素粒子物理学をつくった人びと(上) の商品レビュー
ここ100年ほどの間の出来事。書かれている内容は難しいが、物理学を巡る熱さが伝わってくる。 高校物理で初めて学んだ初期の素粒子論がまだ確立されて間もないものだったことに驚きさえ感じる。 下巻に向けますます熱くなっていくのか。楽しみ。
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書名からして,素粒子物理学の研究史を解説した本と考え勝ちだが,多分に小説的に書かれすぎていて,決してルポルタージュでもドキュメンタリーでもない,著者の思い入れに基づくフィクションと考えてよい。上巻は放射線/放射能のそもそもから,弱い相互作用の途中まで。シュレディンがーの扱いが不当...
書名からして,素粒子物理学の研究史を解説した本と考え勝ちだが,多分に小説的に書かれすぎていて,決してルポルタージュでもドキュメンタリーでもない,著者の思い入れに基づくフィクションと考えてよい。上巻は放射線/放射能のそもそもから,弱い相互作用の途中まで。シュレディンがーの扱いが不当に低く歪められているのがそもそも不満であるし,逆に湯川の中間子論に随分肩入れしている印象がぬぐえない。 素粒子物理学の進展に関わった人達が順番に出てくる。光量子のアインシュタインと前期量子論のボーア、行列力学のハイゼンベルグとボルン、波動力学のシュレーディンガーに続いて、相対論と量子論の融合を図ったディラックによって発散の困難が出てステージが上がった。朝永のくりこみ理論は戦時中の為に欧米での発表が叶わず、それを紹介したのが原爆の父オッペンハイマーであるとか、発散の困難が手に負えないので原子核の問題にターゲットを変えた湯川のこととか、エピソード集として面白い。ファインマンがピカ一。
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いやはや、なかなか読み応えありました。 実に面白かったです。 文庫本に拘わらず上下分冊それぞれ1200円となかなかのお値段ですが、買った甲斐がありました。 大学で物理を学んでいたにも拘わらず、素粒子論はいつも入り口で挫折をしてしまうのですが、本作は人々のエピソードが豊富で、理論に...
いやはや、なかなか読み応えありました。 実に面白かったです。 文庫本に拘わらず上下分冊それぞれ1200円となかなかのお値段ですが、買った甲斐がありました。 大学で物理を学んでいたにも拘わらず、素粒子論はいつも入り口で挫折をしてしまうのですが、本作は人々のエピソードが豊富で、理論についていけてなくなっても、楽しんで最後まで読めました。 アメリカ中心で、日本人の扱いがちいさいんじゃないって不満もなくもないですが、量子力学の誕生から弱電理論、標準模型、超弦理論へと素粒子物理の歩みを読みやすい形で提示してくれています。 上巻はボーア、ハイゼンベルグ、シュレディンガー、ディラックと慣れ親しんだ名前が出てきて、彼らの知らなかった一面が見られて実に面白かったです。 下巻はいよいよザ・素粒子論な話なので、出てくる人もあまりなじみがなかったのですが(ファインマンは別として)、こちらもみんな人間くさくていいですねぇ。 人間くさい物理学者がこの本にはつまっています。 試行錯誤し、間違ったアイデアにみんなで飛びつき、離れていきと… そしてまた、理論と実験は科学の両輪なんだなぁとつくづく思いました。 理論で予想した結果を確かめるために実験する。 そして実験であらわれた現象を説明するために理論を作る。 こうして、素粒子論は前に前に進んできたのでした。 (でも、超弦理論など究極の統一理論は、現時点では実験では実証するすべがないそうな…うーん、こまったね。) 原著の初版が書かれたのは1986年とだいぶ前なのですが、今回の文庫化にあたり付録として、その後の素粒子物理の歩みも載っているのが親切です。 下巻は理論的な部分はぜんぜんついていけてなかったので、そのうち再読したいですね。 (といってしないのがいつものパターンですが…) お薦めなんですが、ある程度、科学に対する素養がないと、読みにくいかもです。 内容(上巻カバーより) 広大な実験施設で大量のエネルギーを投入し、加速した粒子同士をぶつけて壊す。何のために?それh万物の成立ちの究極理論を実証するためだ。素粒子物理学と呼ばれ、数々のノーベル賞学者を輩出するこの学問は、20世紀初め、原子の構造の解明に頭を悩ませた学者が、波でも粒子でもある「量子」を発見したことから始まる……理論と実験の最先端でしのぎを削る天才たちの肉声で構成された、決定版20世紀物理学史(全2巻)
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普段ならこのような本は絶対に読まないのですが、たまたま書店で何気なく手に取った時、3人の訳者のうちの1人に鎮目恭夫の名前を見て無視できなくなったのです。 中学生の頃、SFに出会ってからというもの、自分に不足している自然科学の教養を補給しなくちゃということで、講談社ブルーバックス...
