ブルターニュ幻想民話集 の商品レビュー

アナトールル・ブラーズ【編】,見目誠【訳】

2023/12/12

図書館で見て借りた。
以前、購入した大著ブルターニュ死の伝承の抄本の模樣。元本は面白いけれど分厚くて持ち歩くの大変なのでこれくらいのコンパクトなのはいいな。いや、コンパクトと言ってもハードカヴァーでかなりずっしりだけれど。
死が避けられぬ運命として存在するのは今も昔も変わらぬことながら、今とは比べものがないほど生活が過酷だった当時の、それも辺境の人たちにとっての死の印象。
それにしても愛している姪の前に不気味な水死体で現れる叔父、悲しい話だけれど姪の気持ちをもう少し思いやってよ。

2021/06/21

3.11の大震災の後、亡くなった方と遭遇したという報告が多くあがったと聞く。この本に収められている逸話を読んで、そのことを思い出した。こちらは19世紀などにブルターニュ地方で聞き取られた不思議な話の数々で、遠く離れた家族が亡くなった日時に異変があったり、名作ミュージカル「エリザベート」のトートを彷彿とさせるような死神を見てしまったり、亡くなったはずの人と出会ったり。時代も場所（国）も違うのに、同じような話が伝わっているのが興味深い。私は霊感などはないけれど、不思議な話もあり得ないことではないのでは…と思っている。
ただ、似た感じの短い話が続くので飽きてしまって最後までは読み切れなかった。