小説作法ABC の商品レビュー
2021/2/7 作家がどういう動機から、何のために、具体的にどのように物語を創作するのかのヒントが散りばめられている。小説を「いかに書くか」と併せて「いかに読むか」とも読め、一石二鳥。それに付随した雑談(法政大学の講義をもとに書かれた本だから?)もとても勉強になる。 一つだ...
2021/2/7 作家がどういう動機から、何のために、具体的にどのように物語を創作するのかのヒントが散りばめられている。小説を「いかに書くか」と併せて「いかに読むか」とも読め、一石二鳥。それに付随した雑談(法政大学の講義をもとに書かれた本だから?)もとても勉強になる。 一つだけ印象的な一節を書き留めておこう。 「ドロップアウトとは、たんに負け組になることではなく、勝ち負けを超越することです」 →李白や杜甫 メモ ーーーーーーーーー 文学全集の冒頭だけ読み漁り、文豪たちが読者をワクワクする世界にどのように引きづり込むかを体得。 人は放っておいてもストーリーテラー 個々の書き手が辿りについた技術の集大成こそ文学 ロマンスは定型 小説は自己批評の精神 冒頭にWhy?を強めに 日本の近代文学は貧富の差の縮小を目指していた →文化の政治性 ありきたりな名前は読者が自分のことを書かれていると思い込むような仕掛け 日本は日記という形式が尾を引く 文学は世界を豊かに見る窓 東京は地方の植民地化を受けた 歴史がない 韓流ドラマの記憶喪失は徴兵制 ドイツの民族統一 → ロマン主義 文学は人の怪物性を暴く 文学は、そのイマジナリーな時間を最大限もてあそぶことができるというメリットを持っています。 →文学の包容力
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琉球大学附属図書館OPAC http://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA8943619X
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あの島田雅彦も年取ってずいぶん説教くさくなったものだな、という感想は措いて、かなり具体・実践的な「小説の書き方」指南書。特に創作への関心も意欲もない者にとっても、「小説の読み方」の参考になる。
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分類されているのでポイントが把握しやすい。 百科全書的小説の執筆を目指して、得意分野の知識をより深めようというのは面白い なんかところどころ鼻につくがノウハウ本だしまあどうでもいいか。
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島田雅彦による小説の書き方指南書。小説の書き方や考え方を論理的に解説する。 普段はあまり小説を読まないので、小説技法については気にしたことがなかったが、これを読むと小説家はさまざまな技法を駆使し、緻密に設定しながら書いていることがよくわかる。小説をジャンル、構成、書かれる対象、語...
島田雅彦による小説の書き方指南書。小説の書き方や考え方を論理的に解説する。 普段はあまり小説を読まないので、小説技法については気にしたことがなかったが、これを読むと小説家はさまざまな技法を駆使し、緻密に設定しながら書いていることがよくわかる。小説をジャンル、構成、書かれる対象、語り手、対話、描写、視点、時間、言葉、書く目的等の要素別に解説しており、小説を書くためだけでなく、読む際にも参考になると思う。ただこの本に書かれている内容は、非常に緻密で、著者にとっては最低限のルールなのかもしれないが、これから小説を書きたいと思う初心者には、かなりハードルが高そうだ。著者は、小説家を目指すのであれば、このルールを踏まえたうえで更に個性を持たせることが必要と説く。各章の最後にトレーニングの課題があり、これを実践してみると自分の能力がよくわかる。(自分は小説家にはなれそうにないと自覚できます) 小説の読み手側としては、作者の力量を推測するのに役立ちそうだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
身もふたもない言い方からはじめますと、小説のみならず、あらゆる表現活動を行おうとする際、自分の無意識のパワーなどというものを過信してはなりません。この〈特別な私〉が主体であれば、カメラのシャッターを切れば自意識が反映されたすばらしい写真が撮れ、舞台に立てば魂の叫びが観客の心を打つ演劇表現になる……などとは、ゆめゆめ思ってはならないのです。
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ちょこちょこ出てくる村上春樹の分析が面白かった。 その他の参考文献も。 いやいや内容も勉強になった。 特に私小説は自分の一番知られたくないことを書け、というあたりとか。
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最近「書く」ということに興味を持ったので手に取りました。 このような小説の書き方みたいな本を読むのは初めてだったので興味深く読み進むことができました。 どのように語るか、どのように書き進めていくかということが分かりやすく書かれているように感じます。 これから小説を書こうという人が...
