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帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。 の商品レビュー

3.8

96件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2016/06/15

お守りみたいに大切な本。元気なときは存在さえ忘れているのに、心がすかすかになったら真っ先に思い出す。棚の一番奥にしまわれている秘蔵の薬みたいに、ちょっとでいい。数ページ読めば、心にしみこんで、じんわりあたたかい。 大丈夫。生きていける。

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2016/06/04

料理家 高山なおみさんの言葉が、「眠れない夜のカクテル」のごとく静かに染みてきます。苦くはないけど甘くはない。濃くはないけど甘くはない。そんな気がします。

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2016/05/01

この季節の夕方にフィッシュマンズはいいよね。このエッセイもこの時期読みたくなります。夢の話と佐藤くんの話が多い。ノスタルジックな気持ちにならないように、センチメンタルな気持ちにならないように気をつけて読んだ。

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2016/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高山なおみさんの、日々ごはん以前の日々の内容を綴ったエッセイ本。日常がにじみでてたり、とても人間くさいところがありのまま綴られていたり、お気に入りの本になりました。 私の体の中には種のようなものがあって、自分ひとりの力では芽を出すことができないでいるけれど、本を読んだり映画を見たり、音楽を聞いたりして感動すると小さな芽が出てくる。それがたび重なって少しずつ成長してゆき、茎も太くなり、しまいには堂々とした太い木になってくれればいいなと思う。誰が何と言っても、自分にはかけがえのないものだからそれでいい。自分だけにしかわからない特別なことを、ひとつひとつ味わってゆけば、それで充分なのだと、今は強く思える。 「やじるしの向こう。」というエッセイは、旦那さまのスイセイさんの娘さんのことが書かれたエッセイ。 高校に入ってアルバイトをはじめ、家出をして一人暮らしをしていたといった内容が書かれている。その締めくくりの言葉が胸を打った。 どこでどう転んだとしても、彼女のやじるしはきっとだいじょうぶ。前向きとか上昇志向とかプラス思考とか、そんな言葉を私は信じちゃいない。彼女は動物のようにわかっているはずだから。人間はみんな、ほんとは幸せになるために生まれてきたって。 →私も、りうのようにたくましく生きれたらよかったのに、と思った。 うんと若い頃、ぼうこう炎をこじらせて2週間も微熱が下がらなかったことがある。今思えばたいしたことではないとわかるけれど、あの頃はひとり暮らしだったから、ほんとうに心細かった。時々やってくる下っ腹の痛みは、親元から離れて暮らしているという、ほんのひとかけらの自立心を、コツン、コツンと砕いていた。強い薬のせいだと思うが、ある日アルバイト先で吐いてしまった。トイレの便器をかかえたまま、せきを切ったように涙が噴き出してきて、もう私はだめだーと思った。好きな男の人ともうまくいかないし、学校だって中途半端。あんなに気に入っていたアルバイトのケーキ作りも飽きてきて、それでも毎日がんばって働いているのに銭湯に行けないくらい貧乏で。自分は東京にいたって、なんにもこれ以上良くなんかならないに決まっている。そう思ったら、東京から逃げるしか考えつかなかった。私はアルバイトを辞めて、ふとんを敷いた兄の車で、その日のうちに田舎に帰って来てしまった。父も母も、なんだかやけに優しくて、お茶を煎れてくれたり、果物をむいてくれたり、そんな、もう20年も前のことを思い出しながら、またふとんにもぐった。 バイトを辞めてアメリカに行くことをきめたH子のことば。 「どこでもいいんですけどね、ただ、旅行しているといろんな人に会うでしょう。そういう時に自分がどうするかなって思って。自分はこういう者ですってどんな風に言うのかなって。今は忘れちゃってるけど、自分がほんとはどうだったのか、もういっぺんたどってみようかなと思って。へへへ」 姑さんの世話をしていて、死んでしまってから、何をしていいかわからなくなってしまったD子のことば。 「ひとの暮らしには、全部がええことばっかりよりも、何かひとつくらいでっぱりがあるくらいの方が、ええような気がするの」

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2016/03/29

ちょっと思っていた感じと違っていましたが、高山氏の文章にいつしか飲み込まれた感じでした。解説は原田郁子氏。

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2016/02/07

料理本は見たことあったけど、 文章の方は読んだことなくてついにデビュー 「夫と喧嘩した時は野菜を大きめに切る」 という彼女の文章を読んだホノカアボーイのプロデューサーが 「この映画の料理担当は絶対に高山なおみで!」といい、 何度も断られたけど3度目でやっと引き受けてもらった と...

