ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 の商品レビュー
ハードカバーが出版された時に嬉々として買って読んだ1冊。 当時も今もエラリー・クイーンを読んだことがないからパスティーシュとしての出来の善し悪しは分からないし、エラリー・クイーン論も全然理解できなかったけれど、 それでも小町さんとクイーンのかけあいはおもしほいし、話の展開も気にな...
ハードカバーが出版された時に嬉々として買って読んだ1冊。 当時も今もエラリー・クイーンを読んだことがないからパスティーシュとしての出来の善し悪しは分からないし、エラリー・クイーン論も全然理解できなかったけれど、 それでも小町さんとクイーンのかけあいはおもしほいし、話の展開も気になって楽しく読めました。 好きな作家の作品×エラリー・クイーンのパスティーシュ×五十円玉二十枚の謎 と知ってわくわくとページをめくりました。
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クイーンのパスティーシュ作品なんてものは、少なくともクイーンの書いたエラリー登場長編をすべて読んでから手を付けるんだい、と考えていたのだが、『米澤屋書店』で言及されていたのがきっかけで読んでしまった。読む順番が〜…という動揺は、クイーンに対してだけでなく北村薫さんに対してもあり...
クイーンのパスティーシュ作品なんてものは、少なくともクイーンの書いたエラリー登場長編をすべて読んでから手を付けるんだい、と考えていたのだが、『米澤屋書店』で言及されていたのがきっかけで読んでしまった。読む順番が〜…という動揺は、クイーンに対してだけでなく北村薫さんに対してもあり、作家・米澤穂信さんにとってとても重要な存在と思われる北村氏の作品を読むのはこれが初めてなのに、いきなり贋作ものでいいのかと、二重に三重によろしくない感を抱きながらも、まあでも借りちゃったしと、読み始めた(これは図書館本の謎の強制力の為せるわざで、買った本のほうが意外と読まない)。 しかしまあ、読んでみたらこれはクイーン好きにはたまらない神本にして夢本ではないか。もう北村さんも戸川安宣さん(序に登場し、あとがきも担当)も、他の仕事を無視して失礼を承知でいうが、私にとってはクイーンファン仲間としか思えない。北村さんとの出会いはむしろこれで良かったんだ、クイーン万歳! てな気分である。 神本にして夢本ポイントは、 ■エラリー・クイーン氏に会える! ■クイーン論炸裂! ■クイーンっぽい! の三点である。 ■エラリー・クイーン氏に会える! 一九七七年にフレデリック・ダネイ(筆名がエラリー・クイーンである二人組作家の片割れ)が来日したのは史実。本書は、そのときになんとクイーン氏は日本でとある事件に遭遇しそれを解決しており、その顛末を作品にしていた、というていのパスティーシュ。そのためその原稿の中では、来日したのは(作中人物の)エラリー・クイーン(推理作家にして名探偵)であるという倒錯が起こる。 虚実入り乱れてなんだか混乱するのだが、大事なのはつまり、私が憧れてやまない(作中人物の)エラリーその人が日本にやってきているお話だということだ。ミステリーの神様としてエラリーを歓迎する日本のファンたちの描写を読んでいると、自分もそこに同化して、来日どころか、小説世界の主人公が現実世界に現れたのを呆然と眺めているかのような錯覚を覚えた。 ■クイーン論炸裂! 本書は、第六回本格ミステリー大賞を、評論・研究部門で受賞したそうだ。クイーンの作品であるように装った本の中で、クイーン作品の評論をしてしまうという大胆な芸当を成し遂げる手腕の見事さ。こういう凝ったつくりがまた、クイーン的でもある。 クイーン論というからには、ネタバレ必至である。途中で、「この章では◯◯の真相に触れているので未読の方はご注意を」という注釈が何度か入る。最初にまとめて書いてくれよと思わなくもない。『シャム双子の謎』『緋文字』、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』も対象だった。他にもあったかもしれない。私はオールオーケーではなかったが、まあでもどうせすぐ忘れるだろう。 ■クイーンっぽい! パスティーシュといわれる趣向の作品を読んだのは初めてだったかもしれない。「本物っぽい!」と「偽物っぽい!」のどちらを感じてもニヤニヤしてしまうところが、とても楽しかった。 文体や、凝った作りや、パパとエラリーのやりとりが本物らしいことは言わずもがな、若い娘とバディを組む流れになるお約束展開や、ちょっと神学的というか宗教的というか概念的というか抽象的というか、そっち方向にいきたがる傾向も「らしいなあ」と感じる。事あるごとに胸中で珍妙なハイク(俳句)をひねる東京警視庁の桑山警部、という存在も、なんか「らしい」。そんな刑事が出てくる小説があったら読んでみたい。俳句刑事。 「訳注」というかたちで北村薫がだいぶ語るのだが、「どうもこの章は、有栖川有栖、若竹七海両氏の文体に似ている。クイーンが読んでいるわけがないのに、不思議なこともあるものだ」といった言及のある箇所がある。私は両氏どちらも読んだことがなかったので歯がゆい思いをしたが、国内ミステリー作品にもっと親しんでいればより楽しめたのだろう。
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エラリークイーンの未発表作品が発見されその翻訳作、という体で書かれている。 が…なんというか… あーきっと大ファンなんだろうなぁとは思う。でもそれだけ。 ミステリでもないし、謎解きもちょっと意味がわからない。 出てくる女子大生も19歳の割に老獪なとこあるし。歌舞伎や獅子舞にそんな...
