ボックス21 の商品レビュー
ストックホルムにあるアパートの一室で、鞭打たれて意識を失った売春婦が発見された。リトアニアから連れてこられたという売春婦は、すぐに病院に搬送され、彼女を連れてきたポン引きも国に強制送還され、事件は簡単に片付いたかに見えた。だが、病院で目覚めた売春婦の予想外の行動が、単純だったはず...
ストックホルムにあるアパートの一室で、鞭打たれて意識を失った売春婦が発見された。リトアニアから連れてこられたという売春婦は、すぐに病院に搬送され、彼女を連れてきたポン引きも国に強制送還され、事件は簡単に片付いたかに見えた。だが、病院で目覚めた売春婦の予想外の行動が、単純だったはずの事件を、スウェーデンの闇をえぐる大事件へと発展させてゆく…。『制裁』に続く、北欧発の衝撃的クライムノベル。 ストックホルム市警エーヴェルト・グレーンス警部のシリーズ第2作。いやぁ、なかなかのスケールとリアルな描写、たまりません。読後感はヘニング・マンケルの初期の作品を読んだときに近い。今まで手を出さずにいたのがもったいないです。早川から再刊されたのは当然だろうな。
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スウェーデンミステリー。シリーズ2作目らしい。コンビでの作家。初読。 結構読むの辛かったわー。話が重いわー。リトアニアからだまされ連れてこられた女性が復讐に走る話。刑事たちもなかなかやるせなくて、スピーディに読めたけど後味悪かった。 主人公のエーヴェルトは、北欧ミステリの中でも...
スウェーデンミステリー。シリーズ2作目らしい。コンビでの作家。初読。 結構読むの辛かったわー。話が重いわー。リトアニアからだまされ連れてこられた女性が復讐に走る話。刑事たちもなかなかやるせなくて、スピーディに読めたけど後味悪かった。 主人公のエーヴェルトは、北欧ミステリの中でも癖が強くて面白い。ものすごい癇癪持ちで人嫌い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
デビュー作「死刑囚」のヒットを受けて書かれた2作目で、多彩な登場人物の中から刑事を主人公としてシリーズ化されたようだ。とはいえ、この作品も一部前作の登場人物が絡みながらも多面的な視点で描かれていること、女性に対する暴力、今回は人身売買と言う社会的テーマが事件の前面に押し出されている構図は同じ。緻密な文章、掘り下げられたキャラ造形も同じ。そしてこれも前作同様残念(テーマと絡む以上仕方がないかもしれないが)なことに性暴力に対する情け容赦のない描写は読んでて痛くなる。さらに刑事の切ない過去まで描かれて誰もからも辛い物語だが、プロット、文章のうまさで一気に読んでしまう。社会的問題を描いたスェーデンが舞台の刑事小説(しかも少しずつ群像化しつつある)ということでマルティン・ベックシリーズと比較されることが多いようだが、テイストはヴァランダーシリーズに近い。
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スウェーデンの犯罪小説は、女性への差別・暴力を扱ったものが多い印象。 前作に続き同様のテーマだが、今回は人身売買。 二日くらいで一息に読み終える面白さはあるが、暗い・・・テーマだけでなく、どうしよもなく重苦しい雰囲気が全体に漂っている。
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シリーズニ作目。前作では勧善懲悪につば吐くような救いのないラストが印象的だったが、後味の悪さに加えサプライズ性までも備えた本作ラストの方がより強烈だった。
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ストックホルムにあるアパートの一室で鞭打たれ、意識を失った状態で発見された売春婦。意識を取り戻した彼女は予想外の行動を……。 北欧発のクライムノベル、今作のテーマは人身売買と管理売春。 …なんてイヤな話なんだ…。うすうすラストの予想は付いていたのに、それでも感じるやり場のない憤り...
ストックホルムにあるアパートの一室で鞭打たれ、意識を失った状態で発見された売春婦。意識を取り戻した彼女は予想外の行動を……。 北欧発のクライムノベル、今作のテーマは人身売買と管理売春。 …なんてイヤな話なんだ…。うすうすラストの予想は付いていたのに、それでも感じるやり場のない憤り、虚無感。最悪の読後感だよ…。イヤミスだからこそ描きうる人間・社会の闇を描いた傑作。けど人には勧めづらいなぁ…
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途中でなんとなくカラクリが見えてしまうのだけれど(それが外れていないのもねぇ・・・)、それでもやっぱり震撼する思いは変わらない。
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最近では“北欧”と聞くだけで妙に安心してしまうように、これらの国のミステリは良質でハズレが少ない。本作品も同様である。 いくつかの視点で同時進行する序盤は、先の展開が全く読めない。そんな雰囲気を突き破るように大きな事件が起こる。ここまで読んで実は単純なストーリーだと気付かされるの...
最近では“北欧”と聞くだけで妙に安心してしまうように、これらの国のミステリは良質でハズレが少ない。本作品も同様である。 いくつかの視点で同時進行する序盤は、先の展開が全く読めない。そんな雰囲気を突き破るように大きな事件が起こる。ここまで読んで実は単純なストーリーだと気付かされるのだが、時すでに遅し。それぞれの背景、抱えているものが手に負えないくらい深くて重く、それは読み手の感情の根底に居座り続ける。この重量感がストーリーを単純には思わせてくれないのだ。 作者の経歴を読むと、本作品が決してデフォルメされたものではなく、今のスウェーデンの姿であることは推察できる。だから余計に凹む。この怒りをどこに向けてよいかわからず、またストーリーの行き着く先も見えそうで見えないため、若干のストレスを抱え込んだまま黙々とページを繰っていた。 「謎」の引っ張り具合は確かにミステリだと思う。オチが予想できてもハッキリ決着をつけるまでは止めるに止められない。その辺りの吸引力は強かった。ラスト一行のサプライズも、読み手によって受け止め方が違ってくるのだろう。単なる警察ミステリではなく、問題提起の側面も併せ持つ一冊。
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