沙蘭の迷路 の商品レビュー
赴任早々、放置された政庁を立て直し、バッサバッサと解決してくディー判事の采配が気持ちいい。 シリーズ中でもエンタメ度が高い作品でした。
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ディー判事シリーズの第一作だがシリーズ時系列的には後半なので、副官が勢ぞろいしている長編小説。複数の事件が絡み合って複雑な様相を呈している蘭坊の街で、ディー判事が一つずつ問題を解きほぐしていく。細かく張られている伏線を回収しながら事実を明らかにしていく様はいつも通りの名探偵ぶりで...
ディー判事シリーズの第一作だがシリーズ時系列的には後半なので、副官が勢ぞろいしている長編小説。複数の事件が絡み合って複雑な様相を呈している蘭坊の街で、ディー判事が一つずつ問題を解きほぐしていく。細かく張られている伏線を回収しながら事実を明らかにしていく様はいつも通りの名探偵ぶりである。 また、判事がいかにも当時の中国の知識人らしい価値観を容赦なく口にするあたり、真に迫っている感じがして実に楽しい時代小説でもある。
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西暦七世紀半の中国──架空の都市・蘭坊。この辺りの雰囲気がよく出ている。風習や社会情勢など、細部に渡って丁寧に書き込んである。そしてそれを書いたのがオランダ人作家だというのだから、全くもって恐れ入る。事件も魅力的だし、構成もしっかりしてるのに、読了まで時間がかかったのは、語り口に...
西暦七世紀半の中国──架空の都市・蘭坊。この辺りの雰囲気がよく出ている。風習や社会情勢など、細部に渡って丁寧に書き込んである。そしてそれを書いたのがオランダ人作家だというのだから、全くもって恐れ入る。事件も魅力的だし、構成もしっかりしてるのに、読了まで時間がかかったのは、語り口に対する相性の悪さが原因。とにかく古典すぎ。オリジナルがこういう筆致なのか、それとも蘭坊の雰囲気を出すための訳者のこだわりなのか知らないが、スラスラと先へ進めず、結局最後まで馴染めなかった。ディー判事を中心とするチームや密室の謎解きなど、好感を持てるシーンがいくつかあっただけに、もう少し噛み砕いた語り口で読みたかったというのが正直な感想。
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