「食糧危機」をあおってはいけない の商品レビュー
【きっかけ】 小飼弾 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51202213.html 「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」を読んでからがよいという。 極東ブログ http://finalvent.cocolog-n...
【きっかけ】 小飼弾 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51202213.html 「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」を読んでからがよいという。 極東ブログ http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/03/post-c7d4.html 池田信夫blog http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e0cb0968c8492cad4abf0e6f5167a532 【内容】 最近、減反政策の変更が言われている。 「食糧危機」の実体を説明してくれている。 マスコミで騒がれていることを、データに基づいてきっちりと説明してくれてる。 そういうことなのだとの納得の一冊でした。 この本、まるで海外のペーパーバックスのような紙質と製本なんです。 【ポイント】 11/システム工学は出来事を構成しているさまざまな要素を吟味して、 どうしてそうなるのか、どうしたら別の結果を導けるのかを研究す る学問。 中国の人口爆発で穀物の需要急増 「買い負け」でマグロが食べられなくなる 人口爆発で食糧が不足する。 ←これらは全て俗説 172/食糧危機説の期限 197出版『成長の限界』 176/『だれが中国を養うのか』 187/危機説が見逃していたのは、生産技術の進歩とそれによる単収の 増加現象 188/1970年以降、世界全体の穀物生産量が人口増加を上回る速さで増 加した。 一方、畜産の現場では、飼料が穀物から大豆の搾りかすに変わった。 194/システム工学の立場から「社会全体のなかで農業を位置づけてい く」ことを強く意識した 196/ ◆正しい答えを出すために何より大切なのは正確な情報である。 これまでは、「一生懸命働いて、いい製品を作れば売れるのだ」 といったアバウトなやり方をしていたところに、組織の運用法を 数学的に検討する手法が生まれた(システム工学) 201/フランスでは、小麦の1ヘクタールあたりの生産量は、7倍になり、 人口は1.4倍にしかなっていない 202/日本人は「この道一筋何十年で一芸を極めて」が好き。 反対に冷静な多元的な分析は「専門性がない」と好感をもたれない。 208/2008年の食糧価格の高騰は商品市場に投資資金が流入したことに よる、一種の金融現象 217/なぜ日本人は「一億総飢餓」をイメージするか 219/配給制度がうまくいってしまったが為に、食糧不足が深刻な終戦 後の1年間、国民の全階級で平等に餓えてしまい、それがトラウマ になった。しかし、餓死する人はいなかった。 230/あるべき日本の農業 ◆現在の農業政策策では、財政コストがかさむばかりで、まじめに 日本人の食糧を作ろうと考えている農家ほど困窮している。 これは、日本政府が農業生産についての戦略判断を根本的に間違 えている。 基本方針が間違っているので、ときが経つほど苦しくなっている。 231/日本政府はもう、何かの時に食糧を輸入できなくなるかもしれな い」という間違った思い込みに基づいた政策をやめるべき 232/◆「国内生産力を維持しなければならないとする発想から抜け出 し、少量でも利益がでる作物を作ること。そこに日本の農家の 生きる道がある。 ◆食糧危機の幻想にすがって、「食糧安保保障」という重荷を農 家に背負わせるべきではない。
Posted by
日本人がどれだけ無知で、ドMかが伺える。振り回されてはいけない。日本がすべてのことに振り回されるのは戦後平等に飢餓に晒されたからだというのはすばらしい知見だと思う。
Posted by
■BRICsの成長で穀物の需要急増? ・アジア人は牛肉を食べない。 ・豚肉・鶏肉は、牛肉ほど穀物を必要としない。 ・大豆の絞りかす(大豆ミール)を使用。小麦やトウモロコシを大量に使わなくて済んだ。 ・ブラジルが中国の需要をまかなえる。 ■魚の買い負け? ・世界の魚ブームは一時...
■BRICsの成長で穀物の需要急増? ・アジア人は牛肉を食べない。 ・豚肉・鶏肉は、牛肉ほど穀物を必要としない。 ・大豆の絞りかす(大豆ミール)を使用。小麦やトウモロコシを大量に使わなくて済んだ。 ・ブラジルが中国の需要をまかなえる。 ■魚の買い負け? ・世界の魚ブームは一時的。 ・日本のような魚文化は他の国にない。 ・経済成長過渡期には一時的に魚の需要が増える。 ■食糧生産は限界? ・緑の革命 他収穫量品種への改良 化学肥料・農薬の普及 灌漑面積の拡大 ・上のような集約農業が行われているのは世界的に見ればごく限られた地域でしかない。 オーストラリア・ブラジル・アルゼンチンのような農業大国でさえ、あまり行われていない。 土地の値段がただ同然の国々では、手間を省いたほうがよい。 ・アフリカは貧しいのに肥料を使わない。 豊作だと価格が暴落してしまう。インフラが整備されていないため、地域の外に運び出すことができないから。 ・WTOで先進国が話し合っているのは、穀物の押し付け合い。途上国の穀物なんか買ってられない。 ・本当にアフリカの人を助けたいなら、米や小麦を輸入してやれ。 ・農業→工業化→IT 食糧を買ってくれる国がないから、途上国は、工場誘致やIT産業が農業の先にある。 ■農業用地が減少? ■水が足りない? ・農業大国は、降った雨だけに頼る「天水農業」を行っている。手の掛かる「灌漑農業」は行っていない。 ・バーチャルウォーター・・・天水農業なら水の無駄遣いではない。 ■地球温暖化の悪影響? ・逆に生産はアップする。 ・熱帯ではマイナス。温帯や亜寒帯ではプラス。世界的にはプラス。 ・寒冷化の方が危険。 ・温暖化は100年という極めてゆっくりとしたスピードで進行。科学技術の発達と人間の適応能力でなんとかなる。 ・温暖化で蒸発量が増え、雨量が増える。 ■バイオ燃料? ・アメリカのバイオ燃料政策 休耕地の利用を念頭に置いたもの。理論上、食糧需要には影響ない。 中近東に対する牽制。 生産者農民の歓心を買う。 バイオエタノール生産に補助金を出したとしても、全体としては財政支出を削減できる。 穀物価格上昇は貿易収支改善。 牛肉・牛乳業者からは反感。 本当は地球環境に優しくない? バイオ燃料の生産は、生産に費やすエネルギーのほうが高いかも。 ・ブラジルのサトウキビ由来エタノール (1バレル34ドル) は普及するかも。 ・アメリカのトウモロコシ由来エタノール (1バレル77ドル) は一時的なブームだろう。 ■日本の食糧自給率が4割の理由 米の自給率・・・90% 野菜・・・・・・・・・80% 豚肉・・・50% → 50%×10%=5% 飼料・・・10% 肉の自給率は飼料の自給率からも計られる。 高度経済成長で肉・油の消費が上がり続けた結果、自給率が下がった。 輸入量が増えたのは油と飼料穀物だけ。 飼料穀物は自由化されている。国産価格は世界の10倍なので太刀打ちできない。 ■フードマイレージ? ・船による穀物の大量輸送のほうが、陸上のトラック輸送に比べ、CO2排出量が少ない。
Posted by
いかに自分の知っている事が非常識か…。何でも平均で考えてしまうと正しくない結果を導きかねない。日本は1946年に皆が飢餓を経験し、食糧危機に対して強い危機感を持っているため、世界の常識とはかけ離れた食糧危機が独り歩きしている
Posted by