差分 の商品レビュー
佐藤雅彦が広告代理店からSFCに移って来たのは確か大学三年の時。当時からユニークな発想は変わらないが、一見するとどうでも良いことに一生懸命なことは人間として大事だと思う。無駄があって良いのだと思う。好き嫌いがあるかも知れないがお薦めの一冊。
Posted by
点と線だけで膨らむイメージ ひとつひとつの絵には 時間の経過がなく その瞬間でしかない 差分をとることで ストーリーが 脳の中に浮かび上がる 時間、音、風、指先の感触 舌触りまでもリアルに感じる 実際にはありえないことを 脳は勝手に想像し 結果的な事実のみ 点と線から導き...
点と線だけで膨らむイメージ ひとつひとつの絵には 時間の経過がなく その瞬間でしかない 差分をとることで ストーリーが 脳の中に浮かび上がる 時間、音、風、指先の感触 舌触りまでもリアルに感じる 実際にはありえないことを 脳は勝手に想像し 結果的な事実のみ 点と線から導き出す 不思議な感覚 脳は勝手だし適当だ 当然と思ってみている景色 常識と思って考えていること 無意識で自分の世界を 脳はつくりだしている 人はそれぞれ 見えている世界が きっと違う 普段は 考えないことを 意識することはとても楽しい
Posted by
二つの絵を見た時に、そこから起こる様々な反応を楽しむというテーマの本。言葉によらずに、絵がメインの表現となっているところがいい。 大学の研究室での研究テーマが元になっているためか、かなり学術的な色合いが濃くて、そこがユニークなところでも面白いところでもある。 途中、佐藤雅彦氏と茂...
二つの絵を見た時に、そこから起こる様々な反応を楽しむというテーマの本。言葉によらずに、絵がメインの表現となっているところがいい。 大学の研究室での研究テーマが元になっているためか、かなり学術的な色合いが濃くて、そこがユニークなところでも面白いところでもある。 途中、佐藤雅彦氏と茂木健一郎氏の、「脳の働き」という観点から見た「差分の処理」についての対談も挟まれている。 1秒間で30フレームもの絵を表示するようなアニメーションとは違い、たった2枚の絵だけで表現するというのは、鑑賞する側に高度な想像力が要求される。 単なる点の集まりである星の光を見て、そこから様々な星座や物語を生み出したのと同じような、原始的なインスピレーションを呼び起こす刺激が、この本にはあった。 結局、言語っていうのはいろんな「modality(種々の感覚)」の情報を統合するところから生まれてくるので、「にゅるーっ」ていうのはもちろん視覚でもあるし、時間感覚でもあるし、触覚でもある。そういういろんな感覚の統合過程を通して、「にゅるりん」とか、言語やオノマトペに近いような情報が脳の中に表現されているわけで。いったん言語にしてしまえば伸縮自在といいますか、それこそ刹那から永遠まで言語で表せる。そういう意味で、言語っていうのはトップダウンの最たるものなんです。(茂木健一郎)(p.150) 「差分」というものを突き詰めてみようと思ったきっかけの一つは、それが本来人間にとって必要で、もともと備わっている機能ではないかと考えたからなんです。たとえば、原始社会では暗闇で動物がざわっと動いた気配、そのちょっとした日常の差を感じられるかどうかが、そのまま生死にかかわったわけで、そういう機能があったとしたら、それを現代に呼び起こすことができないかと思ったんです。(佐藤雅彦)(p.152)
Posted by
著者はNHKのピタゴラスイッチで有名な佐藤雅彦さん。 理解するよりも、脳でイメージするというめずらしい本。 氏の提唱する「差分」というのは、いくつかの捨象された(抽象化された)イメージを連続的に見ることで、能動的に自らストーリーをつくってしまう、という内容。 そしてそれは実...
著者はNHKのピタゴラスイッチで有名な佐藤雅彦さん。 理解するよりも、脳でイメージするというめずらしい本。 氏の提唱する「差分」というのは、いくつかの捨象された(抽象化された)イメージを連続的に見ることで、能動的に自らストーリーをつくってしまう、という内容。 そしてそれは実際には起こりえないストーリーであっても、それ以外の要素は考えずに、目の前のイメージのみから解釈してしまうという。 そして巻末の対談のなかでの茂木さんの指摘がするどい。 イメージ間の差異から解釈するということは、批判するという行為の本質と同じようなところがあると言っていて、おそらく何かを判断するということは、少なからずこの差分という働きがあるように思う。
Posted by
ピタゴラスイッチのあの人の本。 パラパラ漫画のような不思議な絵と絵の「差」から確かに見えるものがある。 哲学的でもあり、ぐいぐい引き込まれる。
Posted by
- 1
- 2