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ZOKURANGER の商品レビュー

3.5

28件のお客様レビュー

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2017/11/19

『そういった一瞬の思考を、彼女はすぐに理性で拭い去る。まるでホワイトボードに書かれた文字を消すときのように。そう、消すならば早い方が良い。古くなるとインクが消えにくくなる。』 『「まず、あいつはですね、とにかく我が儘な男です。自分中心で、独り善がりで、身勝手なのです」 全部同じ...

『そういった一瞬の思考を、彼女はすぐに理性で拭い去る。まるでホワイトボードに書かれた文字を消すときのように。そう、消すならば早い方が良い。古くなるとインクが消えにくくなる。』 『「まず、あいつはですね、とにかく我が儘な男です。自分中心で、独り善がりで、身勝手なのです」 全部同じ意味ではないか、と思ったが、よほど強調したかったのだろう。』 「もういい、わかった。だからね、何の訓練なの?」 「研究環境改善委員会として、非常時に出動する可能性があります。そのときのための訓練です」 「何よ、非常時って?」 「非常時は非常時です。普通じゃないときのことです」 「わかってるわよ、そんなこと。何があるっていうの? どんな事態が予想されるわけ?」 「何があるかわからないのが非常時です。予想される事態ならば非常ではありません。予想もつかない事態のことです」 「わかった」 『また三分の一は死んだ魚のような目をしている。否、死んだ魚の目は生きている魚の目とほとんど同じだから、もう少し活気がない目、というのか。そう、ガチャピンの目のような。』 「そういう決まりなんですよ」 「誰が決めたの?」 「知りません。歴史的な経緯は」 「どんな歴史的な経緯があるっていうの? こんなユニフォームに - ああ、もう、信じられない!」 「割り切って、早く片付けましょう」 「そうね、今のが一番合理的な言葉に聞こえました - 理性が残っているようで、安心しました」 『子供の頃から大人が口にしていた「やる気」という言葉の意味が、彼はわからなかった。それがどういうものか、実感できないのである。相手を喜ばすための演技、という意味であるならば理解できないこともないが、自分自身に対しては明らかに無意味なものだ。やる気を出したところで、ものごとが進むと思えない。何の効果もない、エネルギィの無駄遣いではないか。それなのに何故、あれほど「やる気を出せ、やる気を出せ」などと言うのだろうか。「やれ」と直接命じてくれた方がわかりやすい。不思議な言い回しをするものだな、と感じていた。』 『「変ですよね、いったいどうなっているんでしょう」というのが、最も実現象の因果関係を表現している。これは、学会で発表される新説についても、同様の傾向が観察されるところである。理由を説明するほど、自信がないのだな、という印象を相手に与えるのだ。』 「やったかやらないか、はデジタルですが、入念かどうかはアナログなのです。人の評価、言い分になりますね」 「僕は基本的に、人の話を信じる人間です。人間はそんなに積極的には嘘をつきません。ただ、その人が感じたこと、認識していることが間違っている例の方が多いと思います」 「この世は、不合理のブロックを積み重ねた構造なのです。一つの不合理を解決しようと思っても、他の不合理で固められているので、無理に取り除こうとすれば、全体が崩れだす。改善は、崩壊に繋がるわけです。」 『彼女を失望させたまま返すのか、それとも、人類が本能的に持っている共同意識を発揮し、出来る限り情をかけてやるのか。同情か愛情か、そんな区別は無用だが、他人が悲しい表情するのは、見ていて楽しいものではない。人間は、そのようにプログラムされているのだ。けれど一方では、自分はこの女性とは何の利害関係も持っていない。彼女が喜ぶように仕向けたところで、その見返りとして、自分にはなんら利益は生じない。ありがとう、と言ってもらっても、それが何になる?』 「委員の中では、揖斐先生だけが、普通の方です。常識的な方、という意味ですが」 「そうですか。それは、意外ですね」 「意外? では、ご自分では、そうは思われていない?」 「いえ、他人と自分を比べることは、視点が違うので、ほとんど不可能です。少なくとも精度が格段に落ちます」 「でも、比べることはしますよね?」 「そういった強引な比較でしたら、誰でも常に自分が基準だし、自分が普通、あるいは常識です」 『忘れていた。 あれは、もしかして、美しい気持ちだったのではないか。 ときどき開けて、中を確かめる引出し。 それを再び閉める。ここにあれば良い。 またいつか開けて確かめよう。 そんな思い出だ。』 「ここで、私たちがああだこうだ話し合っていても、埒というドアは開かないでしょう」 「埒って、ドアなんですか?」

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2015/07/17

教官戦隊ゾクレンジャー!この内容を戦隊物枠で放送してキッズの度肝を抜いてやろうぜ! ゾクピンクが森作品のなかで最も変態だった。

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2014/03/04

いわゆる森先生の妄想炸裂の本・・・というべきか? 登場人物5人に合わせて5つの話から構成されている。 話が進行し、登場人物の妄想のレベルが上がっていくにつれ、やばいやばいと思いながらも、最終章の「赤色の研究」はよかった(タイトルもお気に入り)。 終わり方もよし。 でも、これをZ...

いわゆる森先生の妄想炸裂の本・・・というべきか? 登場人物5人に合わせて5つの話から構成されている。 話が進行し、登場人物の妄想のレベルが上がっていくにつれ、やばいやばいと思いながらも、最終章の「赤色の研究」はよかった(タイトルもお気に入り)。 終わり方もよし。 でも、これをZOKUシリーズに持ってきた意図はなんでしょう。 さあ、みなさんも、妄想の世界へ。

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2012/10/30

今までのシリーズと登場人物は同じで舞台は別。 人物ごとに短編が続いていく。 戦隊モノを題材にしているけれどいつも通り特に誰かを救うわけでもなく目的も見えない不思議な日常。 ロミ→揖斐、ケン→ノノ、の関係は今回も変わらなかったけどノノ→ロミの展開にびっくり。意外だったけれど楽しめ...

