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科学の落し穴 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2021/05/19

宇宙物理学を専攻している大学教授が、科学を深く知るが故に、科学に頼りきってしまう落とし穴を語る。新聞や雑誌のコラムに2000年台に掲載したものを編集したエッセイ集のような本。 概ね「便利が行き過ぎて、新しい技術に人が振り回される」のを嫌う論調。だから筆者は携帯を持たず、パソコン...

宇宙物理学を専攻している大学教授が、科学を深く知るが故に、科学に頼りきってしまう落とし穴を語る。新聞や雑誌のコラムに2000年台に掲載したものを編集したエッセイ集のような本。 概ね「便利が行き過ぎて、新しい技術に人が振り回される」のを嫌う論調。だから筆者は携帯を持たず、パソコンも「仕事上、メールを使わざるを得ないから使う」。操作がわからなければ大学院生にやってもらうので不自由はしていない、という話が度々登場する。 「必要は発明の母」ならぬ「発明は必要の母」という言葉がこれを象徴している。昔の技術革新とは違い、必要なモノが溢れると必要以上にスペックを上げ、無理やり需要を創出しようとしてしまう。 本書のコラムは2009年より前。大学教授という立場上も、世間のシステムの飛躍に抗うことができたのだろう。昨今の「オンラインでないとワクチン摂取の予約も門前払い」で高齢者が戸惑う世の中より、まだ科学の落とし穴にはまらないで済む時代だったのかもしれない。

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2015/11/27

2015/11/27 良く言えば今めまぐるしく変わっていく科学についてちょっと立ち止まって失われたものなどについて書いてある本 悪く言えば、著者が新しい科学技術のスピードについていけてない本 子供の科学のところは興味深かった -電子レンジでオーロラ -電子レンジ ボウルに入...

2015/11/27 良く言えば今めまぐるしく変わっていく科学についてちょっと立ち止まって失われたものなどについて書いてある本 悪く言えば、著者が新しい科学技術のスピードについていけてない本 子供の科学のところは興味深かった -電子レンジでオーロラ -電子レンジ ボウルに入った水の中にアルミホイルで覆った卵を入れてチンすると…? 電子レンジ原理を学ぶ ↑科学の細分化が進んでいく中、まずはみじかな物を使った実験で興味をもたせる -科学と文学 「月と雲」 石原 純 -科学絵本

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2015/07/11

著者が雑誌や新聞で執筆していた時評を1冊にまとめたもの。一気に読むとかなり疲れてしまうので、机の傍らに置いて休憩がてら1テーマずつ読むのがいいんじゃないかと思います。 時評なので内容は多岐にわたる。

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2012/08/06

総合研究大学院大学教授池内了氏の科学時評集。中日新聞「時のおもり」、富士ゼロックス「グラフィケーション」に執筆されたものを中心にまとめられている。印象深かったのは技術が道徳の代行をしはじめているという現実である。すなわち昨今、映画館や学校では通信妨害電波を発信してケータイを実質的...

総合研究大学院大学教授池内了氏の科学時評集。中日新聞「時のおもり」、富士ゼロックス「グラフィケーション」に執筆されたものを中心にまとめられている。印象深かったのは技術が道徳の代行をしはじめているという現実である。すなわち昨今、映画館や学校では通信妨害電波を発信してケータイを実質的に使えなくするなど、人間の道徳心に頼るべきところを科学技術によって問題が発生しないように前もって手を打ってしまっているのだ。表面的には道徳が機能しているかのような状況を現出しているのだが、これが慢性化すれば、道徳的な判断力は必ずや衰退していく。本来の道徳的な目標が忘れ去られてしまうならば、そこにあるのはただ技術に振り回されるだけの荒廃した社会である。

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2012/01/03

 <疑似科学に対抗するために>  人間は完全には合理的に決してなれない。また社会に蔓延する不合理、非論理性を除去することを叶わない。疑似科学やオカルトは社会の矛盾を個人に転嫁することが得意だと著者はいう。責任感の強い真面目な人間ほどオカルトにはまりやすい。合理と不合理の境界が曖...

