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女三人のシベリア鉄道 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2011/10/20

落ち着いた色味のかわいい装丁、そしてシベリア鉄道、それも与謝野晶子、中條(宮本)百合子、林芙美子の足跡を訪ねるという評伝とも紀行文とも言えない、なんともまぁ不思議な本。著者森まゆみさんのことも、谷中千に詳しい人?というくらいの認識しかなかったが、、。 不思議な魅力満載の『女三人...

落ち着いた色味のかわいい装丁、そしてシベリア鉄道、それも与謝野晶子、中條(宮本)百合子、林芙美子の足跡を訪ねるという評伝とも紀行文とも言えない、なんともまぁ不思議な本。著者森まゆみさんのことも、谷中千に詳しい人?というくらいの認識しかなかったが、、。 不思議な魅力満載の『女三人のシベリア鉄道』は、今年読んだ中で最も魅力的な1冊だ。 当初は読みにくさを感じ、あとがき含めて345ページというボリュームで読むのを止めようかと思いつつ、いつの間にか森さん自身のシベリア鉄道旅と、とりあげている彼女たちの旅路やら人物そのものの描き方がなんともいえずによい。時には主語が森さんなのか、彼女たちのことなのかわからなくなって、読み返すことも多かったけれど。 文学史的な意味でしか三人を認識していなかったけれど、森さんの取り上げる彼女たちの作品はなんとも魅力的。とくにそれぞれが記したシベリア鉄道紀行は、なかなか長編のようだけれど、機会があればぜひ読んでみたい。 旅物の書籍はいろいろあれど、人生の折り返し地点の今、いろいろな意味でこの『女三人のシベリア鉄道』は、まさにおすすめしたい1冊。

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2011/09/26

与謝野晶子、中條百合子、林芙美子の旅の軌跡を追って、森まゆみが旅をしながら、それぞれの生き様に思いをはせる書。森さんの住む谷根千に、森さんの生き方と行ったり来たりしながら、3人の、いや、森さん自身を含めた4人の女性の社会との関わり、生かされ活きることが綴られていく。なんともダイナ...

与謝野晶子、中條百合子、林芙美子の旅の軌跡を追って、森まゆみが旅をしながら、それぞれの生き様に思いをはせる書。森さんの住む谷根千に、森さんの生き方と行ったり来たりしながら、3人の、いや、森さん自身を含めた4人の女性の社会との関わり、生かされ活きることが綴られていく。なんともダイナミックな人たち。夢と理想と女であること、という現実の狭間で自分の思いを糧に生きる。すごい、すごい、ただただ、すごい。そして、できそうで、でも、できないことだ、と思ってしまう自分の小ささを感じた。時代の閉塞感がないわけじゃない、そんななか、これから読んでみたい本が増えました。

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2009/10/11

明治から昭和の初めにかけて、世界最長9000km超のシベリア鉄道で、与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子が欧州に渡った。それぞれの理由を携えて、単独で、また、友と共に。 森さんが、実際にその旅程を辿りながら、それぞれの日記や私小説を紐解き、かつての旅を検証していきます。4人の旅が時間...

明治から昭和の初めにかけて、世界最長9000km超のシベリア鉄道で、与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子が欧州に渡った。それぞれの理由を携えて、単独で、また、友と共に。 森さんが、実際にその旅程を辿りながら、それぞれの日記や私小説を紐解き、かつての旅を検証していきます。4人の旅が時間を超えて交錯します。面白い。 明治の女流作家って、高校生の頃に全然ピンとこなくて、それっきりだったけど、今なら読めるかもしれないという気になりました。

Posted byブクログ

2011/08/03

九千キロのシベリア鉄道から乗り継いでパリへ。森さん自身の旅と、与謝野晶子、中條百合子、そして林芙美子の旅を重ね合わせながら綴る一冊。鉄道そのものもさることながら、建造物と食べ物の描写に惹かれます。

Posted byブクログ

2009/10/04

かってシベリア鉄道に乗った与謝野晶子、中條百合子、林芙美子の足跡をたどりながら通訳の女性3人との現代の旅。 羨ましいけど気分だけ味わっての、誌上旅。ちょっと読みづらいのが難かな。

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2009/10/07

与謝野晶子、林芙美子、宮本百合子は、すこし時期はずれるけれど3人ともシベリア鉄道で洋行した経験があり、それぞれ紀行文を残している。 五木寛之のヒット作「青年は荒野をめざす」でも貧乏な若者たちはシベリア鉄道ルートで西欧社会に飛び込んでいった。そんな1970年代に若き日を送った著者...

与謝野晶子、林芙美子、宮本百合子は、すこし時期はずれるけれど3人ともシベリア鉄道で洋行した経験があり、それぞれ紀行文を残している。 五木寛之のヒット作「青年は荒野をめざす」でも貧乏な若者たちはシベリア鉄道ルートで西欧社会に飛び込んでいった。そんな1970年代に若き日を送った著者にとってシベリア鉄道搭乗体験は気持ちを魅かれるものだったろう。 著者らしい思いいれの強い感性で、女三人の足跡を辿るシベリア鉄道紀行文は、どんな心境であの当時の女が言葉も通じない長旅をしたのかを推察したり、現在と往時の現場の違いなど確認の旅でもある。 同行のロシア娘の現代っ子ぶりもなかなかよろしい。 3人も登場するのでなんだか散漫になったり、中だるみも起きていて、3人すべての旅の中身を心象を含めて描き出そうとするのはちょっと無謀だったようにも感じる。

Posted byブクログ