エラリークイーンの未発表作品が発見されその翻訳作、という体で書かれている。 が…なんというか… あーきっと大ファンなんだろうなぁとは思う。でもそれだけ。 ミステリでもないし、謎解きもちょっと意味がわからない。 出てくる女子大生も19歳の割に老獪なとこあるし。歌舞伎や獅子舞にそんな詳しい19歳とかいる⁇いやいるかもしれないけどかなりレア。 きっと大ファンなこの作者さんが、もしエラリーと語ることが出来たら…ってことで書いた作品にだと思う。 全く合いませんでした。 残念。
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北村薫。エラリー・クイーンが日本で遭遇した連続幼児殺害事件を小説化したものを未発表の遺稿という体裁で書かれたもの。 推理小説というよりエラリー・クイーンの作品の評伝がメインであとは日本の観光について書かれている。本作を読む前にクイーンのシャム双生児の謎を読んでおけばより楽しめると...
北村薫。エラリー・クイーンが日本で遭遇した連続幼児殺害事件を小説化したものを未発表の遺稿という体裁で書かれたもの。 推理小説というよりエラリー・クイーンの作品の評伝がメインであとは日本の観光について書かれている。本作を読む前にクイーンのシャム双生児の謎を読んでおけばより楽しめると思う。
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やっぱり北村薫は面白い。危うく騙されそうになったけどさすがです。 それにしても知識の豊富なこと。あとがき・解説も面白い。
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クイーン原稿の翻訳を装ったエラリー・クイーン論という特徴を持つミステリー。芸が細かい。エラリー・クイーンが来日し、彼の愛好家である女子学生を助手に、連続幼児殺害事件の謎を解き明かす。事前に「シャム双子の秘密」を読んでおくと、原作と本書の両方を楽しめる。逆だと、原作のきわどいネタバレで、両作品の楽しみが半減する恐れあり。エラリー・クイーンも北村薫も好きという方にぴったりの小説。
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手にかけた幼児をフリソデに包むジャパニーズシリアルキラーと名探偵エラリー・クイーンの対決、そして50円硬貨二十枚の謎。 実在の作家と架空の作家探偵、2人のエラリーをフュージョンさせたり 北村薫自身も訳者という形で舞台袖から何度も顔を出したりで虚実入り乱れる名調子の素晴らしいお祭り...
手にかけた幼児をフリソデに包むジャパニーズシリアルキラーと名探偵エラリー・クイーンの対決、そして50円硬貨二十枚の謎。 実在の作家と架空の作家探偵、2人のエラリーをフュージョンさせたり 北村薫自身も訳者という形で舞台袖から何度も顔を出したりで虚実入り乱れる名調子の素晴らしいお祭りパスティーシュだった。 エラリー・クイーンの未発表の原稿ですよーとしておきながら、途中でガッツリ国名シリーズの評論が入ってきて作者の企みを看破しちゃうあたり、現実の名探偵 北村薫の真骨頂!という感じでとても良かった。 エラリーは国名シリーズと別名義のあの四部作しか読んでないので、後期クイーンとか文言でしか知らないにわかなんだけどもそれでも非常に心躍った。国名シリーズ特にシャム双子を手に取りたくなり、本棚整理で手放したのが今さら悔やまれる。
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作家デビュー30周年と東京創元社文庫創刊60周年の記念でクイーンパスティーシュという、派手ではないがとても上質な豪華さが溢れ出る文庫本。余談ですが、自分の中で創元の文庫といえば円紫師匠、北村薫といえば創元のベージュの背というイメージが強いので、久しぶりにワクワクする読書感覚。 パスティーシュは本家の世界を広げてくれる楽しみもありつつ、下手に手を出すと自分のイメージを壊されてしまう怖さもあり、あまり手当たり次第には手を出さないので、今までそこまで残念な結果にはなったことはないのですが、今回についてはそんな心配に及ぶはずもなく、それ以上に趣向を幾重にも凝らした「こんな記念本にただのパスティーシュを書くとお思いか?」と言われるような鮮やかさ。 浅学なので、どこまでが現実でどこまで架空なのかもわからなくなることは多々あるんですが、そういうときは開き直って、とりあえず1つの小説として全部丸呑みにしながらもガラスケースの外から見ているようなイメージで読んでいます(苦笑)。 というわけで「これはこれを表していてここと関係しているのが面白い」みたいな感想は書けないのですが、とりあえず久しぶりにとても紳士的な少しの日常の中の王道ミステリを味わうことができただけで満足です。 作者は「訳者」とされ、その視点で各章ごとに注釈が付けられるので、それだけで通常の3倍くらいの楽しみ方ができる。クイーンを登場させながら、作品についての考察談義が繰り広げられると同時に、その世界の日常では事件が起こり、それに絡ませながら、訳者の注釈が入るということを書く作家の作品を読む読者。透けそうなシルクを重ねに重ねたシンプルなドレスの美しさよ。
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ミステリーもたまには読んでいるのだが、残念ながらこの作品についていけるほどの蓄積が私にはなかった…。なんだか作者に申し訳ないっす。
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うーん。読む人を選ぶ本なのだろう。延々と続くエラリー・クイーン論はさっぱり分からないし、ミステリとしても、んな訳あるか?と。ガイジンの目を通したニッポンという仕掛けとはいえ。その線では、山口雅也さんの日本殺人事件がミステリとしても筋が通っていた覚えがある。今回、書名を確かめるため...
うーん。読む人を選ぶ本なのだろう。延々と続くエラリー・クイーン論はさっぱり分からないし、ミステリとしても、んな訳あるか?と。ガイジンの目を通したニッポンという仕掛けとはいえ。その線では、山口雅也さんの日本殺人事件がミステリとしても筋が通っていた覚えがある。今回、書名を確かめるためにアマゾンに行ったら続編があると知ったので、注文した。
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