 <疑似科学に対抗するために>  人間は完全には合理的に決してなれない。また社会に蔓延する不合理、非論理性を除去することを叶わない。疑似科学やオカルトは社会の矛盾を個人に転嫁することが得意だと著者はいう。責任感の強い真面目な人間ほどオカルトにはまりやすい。合理と不合理の境界が曖昧になったとき、そこに、つまり心に付け入る隙ができたときに、文字通り隙間風のように少しづつ理性という熱を冷ましていくのだ。疑似科学やオカルトはある種のガス抜きでしかないと自覚して楽しむぶんには、むしろ健全であると思うが、それがメインになってくるとかなりまずい影響を社会に与えることになりかねない。といって、特効薬があるわけでもない。では具体的に社会全体としてどう対処すべきなのだろうか?  まず第一に何よりも教育である。合理と不合理の区別をつけるための最低限の判断ができるように訓練すること。疑う心を、考えぬく習慣をつけることだ。いまひとつは、非合理のメカニズムを説明し、異議申し立てすること。こうした地道な努力を怠れば思いがけない損害を自らが被ることになりかねない。自分の問題として考えること。こうした姿勢は自明であるものの忘れてはならない非常に大切な事柄である。  

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2011/06/26

正直なところ読んでて非常に疲れた。 著者の考えを押し付けられてるような気がして。(そもそも本なんてそんなものかもしれないが) なんとなく自己矛盾をきたしている部分が感じられた気もしたが、正直そこまで内容が頭に残っていない。

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2010/02/24

当たり障りの無い科学エッセイ。タイトルからもう少し踏み込んだものかと期待していた。著者の年齢からか、少しバイアスがかかっているところも散見される。

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2009/11/07

副題-ウソではないがホントでもない~1「何が起こっているか」技術革新40分の1の法則・コンピューター社会の脆弱さ・JRの大事故・IPCCの統合報告書の計画・納豆騒動:2「科学の歴史に学ぶ」ピカソと科学・江戸の科学者:3「技術とうまくつきあう」発明は必要の母としてのケータイ・食べ物...

副題-ウソではないがホントでもない~1「何が起こっているか」技術革新40分の1の法則・コンピューター社会の脆弱さ・JRの大事故・IPCCの統合報告書の計画・納豆騒動:2「科学の歴史に学ぶ」ピカソと科学・江戸の科学者:3「技術とうまくつきあう」発明は必要の母としてのケータイ・食べ物をはかる:4「科学が好きになる」見せ物としての科学・科学絵本・なんで?の授業:5「科学はどこへいく」大学の企業化・医療倫理・科学者の共有地:6「科学にできること,できないこと」複雑系としての地球環境問題・地震は予知できない・日本の宇宙研究~1944年生まれ,父が早く亡くなって機械音痴で過ごし,京都大学卒業後に理系に進路をとり,宇宙物理学を専攻。大学の法人化に際して名古屋大学から早稲田大学に移り,1年で総合研究大学院大学に移る。2004年から2008年に書きためたモノを一冊にしたが,あちこちに書いているから,重複する箇所もある。科学時評だけでなく,広く科学社会論を書くべきだと考えて書いたもの。途中,難しい話を展開しておいて,最後は読みやすい話題に転換する手法。朝永振一郎や湯川秀樹や,古く寺田寅彦に触れているが,小柴昌俊に触れていない点が不審。この人は自分で書いているとおり環境擁護派で,Slow, Long Time Horizen, Time Horored を信条に生きている。専門分野である天体観測の道具としての望遠鏡や人工衛星の話は興味深く,ロケットの打ち上げに失敗したときは大々的に報道されて「ああ又失敗」と落胆させられるが,ちゃんと役目を果たしている衛星の仕事ぶりは知らないモノだと考えさせられる。ウソではないがホントではない・とは数値データや不確かさだ

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2009/10/07

ここにもいた。頭のいい人が。 ●170「こどもにうける科学手品77」 ★読んでみたい ●175大都市のみが我が世の春を謳歌する一方、農山村は過疎に悩まされ、地方小都市は空洞化が進み、中間都市は大都市のマネでお茶を濁している。 ★端的に表現してるな。感心。

Posted byブクログ