最近「書く」ということに興味を持ったので手に取りました。 このような小説の書き方みたいな本を読むのは初めてだったので興味深く読み進むことができました。 どのように語るか、どのように書き進めていくかということが分かりやすく書かれているように感じます。 これから小説を書こうという人が基礎の部分を学ぶために読むといいかもしれません。 また小説を書かない人でもこれを読めば小説を読むときに、小説がどのように書かれ、作者が何を思ったかを意識する手助けになるでしょう。
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島田雅彦の小説は、気難しい人なのではないかというイメージを持っており、まだ読んだことがありませんでしたが、この本はさすがは作家だと思わせる、丁寧に分かりやすい文章で、親しみが持てました。 かなり広範囲に渡って小説について語られており、一人でここまで仕上げるのは相当の労を要しただ...
島田雅彦の小説は、気難しい人なのではないかというイメージを持っており、まだ読んだことがありませんでしたが、この本はさすがは作家だと思わせる、丁寧に分かりやすい文章で、親しみが持てました。 かなり広範囲に渡って小説について語られており、一人でここまで仕上げるのは相当の労を要しただろうと思います。 一つの項目に対して引っ張ってくる例えがバラエティに富んでおり、とにかく話題が豊富。 著者の縦横無尽な知識の深さが随所に感じられました。 起承転結は小説の要だと、さんざん語られてきていますが、数学の証明でも学術論文でも同じだという話になるほどと思います。 小説というよりは、すべての要だと考えるべきなのでしょう。 「日本文学で皇族が描かれることは外国人を主人公にするのと同様、例が少ない」という意見も、言われて気がつきました。 外国人を主眼にする場合、やはり文化や言葉の壁というものがあるのでしょうか。 小説とはあまり関係がなさそうですが、なぜ韓流ドラマで記憶喪失というテーマが頻出するのかということにも言及していました。 韓国には2年半の徴兵制があり、それまでの人間関係や生活スタイルがいったん断ち切られる感覚があるというのがその一つの答えだそうです。 徴兵制のメタファーとしての記憶喪失だったとは、意外でした。 ピアニストのリヒテルは、ワールドツアーに出ていても一日8時間の練習を欠かさないため、ホテルの客室係が部屋の掃除にいつ入ればわからない、というような雑学まで語られており、面白く読めます。 私が好きな中沢新一の『アースダイバー』が紹介されており、嬉しく感じました。 また、芥川龍之介の『羅生門』の意味もその良さも、実は全くわからずにいましたが、人が修羅になり餓鬼に落ちていく堕落の図だという説明に納得しました。 刑期があっていずれ出所できる囚人と、死刑囚とを比較すると、死刑囚の方が創造的なものを作るという話と、小説家を志す人への覚悟を重ね合わせて書いている点には驚きました。 かなり思い切った例えを使っています。 さらに、「覚悟ができたら、果敢に自分の無意識の底まで降りていきましょう。そして、おのが欲望、本能を開放するのです」という、この本の締めの文章も、ほかの本には見られない斬新さを感じて、著者に一目置く気持ちになりました。 柔軟な発想と着実な知識を持つ作家だということが伝わってきた文章。 著者への興味が出てきたため、今度は、著作を読んでみようと思います。
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ためになる本 島田雅彦の書評はよくよむけど小説はよんだことないのでてにとってみます。関係ないけどかなり男前。
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