料理本は見たことあったけど、 文章の方は読んだことなくてついにデビュー 「夫と喧嘩した時は野菜を大きめに切る」 という彼女の文章を読んだホノカアボーイのプロデューサーが 「この映画の料理担当は絶対に高山なおみで!」といい、 何度も断られたけど3度目でやっと引き受けてもらった という話をどこかで読んでから、ずっと興味があったので だって、中華鍋だけ持って家飛び出して離婚したとか、 微妙な味の違いを気にする職業のはずなのに、煙草吸ってたとか とりあえず自分に正直に生きている感じがする 文章の形式はつれづれ日記で、 読めばわかると思うけど、かなり独特の感覚を持った人 自分の気持ちや考えていることを文章と料理という 2つの方法で体現できるって素敵だと思う そういう人柄だからか、あとがきもアーティストっていう異色さ (クラムボンの原田郁子さん)

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2015/10/20

勝手にほんわかしてるイメージを持っていたけど、そのイメージをいい意味で壊された。ふわっとしてどろどろで、そんな彼女の手から産み出される料理を口にしたい。

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2015/07/04

何とも好い本だった。 まるで、好きな場所(私でいえば、図書館や神社や水族館)に行ったようだ。本を読むのではなく、本に入っていった気分になった。「癒し」だとか「やすらぎ」だとか、そういうものを与える本ではない。私は本に入っていった、そして其処は私にとって気持ちいい場所だった。ただた...

何とも好い本だった。 まるで、好きな場所(私でいえば、図書館や神社や水族館)に行ったようだ。本を読むのではなく、本に入っていった気分になった。「癒し」だとか「やすらぎ」だとか、そういうものを与える本ではない。私は本に入っていった、そして其処は私にとって気持ちいい場所だった。ただただそれだけの、本当に好い本だった。 【読了メモ】 (150704 10:45) 高山なおみ 『帰ってから、お腹が空いてもいいようにと思ったのだ。』/文春文庫/2009 Apr 10th/単行本は2001 Apr(ロッキング・オン刊)

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2015/07/02

なおみさんの言葉はとても生々しさがあります。お料理に対する大切さも好きですが、なおみさんの人生を読ませていただいて、自分の心の隅っこに隠していた感情をほじられるような感覚になりました。

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2015/06/02
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代官山で買った本第二弾。 食のエッセイの棚から買ったので、てっきり食事に関する事のエッセイかと思っていたのだが、「料理家さんのエッセイ」というのが正しい感じ。 最初は想像と違ってがっくしきて、なんだか読みにくくて進まなくて、料理家さんがたばこ吸ってるのが意外でなんか変に受け入れられなくて、もやもやしながら作業のように読んだ。 最近仕事が始まり、通勤時に読むようになったら少しずつ読みやすくなっていき、なぜだろうと思いながらも少しずつ面白くなっていって、本の変化なのか私の変化なのかと考え続けたら、一冊の本を全て読みだすと、少しずつその本に染まっていくのではないかと思うに至った。 本を読むと、少しだけその人に近づくんじゃないか。 人を知っていくとその人を好きになったり嫌いになったりしていくように、少しだけ近い所で出会えるんだなぁと思った。 私は好きになったクチで、たばこもこの人だし、読みにくいのも前に経験したことあるからいいや、この人は俗っぽいけどそれがこの日本の普通の感覚でもあるんだよな、飾ってなんかいないんだよな、なんて思うように。 すごい読みやすい本では無いです、お勧めもできる本でも無いです。 でもなんか、なんだろう、気になった本でもあります。 もう一度読むか分からない、手元に置いておくかもわからない。 でもきっとふと思い出すことがあるような気がする本でした。 本にはレシピも付いていて、それを作ったら何か変わるかもしれない。 今度の休みにでも一度何か作ってみようかな。うん、そうしよう。 そうだ、この本は、日記風のエッセイです。 時間があるときにちょこちょこっと読む進める通勤に読んでみてください。 PS,夢の話が多い彼女はたばこはやめたそうです。

Posted byブクログ