今までのシリーズと登場人物は同じで舞台は別。 人物ごとに短編が続いていく。 戦隊モノを題材にしているけれどいつも通り特に誰かを救うわけでもなく目的も見えない不思議な日常。 ロミ→揖斐、ケン→ノノ、の関係は今回も変わらなかったけどノノ→ロミの展開にびっくり。意外だったけれど楽しめた。 バーブ斉藤は相変わらずギリギリなラインの危うさがあったけれど能力の説明はわかりやすくてその能力を使う部分が唯一の見せ場…? 今回のケンは前作までと違って子供っぽさがなくて残念!

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2012/09/23

☆$$イマイチ。著者を久しぶりに読んだが、期待はずれ。$$妄想が多すぎて、ついていけなかった。$$ZOKUDAMが面白かったので、残念。

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2012/09/08

ZOKUシリーズは森さんの中で一番気楽に読めて好きかも。 久々すぎてロミ品川とケン十河しか覚えてなかったけど、ケン…こんな(表面的に)真人間だっけ? わけわからないのは恒例だからいいんだけど、全員の能力をハッキリさせないまま終わってしまったのが心残り。

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2012/07/08

民間企業から転職し、大学の准教授に就任したロミ・品川。 様々な委員会の委員に任命されたが、そのうちのひとつ、 研究環境改善委員会は、他の委員会とは少し違っていた。 まずメンバーの個性が際立っている。 委員長の木曽川大安教授をはじめ、 品川と同じく准教授の揖斐純弥、バーブ・斉藤、 ...

民間企業から転職し、大学の准教授に就任したロミ・品川。 様々な委員会の委員に任命されたが、そのうちのひとつ、 研究環境改善委員会は、他の委員会とは少し違っていた。 まずメンバーの個性が際立っている。 委員長の木曽川大安教授をはじめ、 品川と同じく准教授の揖斐純弥、バーブ・斉藤、 そして助教のケン・十河、永良野乃と それぞれ個性的な人物であると言える。 そして何よりおかしいのは、委員長の木曽川を除いた五人に それぞれ色違いのユニフォームとヘルメットが支給されること。 理由は? 何のために? 「ZOKU」「ZOKUDAM」に続く、Zシリーズ第3弾。 古今東西、あらゆる作家の中で一番好きな森博嗣であるが、 作品を読むのは実に久々。 全作品を読破するつもりではいるのだが、 諸事情に阻まれてなかなか捗らない現実がもどかしい。 そもそも僕が森博嗣の作品に文句をつけるわけもなく、 結局いつもどおりの褒め殺しになってしまうので 簡潔に書いて終わりにしようと思う。 このシリーズは、特撮モノなどでありがちな設定を とことん現実的な視点から描くことでおかしみを生み出す趣向だ。 「ZOKU」では単純に正義の味方と悪の組織という対立の図式を、 「ZOKUDAM」では巨大ロボに乗って戦う人間たちを それぞれ題材として扱ってきた。 今回はタイトルからもおわかりのとおり、 「戦隊ヒーロー」が扱われている。 とはいってもその扱い方はやはり森博嗣流で、 大学の委員会のメンバーが戦隊の構成員となっている。 キャラクターの名前は前作・前々作と共通だが、 本シリーズの各作品はすべて独立した作品なので、 名前が同じなだけでまったく別の人物。 それぞれユニークな造形のキャラクターになっており、 彼らの一人称で進む物語は、特別なことが起こらなくても面白い。 大学という、特撮とはもっとも縁遠いような場所で、 奇妙なユニフォームを着せられて戸惑う品川の話から始まり、 似たようなテイストの話が続くかと思いきや、 中盤からは幻想文学のような足元のおぼつかない感じを呈し始め、 最終的には予想外の方向へ話が飛んでいってしまう。 まあ、ある意味ではコンセプトどおりとも言えるのだが。 とにかく、結局のところ、唯一無二の森博嗣らしい作品である。 大衆の理解や売れ線といったところからあえて距離を置き 確固たるスタンスで独自の作品を発表する姿勢には敬服するほかない。 非常に面白かったです。 他の作品、小説はもちろんその他の著作もどんどん読んでいきます。 書店で見かけなくなる前になるべく買っておかないとな……。

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2012/04/08

物語の半分が妄想。 半分は大学に対する愚痴。 けど基本は変わらないいつものキャラが オバカでよい。

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2011/04/16

パラレルワールド的な作品群であるZOKUシリーズ。戦隊ものを若干期待したものの、どこかでそんなはずはないという期待もあり、結果としてはグダグダしながらも大学という構造を考察する力に満ち満ちた作品でした。森氏の作品を読むと、学生という身分に希望が持てます。

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2011/04/23

ぐだぐだした感じのストーリーと語りが魅力的な一冊。 1話から5話までそれぞれ別の登場人物が語り手になっている。 どの話も現実なのか妄想なのか曖昧で、基本的にどちらでも大きな違いがないかのような扱いになっている。 全体的に不思議と面白味がある。特にキラリと光る表現、セリフがところ...

ぐだぐだした感じのストーリーと語りが魅力的な一冊。 1話から5話までそれぞれ別の登場人物が語り手になっている。 どの話も現実なのか妄想なのか曖昧で、基本的にどちらでも大きな違いがないかのような扱いになっている。 全体的に不思議と面白味がある。特にキラリと光る表現、セリフがところどころにあり、嬉しくなってしまう。 他人の思考を覗いたら同じように感想を抱くのかもしれない。

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