13の理由 の商品レビュー

ジェイアッシャー【著】,武富博子【訳】

2018/06/06

小さな傷がいくつも重なって、彼女の心はずたずたになってしまった。もしかしたら大人なら、この困難を切り抜けられたかもしれない。こんな程度のことで自殺するなんて、と思うかもしれない。けれど彼女の受けた傷は深く、重く、彼女自身を支えられないほどだった。
人の人生に影響する言葉や行動の重みを、もっと考えなくてはならない。

2018/05/13

高校生男子がNetflixで観ていたのをチラ見していて続きが知りたくなり読みました。話はめちゃくちゃ重たい。でも我慢して最後まで読んでほしい。語り手が既にこの世にいないのでハッピーエンドとはいかないけれど、読後感は意外に爽やか。高校生の自殺に至るまでの理由の独白、という設定なのでもはや取り返しがつかないのだけれど、ラストに微かな救いが残されていて、読んだ者が自分の人生を考え直すように作られている。救いようのない愚か者のオンパレードの中、カフェのマスターや友人、家族の温かな気遣いに心洗われる。ポーター先生のあたりのエピソードは、日本で実際にあった事件と被る部分が多くて読むのが辛い。

2018/04/22

2週間前に自殺した少女の声が入ったテープが送られてきた。
７本あるテープには自殺しなければいけなかった理由がたんたんと語られる。
しかも、本人たちはその少女に影響をもたらしたと思っていないだろう人々の名前も出している。
そしてテープはその登場人物たちに順番に送らないといけない。

主人公クレイは、この自殺したハンナに少し好意を持っていた。彼女が自分に助けを求めてくれなかった事を悲しみながらもテープを聞き続けていく。

斬新な内容だったけど、主人公の語りとテープの語りのフォントが似たような感じで、最初は読むのに苦戦した。
それにだいたいはニュアンスで自殺の理由はわかりつつも、なかなか核心に近づかない事にモヤモヤするというか。

映像になった方がわかりやすいかも。

2017/09/26

一人の女の子を自殺に追い込んだ理由が、女の子の告白により徐々に明らかになっていく。心が少しずつ削り取られ、最後には唯一の希望すら追い求めることが出来なくなってしまう。思春期の過ちだけでは済まされない。でも現実世界でも日常的に起きているのでは、表面に出ていないだけで。
自分はこれまで何人の人を傷つけてきたのだろう。自分が未熟だったがゆえに今でも後悔の記憶としてはっきりと残っているものがある。しかし、記憶に残る行動のみが人を傷つけたものだと言い切ることは出来ない。自分の何気ない行動、仕草でどれほど多くの人に嫌な思いをさせただろう。
普段であれば気にもされない些細なことも、たて続けに起こり、しかも自分の気持ちと正反対の方向性を持って集約したとき噂やいじめと感じてしまう。だからみんな最初はいじめと感じていない。そして気が付いた時には人を傷つけ、いじめも一人では解決出来なくなっていく。
3.11の地震以降盛んに「絆」が叫ばれるが、人を救うのに本当に必要なのは勇気なんだろう。

2014/04/11

そんなことで？　と思うようなことでも、それが次へ、また次へとつながることで大きな影響をもたらす。

たとえ特別なことをしていなくとも、自分の存在がときには他人の人生を（良い方向へも悪い方向へも）大きく変えることがあるのだということを改めて感じました。

内容とは別の問題で、文の体裁がとてもわかりにくかったです。テープの独白部分と聞き手の心の声とのフォントの違いがほとんどなくて、読みながら混乱してしまいました。それがもうすこし区別されていたらもっと心に迫るものがあったと思うのですが。

2013/04/03

淡々と進んだ。
言葉が綺麗。
ハラハラした。

内容としては衝撃的ではないけど、とても綺麗にまとめられてて、何かを諭したい、伝えたいって気持ちがすっごい伝わって来た。

何よりストレート。
若い人にもスーッと入って来ると思う。

「あなたがだれかの人生の一部分に関わったとき、あなたはその人の人生のすべてに関わっているのです」

2012/09/24

図書館でかりたやつ。
主人公が友達の車の中でテープを聞くところが印象深かった。
髪を切るっていうとこの理由とか、ね。

2011/11/22

表紙が気になって ずっとずっと気になっていて、やっと読めた。頭がくらくらする。身に覚えのない出来事、ではない。ちいさなつながりが、少しずつ影響しあって起こる出来事。何かが違えば、違う結果になっていたかもしれない出来事。祈るような気持ちで読んだ。結果が変わらないことは、わかっていたけど。

2011/02/21

自分の行動　言動が他者へどう影響しているのか

読み終わってから　いろいろと考えてしまう

若年層に読んでもらいたい

2011/02/02

＞あなたがだれかの人生の一部分に関わったとき，あなたはその人の人生のすべてに関わっているのです。
これは，人と人とのつながりを描く物語とあとがきに書かれていました。
自殺した少女から届いた録音テープ，そこで彼女は何を語りたかったのか・・・
ただ本当の私を知ってほしかっただけなのか？人の噂も七十五日という諺を聞いたことがあるが，この物語ではその諺は通用しない・・・
ヤングアダルト世代にぜひ読んでほしい一冊です。