賢弘。関孝和の弟子。 そのほか、会田安明、山口和、そして長谷川寛らが出てくる。 一番最初に読んだ算術小説は『算法少女』だったけれど・・・ 思えば、児童文学である『算法少女』が、一番数学チックなことに踏み込んでいたかもしれない。 この本も、それほど数学的な知識がなくても読んでいける。 ただ、『天地明察』の春海が、なんともすっきりした人物として描かれていたのに比べ、この小説集に出てくる人物たちは、みんな一癖あるように思える。 というより、負けん気や嫉妬、その他の人間の情念が生々しく描かれている点が、ずいぶん『天地明察』のあっさり明るい小説とは違う。 また、ほとんどの小説が恋愛が絡んでいるのも特徴的なところか。 読後感は、必ずしもさわやかではない。渋さ、深みがあるといってもよいのかもしれない。 どちらがいいかは、好みの分かれるところだろうけれど。

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2011/09/20

これは拾い物! 和算という珍しい題材を扱っているのに、それに寄りかかることなく人情の機微や夫婦愛をしっとりと描いていて、どの作品もほろりとしてしまう。乙川優三郎に似た作風かな。

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2011/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 算術の話かと思ったら恋愛モノだった。  想定していなかったので、なんとなく入り込めず。  恋愛モノとして読んでいたら面白かったんだろうか。うーん。  男性向けである気がする。  

Posted byブクログ

2010/05/30

関孝和の弟子、建部賢弘 平野忠兵衛 藤田貞資 鈴木安明 山口和 有名(らしい)が、ほとんど知らない でも、その追求する心のあり方が 深刻なドラマを作り出すかも知れない この作者の作品は二作目?

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2009/10/04

 表題作は独自の手法で円周率の計算式を求めることに生涯を費やした建部賢弘が主人公。算聖と称された師匠の関孝和との葛藤に苦しみながら、円周率の公式を見出すまでが描かれている。同作は歴史文学賞と日本数学会出版賞を受賞している。    著者の鳴海は、日本数学会出版賞受賞のあいさつで ...

 表題作は独自の手法で円周率の計算式を求めることに生涯を費やした建部賢弘が主人公。算聖と称された師匠の関孝和との葛藤に苦しみながら、円周率の公式を見出すまでが描かれている。同作は歴史文学賞と日本数学会出版賞を受賞している。    著者の鳴海は、日本数学会出版賞受賞のあいさつで  人間世界では、誰もが円周率であったり、自然数であったり、虚数といったひと言では説明できない存在だと思います。それらの人間が織りなすドラマは、たとえ千差万別であっても、小説という一つの形になったとき,オイラーの公式のように矛盾がなく美しい物語になっていれば、それは傑作として長く人々に感動を与え続けます。  と述べている。  この人間観は、同書の「初夢」の中にも出てくる。  この作品は貨幣を鋳造する銀座で代々銀座役人を務める家に生まれ、翌年から年寄り役に就任することが決まった平野忠兵衛の大晦日の夜が描かれる。銀座役所の責任者となることを前に、若い頃から志してきた算術家として名を成すという夢をあきらめようとする忠兵衛に、妻のお福はこう言うのだ。  「馬鹿おいいでないよ。お前さんから算術をとって、いったい何が残るっていうんだい。人の生き方なんて、そろばんだまみたいに、ご破算で願いましては、なんて出来るもんじゃない。人はだれでも、その人の生き方しか出来ないもんさ。そうに決まってるよ」  なんともすがすがしい言葉。物語りも、最初は夢をあきらめる決意をした忠兵衛の暗い物思いから始まるが、ラストは意外な展開となっている。  同書にはほかに、「空出」「算子塚」「風狂算法」「やぶつばきの降り敷く」の六篇を収録。

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