普段ならこのような本は絶対に読まないのですが、たまたま書店で何気なく手に取った時、3人の訳者のうちの1人に鎮目恭夫の名前を見て無視できなくなったのです。 中学生の頃、SFに出会ってからというもの、自分に不足している自然科学の教養を補給しなくちゃということで、講談社ブルーバックスの全踏破を計画して実行に移しましたが、他方でそれより先に始めていた岩波・中公新書の全読破という無茶な野望に較べて、遅々たる進みでしかありませんでした。 同じ頃、父の書斎で偶然『女に育児はまかせられない』という書名を見て、妙に気になって読んだことがありました。この本の著者が鎮目恭夫でした。 奇をてらった本を書く人を、ペテン師かそれとも画期的な真正の本物か、どちらか判断するのが大好きな私は、すぐ飛びついたのでした。判定は本物で、深い科学の知識に裏打ちされた論理展開と、推理小説を読むような問題措定をする彼の手腕にいっぺんに魅せられてしまいました。 それから、寝ても覚めても鎮目恭夫の翻訳本や自著を探して三千里、思いっきりお茶目に背伸びして、シュレディンガーの『生命とは何か』や、バナールの『歴史における科学』『戦争のない世界』、ウイナーの『サイバネティックスはいかにして生まれたか』『人間機械論』、ダイソンの『多様化世界』『宇宙をかき乱すべきか』を、あるいはガモフ全集や、バートランド・ラッセルの『人間の知識・・その範囲と限界』などを、次から次へと苦手ながら読んでいきました。 これなら掘晃ばりのハードSFが書けるかもしれないというくらいの猛勉強でしたが、ここ3、4年は疎遠になっていました。 ひさしぶりにサイエンスしちゃって、頭から爪先までレーザー光線に痺れたような、まるで体中が無重力状態のような感じです。 これは天才研究者どうしの人間ドラマで描く、素粒子物理学発展の歴史。X線の発見から量子力学の建設。量子電磁力学の成功。湯川秀樹の中間子論でスタートする原子核の研究。致死量近い放射性物質をゴム手袋一枚で運ぶ20世紀はじめの科学者の無防備さなど、幾多の失敗や、歴史の表舞台にけっして登場しない闇に埋もれた研究者のインタビューを含め、凡百の解説書では味わえないエピソードに満ちた一冊。 ただしこの本は、1980年代位の研究成果を反映しているものだということなので、俄然もっと最先端の、いま現在どうなっているのかを見てみたいという気にもなりますが。 これでまた、自然科学の方面への興味に火がついてしまったので、再開しようかなと思っています。
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物理学と物理学に関わった天才たちに興味があれば、本を閉じるのがもったいないと感じるほど面白い本です。
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連休の最終日の夜に本屋で発見 なんというタイミングの悪さ。 今からボチボチ読みます。 人物と年代をメモしながら読まないと ごちゃごちゃになるよ!(泣
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量子力学誕生前夜からワインバーグ・サラム模型までの歴史を,人間模様を含めて比較的細かく描写している. 教科書ではわからない試行錯誤などが垣間みれて大変面白かった.
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